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3. 「異世界ほのぼの日記」㊱

Author: 佐行 院
last update publish date: 2025-02-11 11:34:16

-㊱違和感の世界で・・・、え?-

 パン屋での仕事を終わらせた光は街中を少し散策して帰ることにした、いつもさり気なく通る道を改めてゆったりと歩いてみると何かしら発見がありそうでワクワクしてくる。

 先日、呑み会を行ったパン屋の裏通りを少し歩いてみよう。テラス席が沢山ありカレーハンバーグが人気のコーヒー専門店や東京の浅草にありそうな風格のある老舗っぽいカレーが人気のメイド喫茶、そして元々賄いだった裏メニューのカレー茶漬けが密かな人気になっているインドカレー専門店など日本にあっても違和感ばかりの店が並んでいた。

 川に座敷と半分に切った筒を設置して「流しカレールー」をやっている店もある、ただ利用してもなかなか掴めないので客足が遠のくばかりで次の策を考えている様だ。

 いつ考えていつ作ったのだろうか、蛇口を捻ればオレンジジュースやカルピス、焼酎、生ビール、そして変わり種としてカレールーが出てくるお店も発見する。ただこのお店、お水が出てくる蛇口は無いらしい。

光「か・・・、カレーばっかりじゃん・・・。」

 様々なお店の前を通り少し引きながら散策して行った、店員さんがいたら確実に店に引きずり込
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    -345 経費の行方- いつの間にか光の座るテーブルで呑み食いを再開させていた好美の姿を見て拳を握りながら明らかにイラついているのが見て取れる結愛、この後の状況が怖くなりそうな気がしてならないのは自分だけだろうかと思う俺をよそに好美は口をもごもごさせながら平然と話を進めていた。因みに右手にはおつまみの卓上キムチ、そして左手にはマッコリを握っていたのでもう仕事の話をまともにする気などさらさら無い事が見て取れる。好美(当時)「貝塚運送(結愛の所)って最近大型と小型の冷蔵車を導入したって言ってたよね、それって使えないの?」結愛(当時)「全く・・・、何処でそれを聞いたんだよ・・・。確かにそうだけどさ、お前顔が赤い上に口に入ってるものを飲み込んでから言えよな。何処からどう見ても女を捨てた様にしか見えんぞ。」好美(当時)「何でよ・・・、結愛には言われたくないもん。」 誰か、コイツに「1度自分の姿を鏡で見てみろ」と言ってはくれないでしょうかね・・・。結愛(当時)「誰が捨てたってんだよ!!俺は何時でも自分が女である事を忘れない様にしてんだぞ!!」 あの・・・、すみませんけどヒートアップしている場合じゃないと思うんですが?結愛(当時)「コイツが冷静に対処している事が癪に障るが仕方がねぇ、それで俺達にどうしろと?」好美(当時)「だからね、さっき言ってた冷蔵車でバハラさんの白菜やヤエルさんのキムチを運んでくれれば良い訳よ。勿論お金は払うから頼むよ。」結愛(当時)「当然だ、こっちはボランティアでやってるつもりは無いんだからな。」好美(当時)「流石は経営者の鑑だね、尊敬しちゃう。」結愛(当時)「馬鹿・・・、そんなに褒めても何も出ねぇぞ?運送料2割引きが限界だ。」好美(当時)「やりぃ・・・、その言葉を待ってたの。」結愛(当時)「げぇっ・・・、これが本音(狙い)だったか・・・!!」 何となく結愛のチョロさが垣間見えた所で商談に戻る好美達、2人だけで盛り上がるのは良いが龍(ドラゴン)達がいる事を決して忘れるなよな。好美(当時)「一応大型の冷蔵車でバハラさんの畑で採れた白菜の内4割を「ビル下店(私の店)」に、そして別の4割をヤエルさんの家まで運んで欲しいのよ。それで出来上がったキムチの1部を小型でここに運び直して欲しい訳、勿論ヤエルさん自身が作ったキムチを小型で運ん

