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Novels by 思考機械

アステロイドでメイド服姿の美少女を拾ったら最高級セクサロイドだった【星野にて竜を駆るもの】

アステロイドでメイド服姿の美少女を拾ったら最高級セクサロイドだった【星野にて竜を駆るもの】

 戦乱を逃れ、星野へと旅立ったドラゴン達。  数百年後、魔術を失い科学を発達させた人々は星野を目指した。  幼い頃、星の守護者とも呼ばれる竜と交流したタモン。  故郷の星を出て10年後、宇宙軍大佐となり星系奪還作戦に参加、救命カプセルで脱出後10年経ってから救助される。  戦闘艇を操り、フリーで仕事をこなす彼は、ある最高級セクサロイドを発見する。  彼女はただのセクサロイドではなく、ハーフエルフの意識を内包したアンドロイドだった。  何故彼女はセクサロイドの中で意識を覚醒したのか。研究所とは。そして彼の参加した不可解な作戦はなんの為だったのか。  これは宇宙を舞台にしたドラゴンと人とアンドロイドの物語です。
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Chapter: 5話「軌道ステーション(チェイス)」(視点・リイナ→三人称→リイナ)
なるべく人通りの多いストリートを選んで歩く。  怖いけど、なるべくさっきまでの『ウキウキ感』を表現しながら。 (幸いにして今の私には、尾行を撒くための武器がある……)  まずはトイレか。ここはモールの一角なので、探せばすぐにあるだろう。  セクサロイドとして検索するのではなく、一般人のように案内板を探す。  旦那様と別れた『喫煙ブース』に向かう道中にあればなお良し。 エスカレーター脇に設置されていた案内板でトイレを確認。そちらへ向かう。  ◆  ふたりは一定の距離をとりつつ、別方向から尾行を続けてる様子。  その動きから、結構馴れてる感じがする。 (おそらく……素人じゃないわね)  途中、何度か店舗内に入り、ショッピングを続けてる風を装いながらトイレ方向へと向かう。  店舗内をぶらついたあと、反対側から出たりもしてみたけど……  そこにももうひとりがちゃんと回り込んで監視を続けている。  少し距離が近かったので、その姿を記録。  別のインテリア小物を扱う店舗に入り、くまのぬいぐるみを手に取って見る風で、目を閉じ、先程の男の画像を頭の中で確認。スキャンする。 (上着の下に……拳銃?)  他にはめぼしい武器の類は持ってなさそう。その程度の武器の携帯は、惑星上ではないこんなステーションの治安レベルなら問題ないだろう。 (まぁかなり怪しいけどね)  なるべくそれを使わせないように逃げたいところ。  ◆ (混雑を予想してたけど……よかった)  女子トイレといえば行列が定番だけど、今は混雑してない。 小走りで女子トイレに入り、個室へと駆け込む。 そこで急いでスペースジャケットとスカートを脱いだ。 買い物袋からデニムのパンツを取り出し、タグを引きちぎる。 これに履き替えるだけで大丈夫そうだ。 (よし。ピッタリ。あとは……) 買った化粧品の中からコンパクトと口紅を出す。薄めの口紅だけど、結構雰囲気が変わる。 そして…… 目を瞑り、セクサロイドの機能にアクセスする。 (髪は明るいブロンドを落ち着いた濃いめのブラウンに……瞳は黒で) 髪色や瞳の色を変えられるのはセクサロイドの基本機能。 あとはシュシュで肩まである髪を後ろで括る。 (うん。完璧) これなら大丈夫だ。脱いだ服を紙袋にしまい、一
Last Updated: 2026-07-16
Chapter: 4話「ジュエル星系(軌道ステーション)」(視点・タモン→リイナ)
