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師匠としての矜恃

Author: 一一
2025-06-25 21:00:00

ベルリが声のした方へ顔を向けると、そこには若い男が立っていた。

白混じりの黒髪という珍しい髪色をした男で、全身黒の軽装をしている。

(どう見ても戦闘職に見えない、魔法師か?)

更に奥を見るとフードを被った2人組が控えている。

こちらは完全に顔も性別も分からない。

(不気味だな)

警戒しながらベルリはその3人に話しかける。

「なんだあんたら?今ちょっと忙しいんだ。すぐ終わらせるから用があるならちょっと待っててくれねぇか?」

その言葉に中央のニイルが答える。

「いえ、私達が用があるのはそちらの娘でしてね?返してもらいに来たのですよ」

そう言いながら青年が指を鳴らした直後、ベルリの足元に居たはずのレイが消え、後ろのフードの1人に抱き抱えられていた。

「は?」

「はい、ありがとうランシュ。さて、どうやら無事の様ですね?如何でしたか?強敵との戦いは」

惚けるベルリを置き去りに、これまた惚けているレイに質問をするニイル。

「ニイル、なんでここに?」

質問に質問を返してきたレイに、ニイルは呆れながら答えた。

「言ったでしょう?そちらに向かうと。我を忘れるから師匠の言葉も忘れるのです、この馬鹿弟子。」

その言葉にうっ…と唸りながら縮こまるレイ

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