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    -344 お久しぶりです・・・- 必死の形相で相手を何とか説得しようとする好美の表情を見ていた女将と新・副店長は何となくだが本当に今回の商談が破談になってしまいそうで不安な気持ちになっていた、せめて発起人(言い出しっぺ)としての責任位は果たしてもらわないと困るのは誰だって同じだ。ヤエル(当時)「あのさ・・・、一体さっきから誰と話しているんだい。何となく聞き覚えのある声が『念話』で流れてきているけどこれから一緒に仕事をしていく訳なんだからちゃんと紹介してくれなきゃ困るじゃないか。」 正しくその通りだ、業務提携を結ぶ相手はやはり信頼出来る者でなければならない。せめて相手の顔や名前くらいは知っておきたいのと思うのが性であろうか。好美(当時)「ごめんごめん、ちゃんと2人に説明しておかずに話を進めるのは良くないもんね。」 すると所用で偶然近くにいた『念話』の相手であるあの女性から助け船が・・・、正直登場するのいつ振りだよ。女性(念話)「俺だって暇じゃ無いんだが・・・、まぁ良い。今からそっちに行って顔合わせしておくわ。」 あれ?この声って・・・、まさか「あのお騒がせ社長」か?女性(当時)「誰が「お騒がせ社長」だ、誰が・・・!!」 あらま、これはこれは貝塚結愛代表取締役社長様ではないですか。ご機嫌麗しゅう。結愛(当時)「わざとらしいんだよ、さっきのあんたの発言を聞き逃した訳じゃねぇんだからな!!」 気の所為ですよ、優秀な貝塚社長に向かってそんな事言える訳ないじゃないですか。結愛(当時)「全く・・・、そう言っていつも調子に乗りやがって・・・。まぁコイツの性格がどう頑張っても治りそうにないのは今に始まった事じゃねぇからぶつくさ言っても話が進まないだけか・・・、それで好美は俺にどうしろってんだよ。」好美(当時)「貝塚運送と業務提携を結んでバハラさんの白菜とヤエルさんのキムチを運んで貰おうと思ってたんだけど・・・、「引越しで忙しい」って美麗(メイリー)がまともに相手してくれなくてさ。」 龍(ドラゴン)達は初めて聞く名前に正直チンプンカンプンとなっていた、貝塚財閥は聞いた事あるけど「貝塚運送」って何?自分達と同じ世界の名前っぽいけど「美麗」って誰?結愛(当時)「そう言えば今日は1日ずっと引越しの予約が入っていて全従業員が出払っているので対応が出来ないから代わ

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    -343 この話上手く行くの?- どんどんと商談が進んで行く中でバハラたちは重要な要件を話す必要があるという事を思い出した、正直言って今回の件を発案した好美がそこまで考えているように思えない。バハラ(当時)「好美ちゃん、ちょっと良いかい?」好美(当時)「少しの間なら別に良いけどちょっと待ってくれる?」 発起人の両手には相も変わらず出走表と赤ペンが、正直言って同じ転生者である光に助けを求めたいが泥酔しているが故に誰の言葉もまともに聞いてくれそうにない。 致し方無く2人は好美が次のレースの舟券を購入し終わるのを待つ事に、それから数分後やっとテーブルにオーナーが戻ってきた。好美(当時)「どうしたの?重要な事?」 2人が話している事はこれから如何に業務提携を結ぶかという事を左右する重要な案件である、下手すればこの店と「暴徒の鱗 ビル下店」だけで済む話では無くなって来た可能性が高い。ヤエル(当時)「私達が業務提携を行ったとして、配送方法はどうするんだい?」 確かにそうだ、実際女将はこの競艇場にてテナント販売を行っているだけで別に店舗を持っている訳では無い。バハラ(当時)「まさかと思うけど、私が直接取りに来るのかい?」ヤエル(当時)「若しくは私が直接店に持って来いと?」 やめておいた方が良いのは一目瞭然だ、先程もそうであった様に混沌龍(バハラ)がこの場に来るだけで周囲が騒然としてしまう上に巨大な魚龍(バハムート)であるヤエルが持って来るとすると街の中心地に入れるかどうかが分からない(勿論現在の様に『人化』している場合を除くが)。好美(当時)「あまりにもリスクが高いね・・・、じゃあ私が直接ここに取りに来ようか?」ヤエル(当時)「馬鹿言ってんじゃないよ、ここではある程度以上の魔力が制限されているんだよ?入る事すら出来ないんじゃないの?」 以前光が超高額万舟券を獲得して黒毛和牛を一頭買いした時に話したが、この競艇場一帯には特殊な魔力(『魔術阻害』と思われる)が広がっており能力や魔法が制限されているので『瞬間移動』でこの場に入る事は出来ない。好美(当時)「じゃあさ・・・、ヤエルさんの家に作ったキムチを私が直接取りに来るのは?」バハラ(当時)「好美ちゃん、夜勤族なのに出来るのかい?さっき聞いた話だけど昼過ぎに一旦この店を離れたヤエルがキムチの仕込みを終