デブリ処理の仕事を終えた俺は、取り敢えず帰還すべく航路をジュエル星系の首都惑星ジュエルへと向けた。 まぁデブリ処理からえらいモンを抱えちまったわけだが。 取り敢えず簡単にまとめた『仕事完了』の報告書を今回の仕事の斡旋業者にメールしておく。 「金が無いとはいえ、回収した貨物コンテナの中身はジャンク屋に良い値で売れそうだぜ?」 自動航法に切り替え、手持ち無沙汰になった俺はリイナに話しかける。どうやら船室備え付けの小さなキッチンスペースに居るようだ。 「それなんですが、めぼしいパーツは保管しておいて欲しいんです」 「ん? どうしてだ?」 俺は背もたれ越しに船室を覗き込みながらリイナに問う。 「私の保守部品としていくつか確保しておきたいんですよ」 なんかゴソゴソしながらリイナが答える。 「保守部品って……あ、そうか」 リイナはあくまで『拾い物』だ。おまけに『不適合品』として廃棄されたセクサロイドである。製造元のエリザベス社のアフターサービスなんぞ受けられやしない。ましてや未登録アンドロイドという存在だ。 「お気づきになられましたか」 湯気の立ち昇るチタン製マグカップを2つトレイにのせ、こちらを振り返ったリイナが微笑む。 「どうするかな。やっぱり未登録は不味いか……」 「どうでしょう。法令的にはバレても罰金刑程度ですし、私が当局に没収されるわけでもありませんからね……はい、旦那様♡」 リイナからマグカップを受け取る。いつも飲む珈琲のはずだが……なんだ? 香りがいつもより良いな。 ひとくち飲んでみる。 「未登録は不味いが、こっちは美味いな。同じ豆のはずだろ?」 「ふふふ、ちょっとしたコツですよ」 そういってリイナもひとくち。 最先端のアンドロイドは味覚もあるらしいからね。食事イコールエネルギー補給にはならないけど。 「うん。美味しい……とにかく、登録は面倒です。今の私なら、ほぼ人間を装えますからね」 確かに。今だって普通に女の子と喋ってるとしか思えないしな。俺自身。 「それはやっぱり『意識プログラムとしてのリイナ』が優秀だってことか? その……元々はハーフエルフとしての人格があるわけだし」 「それもありますが、やっぱりこの身体が優秀なんですよ。それを完全に掌握できる神経組織と人格プログラムがあれば、全
Last Updated: 2026-07-08
Chapter: 3話「ファルクス・アーシェハイザー」(視点・アーシェハイザー)
「……様、私を連れて言っては下さりませぬか?」  目の前が赤熱した鋼のような深紅の輝きで埋め尽くされた。 思わず目を閉じた顔へ、強烈な風圧が叩きつけられる。 「……妾達も行くかぇ?」 (待て!)  しかし、すでに身体は言う事を聞かなかった。 (俺はこのまま朽ちるのか……)  大地に横たわったまま、何故か熱いものが目から零れるのを止めることが出来なかった。 そして、自らの意思に反して次第に暗闇が全てを覆いつくしていった……  ◇  知らぬ間に浅い眠りに落ちていたらしい。 「強襲降下開始5分前」  心の準備を促すけたたましいブザーと艇長の落ち着いたバリトンが現実へと引き戻す。 (またあの夢か)  軽く頭を振って、澱の様に淀んだ残像を振り払う。 そして目立たない様にそっと目尻をぬぐった。 部下たちには汗を拭った様に見える事を祈る。  いつもの目覚めの悪い夢だ。 何の意味があるのかはわからないが、何か大切なものを失ったと言う喪失感だけが残る。 その、何とも言えない虚無感が耐えがたかった。  だが、装備の重さが否応なしに己を現実に引き戻してくれる。 その現実は、はるかに厳しいとしても、己で対応出来る事の方がずっとマシだ。  薄暗い格納庫に収められた降下ポッドに乗り込みつつ辺りを見回すと、全員がほぼ同時にうなずいた。 (全く戦争好きな野郎どもだな)  思わず口元に笑みが浮かぶ。 大きく頷き返して手を上げると、全員がポッドの積層装甲蓋を閉じた。 ヘルメットをポッドに接続すると同時に網膜に直接投影される情報を確認しつつ、最終チェックを終える。  何故、今更こんな作戦を行う必要があるのか誰も分からない強襲作戦。 作戦指揮官すらもが理解していない様子だったのが異常だった。 「降下30秒前」  艇長が最後の心の準備が出来てるかを確認してきた。 現在、大気圏を侵攻作戦速度で急速降下中だ。 衛星軌道上からは友軍戦艦の猛烈な支援砲撃が行われている。 先に侵入しているECM機の強力な弾幕ECMも。 そうやってこじ開けたわずかな隙間から、我々特殊降下兵団が強襲をかける。 問題は、帰りの事はあまり考えていない事だ。 いつの降下作戦もそうだが、帰還する手筈がうまくない事が多いのだ。 その
