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Home / 青春 / (改訂版)夜勤族の妄想物語 / 3. 「異世界ほのぼの日記」㉟

3. 「異世界ほのぼの日記」㉟

Author: 佐行 院
2025-02-09 09:09:37

-㉟小さく大きな建設計画-

 メイスは光にある相談を持ち掛けた、流石に美味しくても毎日白い飯と漬物だけでは飽きてくる。そこで光は自宅の家庭菜園へ招待する事にした。先日米作りの時に使った肥料のお陰か野菜が豊富に実っていた。

 庭にテーブルを出し汚れない様にゲオルの店で買っておいたラップを巻き付け、その周りに子供達を集めた。先日、ガイにお裾分けしてもらった小麦粉を使い生地を作り、薄く丸く広げる。そこに自宅で採れたトマトで作ったソースを塗り、切ったベーコンとナル特製のモッツァレラチーズを散らす。子供達にちぎりながら散らしてもらうべくナルに頼んで作り方を教えて貰いながら一緒に作っておいた。

 ベーコンは先日『作成』で作ったタンドールを利用した燻製器で作った自家製だ。豚バラのブロック肉を仕入れて燻製し今回用に半分、そして自分の晩酌用に半分と分けてある。

 さて、もうお分かりのはずだが光は今回、子供達とピザ作りをする事にしていたのだ。ただやはり子供達が嫌う野菜の代表格と言えるピーマンを彩りの為乗せたい、そこで見た目が分からなくなるまで木端微塵に刻み市場で買ったトウモロコシやツナと一緒に散らす事にした。

 子供達が遊び感覚で小さなピザを各々で作り、それをメイスや丁度休日だったゲオルの協力で高温に熱されたピザ窯(これもタンドールの窯を利用したもの)に入れて焼いていった。

 数分後、子供たちのピザが焼けたので配り、食事会の始まりとなった。子供達が先日と同様に祈りを捧げ食事を始める、焼きたてのピザは熱々だったが味は好評で子供たちは知らないうちにピーマンを克服していった。

 食事会が終わり、メイスの引率で子供達が教会に帰った頃、光は何故か不服な気持ちになっていた。何かが足りない・・・、ただ何故か思い出せない。そこで改めて自分が焼いたピザを一口齧り咀嚼していった。

光「マッシュルーム・・・、茸(きのこ)食べたい!」

 唐突にそう思った光は庭の空いている土地に鋼鉄で作ったハウスを『作成』で建設し、内側にビニールを張り巡らせた。川から引いた水を利用し、まず水車を利用した簡易式の水力発電装置を設置して、普段家で利用している蓄電池に接続した上でハウス内の電力を確保する。流水を利用したシャワー設備を構築して年中茸が育つ状態にした。

 空調に関しては苦労した。エアコンや換気扇は無事に設置出来たが、こ
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