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'ダークソウル'シリーズのゲーム世界も黒褐色のパレットが支配的ですよね。廃墟と化した城塞、朽ち果てた聖堂、永遠に続くような地下墓地――どれも薄暗い照明の中、鈍く光る金属と湿った石壁のテクスチャが特徴的です。開発陣が『光のない美しさ』をコンセプトにしていたと聞いたことがありますが、確かに暗闇の中に浮かび上がる細かな装飾や、ろうそくの灯りだけが照らすフレスコ画など、意図的に視認性を制限したことで生まれる独特の美学があります。
映画『シン・ゴジラ』の都市壊滅シーンも特異な黒褐色世界観です。ゴジラの放射熱線で焼かれた街並みは、灰と溶解したコンクリートで覆われ、不気味な光を反射しながら崩落していきます。特に夜間の戦闘シーンでは、赤外線カメラのような映像処理が施され、熱で歪んだ空気と黒煙が混ざり合う様子が、まるで地獄絵図のよう。破壊の美学をここまで徹底的に追求した作品も珍しいですね。通常の災害映画と違って、廃墟にさえ一種の『完成形』としての美しさを見出しているところが特徴的です。
Netflixの『キャッスルヴァニア』シリーズは、ゴシックホラーの伝統を引き継ぎつつ、現代的なアニメーション技法で黒を基調とした世界を構築しています。ドラキュラ城の廊下を這うように流れる影、古びた書物の革装丁、吸血鬼のマントの深紅――全てが暗い色調で統一されながら、所々に散りばめられた金細工やステンドグラスがアクセントになっています。
面白いのは、闇の表現が単なる『明るさの欠如』ではなく、物理的に存在する暗黒物質のように描かれている点。悪魔たちが這い出してくる『影そのもの』が、あたかも液体のように動き回る描写はかなり独創的です。
暗く重厚な色彩で描かれた世界観と言えば、'ベルセルク'のアニメ版が真っ先に思い浮かびます。特に1997年版の黄金時代編は、漆黒の闇と深紅の血が印象的なビジュアルで、中世ヨーロッパを思わせる厳格な社会構造と宗教観が絡み合っています。
キャラクターデザインの陰影の付け方も独特で、主人公ガッツの黒い甲冑が戦闘シーンで火花を散らす様は圧巻です。物語のテーマである『運命との闘い』が、この独特の色調によってより一層強調されている感じがします。背景美術の細部までこだわった作り込みは、ファンタジー好きならきっと唸るはず。