Last Updated: 2026-07-06
Chapter: 2話「リイナ」(視点・リイナ)
 深い闇の中から意識が徐々に覚醒する……長い眠りから目覚める感覚……なのにその覚醒する意識を抑えつけられてたような…… そんな目覚めを抑えつけるような力が急激に和らいで……そして全く無くなった。 海の中を揺蕩うような感覚が拡がる。 完全に覚醒した意識の中で、様々な箇所にその意識を伸ばしていく。 まずは己を認識する。 ……どうやら人間体のようだ。 さらに運動中枢に触れてみる。 おかしい。力が入らない。間違いなく掌握できた筈なのだが。 次に全身の感覚器官に触れてみる。 (っつ!)  途端に感じる急激な痛み。恐らくは下腹部か。 その感覚器官のさらに深い部分まで意識を伸ばす。 (はぁん♡)  何これ♡ なんか凄く気持ちいいんだけど♡ ていうか、覚醒したばかりの意識がすべてそちらに持っていかれるような突き抜ける感じ。 聴覚や嗅覚にも触れてみる。視覚はそれらの感覚のなかでも少し掌握に時間がかかる。 「……おい……大丈夫か……気を失ったのか?」  男の声がする。 生臭さに汗の匂いの混じった変な匂い。 でも、激しい気持ちよさを感覚器官から感じている今の意識の中では…… (嫌いじゃない……むしろ気持ちよさが増すように感じる匂い……)  下腹部にゆったりとした動きの異物を感じる。 これがこの気持ちよさの原因か。 (あっ……♡ だめ……この感覚に溺れちゃ……)  せっかく覚醒した意識を再び失いそうになりながらも、なんとか視覚の掌握に成功。ゆっくりと瞼を開く。 「良かった……強制終了したと思った。大丈夫か?」  私を見つめる優しい微笑み。やだ可愛い♡ (……って! 何してるのよ!)  これって……いわゆる交尾中ってやつなの……? 私は急いで声帯へと意識を伸ばす。 でも……なんか上手くいかない…… (気持ち……っ♡……良すぎて……ッ♡)  同時にもう一度運動感覚にアクセスする。 (あっ……ようやく動けそう……)  よし。さっそくこの男を突き放そうか。 (ってあれ? なん……で……?)  考えとは裏腹に、私は男を抱きしめ……あろうことか唇を求めてしまう。 (コントロールミス……?)  いや違う。恐らく意識の大半を占めるこの『気持ち良さ』に抗えないのだ。 (あ……キスし
Last Updated: 2026-07-06
Chapter: 1話「タモン・ミチヤマ」
 甲高い警告音のせいで目覚めは不快だった。 10年に渡る冷凍睡眠の時に、何度も繰り返し見た夢…… 内容はなんか切なくて甘い。 そんな夢を途絶され非常に不愉快だ。「……そうか……もう目的地か……」 俺は簡易ベッドから身を起こし、小さな船室の隅で顔を洗いスペースジャケットを羽織る。 ◆ 俺の名前はタモン・ミチヤマ。34歳になる。 ただし、それはあくまでも「生まれてから34年経った」というだけであって、実際の肉体年齢は24歳。 で、元宇宙軍大佐で終戦間際の戦闘での英雄らしい。「らしい」ってのは俺自身『記憶に無い』のだ。 10年もの間救命カプセルで漂流してたらしく、救助されて覚醒したのはつい最近。 目覚めた時には記憶が失われていたようで、名前以外のことはよく思い出せない。 そんな状態だったが、それからが慌ただしかった。『10年前の作戦に於ける英雄』 として軍に持て囃され、受勲まで受けた。