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    -342 熱意- 結局レース結果は「1-2-4」で確定した、どうやら軍配が魚龍(ヤエル)の方に上がった様なのでずっと競争水面を見つめていた好美は愕然としていた。確かに気持ちは分からんでも無いがそのままずっと有名人(いや「有名龍」と呼ぶべきか)を待たせるのは良くないと思う、さっきも皆が言っていたが忙しい中で来てくれているので一刻も早く話を進めるべきでは無いだろうか。バハラ(当時)「あんたも偶には良い事言うじゃないか、ちょっとは見直したよ。」 あらあら、私めなんかにそこまで嬉しい事を仰って下さるとはね・・・。正直言って勿体ないお言葉です・・・、はい・・・。ヤエル(当時)「一先ずだ、好美ちゃんはまだ復活しそうにない上に光ちゃんが食べまくってくれているお陰で即席キムチを作らないといけなくなってきているからついでに作り方を教えるよ。バハラ、良かったら厨房に来てくれるかい?」 バハラは首を縦に振り頷くとヤエルに導かれて厨房へと入って行った、女将は浅漬けを作る容器に白菜や胡瓜を詰め込んで唐辛子の粉を中心とした調味料を入れた後に上から押し付ける様に蓋をする(勿論家庭用の小さな容器で作るとすぐに無くなってしまいそうなので大き目の物を用意している)。ヤエル(当時)「本来だったら2週間ほど漬け込んだ物を提供したいんだけど今回の様になっても良い様にこういった作り方をも覚えておくのも手の1つだ、勿論後で私流のキムチの作り方を教えるからお店でやってみておくれ。」 ヤエルの言葉を聞きながら入念にメモを取るバハラ、「良い事はどんどん吸収していこう」という気持ちが滲み出ている(良い事良い事)。 バハラが自らの目で見たままにイラストを交えながら書いていく中、ヤエルは漬け込みをし始めた容器を魔力保冷庫(冷蔵庫)へと入れて行った。どうやらこの店に設置されている物も「暴徒の鱗 ビル下店」や好美の自宅にある物と同じで『アイテムボックス』と同様の機能が備わっている様なので食料が無限に入る上に保存がよくきくらしい、やはり飲食店を経営している者にとっては喉から手が出る位に憧れる物の様だ。ヤエル(当時)「この中で数時間程漬け込んだら完成だ、店に置いてあるキムチに多少の余裕があるうちに用意が出来て良かったよ。」 ランチのピークタイムを終えて少しずつ客数が少なくなってきているので数個の壺に今あるキム

