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17.尋問

Author: 神木セイユ
2025-06-23 17:00:00

「さぁ、効いてきたかな」

 畳の上に正座させられた椎名は、酷く汗を浮かべて籐の椅子に座るルキに頭を垂れていた。

 自制心を失い、かなり酔う薬を投与された。全身が脱力し、思考能力を奪う。それは嘘や誤魔化しを考えることも出来ないほどの威力だった。

 畳の感覚さえふわふわして目が回るが、それでも椎名は気力だけで土下座している。

「出……過ぎた真似を、しました…… ! 」

「そうじゃないよ。

まず、休みの日にどうして椎名はケイを付け回してたの ? 」

「っ…… ! ま、まさか ! つけ回すなんて ! 

 た……ただの通りすがりです。駐車場にパトがいた事に気付いて…… ! 」

「本当に ? 」

 立ち上がったルキがコルセットから細いワイヤーのような物を抜く。それはしなりのある金属で、刃は無いものの凶器であることに変わりは無い。

「ルキ様 ! ほ、本当です ! 」

     ルキが思い切り椎名の背を打ち付ける。

 バチィッと言う音と共に、椎名は悶絶し畳に崩れた。ワイシャツが一度で大きく裂け、血が滲んでいく。それでもまだ降り続く鞭。

「ふっごっ…… !! がぁっ !! …… っ!! 」

「スミスに確認したけどさぁ、今日出かけたのは北湊の浜沿いだよね ? この旅館は西湊駅前。どうして東湊の蛍の家にいたのか。納得出来ないんだよねぇ」

 再び振り下ろされるベルト。椎名のシャツが破れ所々、血が滲んできた。

「ほう……報告……の、通り…………です……。この狭い湊周辺、北から東に南下して……ドライブ中、たまたま……なんです ! 」

 

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