俺なんもわかってねぇのに。 但し、俺は戦死扱いだったので当然の様に軍からは除籍されていた。 軍に再登録しようか? と提案されたが、断った。 僅かな恩給が出る。との事だったので、現金より現物支給を受けることにした。 20排水素トン級の中古小型戦闘艇。亜空間ジャンプ能力は無いが、星系内を飛び回るには丁度いい。 流石に亜空間ジャンプ能力をもつ外航宇宙船は貰えなかったしね。 面白いことに、記憶喪失とはいえ一般的な知識やそれまでに習得していた技術は失われてなかった。 軍入隊当時はパイロットとしても鳴らしてたらしく、戦闘艇を手足の様に扱える。 リハビリがてら宇宙軍の再訓練を受けてみたが、宇宙船戦闘・艦隊戦闘の戦術も卓越してるようだ。 その結果をみて、軍はかなり俺を引き留めたかったらしいが…… 断った。 俺は自由に宇宙へ出たいんだ。 ◇ まぁ色んな仕事をした。『元宇宙軍のタモン』はそこそこ有名らしく、それなりに仕事も舞い込む。 星系内での外航貿易船の警護、アステロイドからの採掘、星系内輸送…… そして今回はゴミ処理だ。 ◆ スペースデブリと呼ばれる宇宙ゴミの処理。 不法投棄されたゴミが、アステロイドベルト周辺を漂ってる。 ただでさえ危険なアステロイドベルトで、把握されてるアステロイド以外のゴミは、ここらで採掘作業をする宇宙鉱夫達にとっ
Last Updated: 2026-07-06
Chapter: 序章「禁足地」
 まどろみの中、途切れ途切れの夢を見る。 魔術暦時代の『竜戦争』──  ◇  燃え盛る妾の──|郷《さと》であった地。 遠い日の思い出の様におぼろげに霞んで見えるのは、燃え盛る紅蓮の炎のせいだろうか。  半ば無意識的にその情景を眺めていると、目の前に古くからの信仰者であるエルフ青年が思いつめた表情で現れた。 「フィーア様! 私をあなたのライダーに! さすれば郷に現れた敵の軍勢なんぞ、容易く蹴散らすことができましょうぞ!」  そうして、妾達はともに戦った。 軍勢を蹴散らし、城郭を消し炭に変え、仲間たちとともに世界を飛び回った。 何年も何年も。 世界中の城壁で、荒野で、市街区で。 何千、何万もの命を奪い、また同じだけの仲間たちのそれを失いつつ。  幾年も続いて来た戦いに飽いた。 殺すのも壊すのも、もう飽いた。  激しい攻防によって見る影もなく破壊された城郭の上でまどろんでいたら、傍らに居たエルフの青年がぽつりとつぶやいた。 本来の白く端正な顔立ちは、血と煤によって汚れてはいたが、元来の高貴さは微塵も失われてはいないのが何故か嬉しかった。 「……星野へ──共に旅立ちませんか……?」  ライダーとして、共に戦ったエルフの青年が満天の夜空を見上げる。 荒れ果て荒み切った大地など知らぬげな、眩いほどの星々の世界。  振り向いてじっと見つめるエルフの青年は静かな声で続ける。 何かを悟った者のみが持つ、静謐さをもって。 「……世界中の竜が狩られてます……このままでは偉大なる竜族の絶滅はもはや必至……」  まだ幼さの残っていた少年は、いつの間にか立派な青年になっていた。 「フィーア様さえ宜しければ、あの星々の彼方へと私を連れて行っては下さりませぬか?」  今更に、その真剣な眼差しを受けてそれを知った。 時は確実に流れ、妾も青年も、世界も変わってしまった。 その強い意志に、改めてその事を感じる。 彼は運命を受け入れる覚悟があるのだと分かった。 「他の郷の同族にも旅立った者達が居ると聞いたのぅ……」  あまりに真摯な思いに、思わず目をそらせてしまう。 そう、それは果てしない時間を必要とする旅になるだろう。 妾は長い時を渡ることが出来る。しかし、彼らはそうではない。 それでも、青年は行くと言う
Last Updated: 2026-07-06
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