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    -341 呆れた- 投票締め切りから数分後、6艇がスタート位置に出揃いレースが始まろうとしていた。好美は固唾を飲んで見守っていた、こうなると誰の言葉も耳に入らないので正直呆れて物も言えなくなってしまう。因みにスタート位置は展示の時から少し変わっているらしく、好美の顔が蒼白していくのが目に見えていた。まだレースは始まってもいないのに不安になり過ぎでは無いかと思ってしまうが、今は何も言わずに見守るべきなのかも知れないからそのまま話を進める事にするかね。バハラ(当時)「ヤエル、本当に良いのかい?こんなに美味いキムチを作る為に絶対教えたくない秘密があるんじゃないのかい?」ヤエル(当時)「いや、秘密って程の事でもないから気にしないでおくれよ。それより私はあんたと久々に会えたのが嬉しいのさ、出来る事があるなら何でも言っておくれ。」 国王がそうであるからか、どうやらこの世界の住民達は皆心が広い様だ。争いが起こる様な環境では無いと再確認出来て俺は少しホッとして・・・、いたかった。そう言えばレースの方はどうなっているんだろうか、まぁ俺が気にする事でもないか。好美(当時)「3だよ・・・、3が行くの!!」 固唾を飲みながら1周目1マークの旋回を見守る好美、正直言ってボートレースはここで勝負が殆ど決まると思って良いだろうと俺個人は思っている。 因みにスタート展示の結果等を反省したのか、好美の予想に反して1号艇と2号艇がほぼほぼ同時にトップスタートを決めていた。多分このまま冷静にターンして逃げ切ると女将の言った通りとなる模様だ、本当は裏で予想屋さんでもしてんじゃねぇの?好美(当時)「大丈夫大丈夫ぅ~。3号艇は今期、3コースからの1着経験があるって出走表に書いてあったもん。」 どれどれ・・・、赤ペンで塗りつぶしまくった出走表には確かにそう書いてあるがそれはスタートが良かったからじゃ無かったのか?好美(当時)「3号艇は実力持ちだもん、大丈夫だもん!!」 おいおい、何で涙目なんだ・・・。勝っても負けてもあんたの口座にはまだ神(ビクター)から与えられた金がたんまり残っているはずだしマンションの家賃を中心とした収入が毎月わんさかと入っているんだから心配する必要は無いだろ、何でそんなに必死になるんだよ。好美(当時)「泡銭を稼いでたらふく酒を呑む、それ一択しか無いっしょ!!」 

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    -340 拘りって一体- 新しい副店長(予定)をそっちのけにしながら必死になってマークシートに予想を記入した「暴徒の鱗 ビル下店」オーナー・倉下好美、「別にSGとかでもないただの一般レースだし携帯のアプリで買えば良いんじゃねぇの?」と個人的に思ってしまうのは何となく俺だけであって欲しい。バハラ(当時)「もう・・・、気は済んだかい?息を切らしながらする程の事でもないと思うんだけどね?」ヤエル(当時)「そうだよ、あんたより時間が無いのはどちらかと言えばバハラの方じゃないのかい?それにこう言っちゃ悪いけどこのレースは内枠3艇が逃げるはずだから多分堅いよ?」バハラ(当時)「忙しいのに急に呼び出されて待たされるのは私じゃなくても誰だって嫌って事が分からないかい、それにここで働きながらでもレースを見続けているヤエルが言う程なんだから人気通りの決着になるかもだろ。」 周りから見ればそう見えるのかも知れない、しかし好美個人には必死になる理由があった様だ(※因みにですがこちらのヤエルさんは料理屋の女将さんであり決して予想屋さんではありませんので勘違いしない様に)。好美(当時)「そんな事無いもん、絶対このレース荒れるもん!!」ヤエル(当時)「もう・・・、こりゃムキになっちゃう悪いパターンだよ。それで「業務提携(さっき言ってたやつ)」はどう言う事なんだい?」 投票締め切りから数分の間はまだレースが始まらないのでその間に説明してしまおうという好美、こう言っちゃなんだが大切な事は焦ってはいけないと思うのだが聞こえている訳無いか。好美(当時)「バハラさん、確か家の畑って白菜も作っていたよね?」 やっと本題を話し出したか・・・、いつ話が進むかヒヤヒヤしてたんだよな・・・。バハラ(当時)「勿論さ、もうすぐ鍋料理が人気になる時期だからね。それに向けて栽培をしているけど、それがどうしたんだい?」 結愛が暑そうに見える長袖をよく着用している様に年中比較的温暖なこの世界でも少しヒンヤリとして鍋が恋しくなる時期がやって来る、特に夜に至っては日中との寒暖差が半端ではない事も事実と言えるだろう(まぁよく言う砂漠地帯みたいなもんだな、でもそれってバルファイ王国か・・・)。好美(当時)「それの一部を使ったキムチをうちで販売出来ないかなと思ってさ、それとヤエルさんのキムチも併せて販売させて

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    -㊿ 信じたくない- 結愛の発言に驚きの表情を隠せない守、急ぎ家へと戻りトイレの扉を叩いた。ドアノブを見てみると扉の鍵は閉まっていた、まぁ当然の事か。守「母ちゃん!!母ちゃん!!中にいるんだろ!!開けろって!!」 まさか「トイレに行ってくる」が母の最期の言葉になるとは思いたくない守はドアノブを必死に動かしていた、しかしドアはピクリとも動かなかった。これも当然の事。結愛「守待てよ、落ち着けって。もしドアが開いて、お前の母ちゃんが生きてたとしてもしも脱いでたらどうするつもりだよ。俺がやるからどかんかい。」 自らも死者だからか、やたらと落ち着いていた結愛は守と交代して中にいると思われる筆

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    -㊽ 漏洩- 結愛に渡された手紙にずっと感動の涙を流す守、行き方も分からない遠い世界でだが好美が生きている事を心から喜んだ。手紙に書かれている好美の意志に反してしまう思考だが、正直、「会いたい・・・。」 真帆は体を小刻みに震わせて大粒の涙を流す守の肩に手をやった。真帆「守、良かったね。」結愛「お前充実してんな、いっぱい女の子に囲まれてよ。」龍太郎「お・・・、お前遂に二股か?」守「そんな訳ねぇだろ、今の彼女は真帆だぞ!!」 守の言葉に少し顔を赤らめる真帆。真帆「それ、守の方から言うのは反則だよ。真帆がその言葉で守を煽るのが楽しいのに!!」結愛「良いぞ真帆ちゃん、どんどん言って

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    -㉝ 馬鹿げた噂- 龍太郎は油淋鶏をおかずに白飯を頬張る結愛を調理場からチラチラと見ながら数回程首を傾げていた、何処か違和感があったからだ。高級外車で店にやって来た大財閥の代表取締役はそんな店主に気付いて一言尋ねた。結愛「さっきから何だよ、俺の顔に何か付いてるか?」龍太郎「いやすまねぇ、いつもそればっかり食ってるのにやたら美味そうに食うからよ。」結愛「大好物の美味いもんを不味そうに食えって言う方が難しいだろう。」 義弘による残虐な独裁政治が終末を迎えてから数日後、守や圭と一緒に松龍に来て初めて食べたこの「油淋鶏定食」に惚れこんだ結愛は店に来るとこればかり頼んでいた。龍太郎「そうだ

  • (改訂版)夜勤族の妄想物語   6. 「あの日の僕ら2」㉜

    -㉜ 高嶺の同級生との再会- 麻婆豆腐の追加注文が入ったので、龍太郎が必死に鍋を振っている横をお手洗いを済ませた守が浮かない顔をして通った。 守の表情を見た店主兼警視総監はさり気なく電話の内容について聞いてみる事にした。龍太郎「おい守、さっきまでの元気はどうしたんだよ。結愛ちゃんは何て言ってたんだ?」 結愛も守や正と一緒にちょこちょこ店に来ていたので龍太郎にとっては友達みたいなものだった為に普段から「結愛ちゃん」と呼んでいた。守「好美の事故についてだったんだけど、どうやら義弘が関与しているらしいって言ってたんだ。」 警視総監として義弘についてずっと捜査しているので龍太郎は勿論知っ

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