◯ベルリンの壁で別れた初恋の従兄 二人は再会出来るのか? ◯花の咲く樹の下で貴女を抱きしめる◯ 欧州の中世、戦争から戻らぬ恋人を待ちつっける少女だが…家が貧しく貴族の愛人に…しかし、病で家に戻され ◯代価に与えられしは くちずけ一つ◯ 日本の戦国の時代 武士の子供の少年と欧州の商人達の少女の淡い悲恋 その他の短編(追記予定)
もっと見る冬の季節 クリスマスの季節の中で 私はいつも思う
雪の降る中 街のクリスマスの飾り付けは美しく
何処からか誰かが引くアコーデイオンのクリスマスの曲が彩りを加えていたのだ。
私の恋した…あの人、何処にいるの?幼い恋
ドイツは第二次大戦後、二つに分断
西ドイツと東ドイツ ベルリンには分断された大きな壁‥東から西に逃亡すれば
失敗すれば銃で撃たれる事も‥処刑も‥
戦争で生き延びた従兄、私達の淡い恋
親戚の叔父達は彼を連れて、東へと
本当は私の家族も私も連れて東へと行きたったらしいけど‥‥
戦争での大混乱、立場の事情
叔父や私の家族が心ならずも 敵に協力した罪で裁かれる可能性に
皆は絶望していたのだった。
長い月日が過ぎても 私の愛しい従兄、従兄の行方は知れずに
楽しかった日々 春にはイースター、夏には避暑地でのボート遊び
同じ寄宿学校 冬にはアドベントの訪れとともにクリスマスのお菓子を準備して
彼等が去り
私の少女時代が過ぎ、私は恋人と結婚 子供が生まれ‥
東ドイツは西より、規律が厳しく、生活も
食料も必要なものも不足がちで配給制だとも
やつれて、病にでもなっていたら・・
そうして、また月日が過ぎて、壁は崩壊 私にとっては世界は新しくなって
孫の笑顔に癒される日々に‥
或る時、偶然得たのは従兄からの文(ふみ)愛しい私の初恋よ
ほんの偶然
部屋にはクリスマスの音楽がレコードから奏でられてゆく
もみの樹 クリスマスツリーの飾りが微かな音を立てる
涙がそっと流れ落ちて‥深々とまた、アドベントの季節の中で雪が降っていた。
作品登録 25.2.7
一部、初稿より改変
部屋にあるのは‥僕と、愛する人の死体壊れた部屋、そこにいるのは僕と愛する人僕の手には包丁、彼女が振り回した包丁が今は僕の手の中だ。 血まみれの包丁…そう、血塗れの…包丁この血は僕と彼女の血だった。「ええ、そうよ、私はもう絶えられないのよ」「誤解だよ、君をとても愛している、信じてくれ」「言葉だけよね、それに、、前はブランド物のバックも宝石のアクセサリーもくれたのに今は何もなくて、私にああして、欲しい、とか、こうして、とか!私も忙しいの」「料理?」 彼女が恐ろしい顔で睨み、声をあげる「料理ですって、私が作る!って、出来ないわ」「知るもんですか!私は自分の分は店に電話して注文するから、貴方の分はご勝手に、どうぞ!」「仕事の為に有名な大学卒業の私が? 私は今でも、エリートなの、貴方と違うわ」「前はこの家の住み込みのコックが作ってくれたわよね」会社を首になって、私に養われて、なんて人なのかしら?」「今となっては、そうよ、子供が居なくて良かったわ、こんな男が父親だったらと思うとゾッとする!!」最悪だった 子供もいない僕達そうして、そうして…。彼女は…彼女が……出て行くというので 口喧嘩になって、気が付いたら‥ああ、ごめんね 痛かったろう…痛かっただろう目を見開いた表情のまま、冷たくなってゆく君彼女、君が小さく、呟いた言葉「愛してるって…貴方は言わなくな…った、前は言って…愛し」涙が僕の頬を絶え間なく濡らしてゆく。
夜の闇 迷子の子供たち 数人の子供たち 辿り着いたのは・・。 パリにあるテンプル騎士団が本拠地とした搭 城塞フランス語ではタンブル‥そう、あのフランス革命でマリーアントワネット王妃たち始め 国王家族に王族、貴族たちが囚われた場所 哀しい末路を辿った国王たち夜の灯の中で 笑うのは仮面をつけた道化師 「おや、迷子だ、悪い魔物に食われるよ…ふふ」「知っているかい?」 「13日の金曜日の由来の一つ 主なるイエス様の処刑日に‥それから」「迷子のお嬢ちゃん、お坊ちゃん達 此処はエルサレムで活躍した十字軍の一つ テンプル(タンブル)騎士団の本拠地」 「まだエルサレムに居る時に建てられて1212年の頃だったか」「騎士団はエルサレムを去り、パリでフランスの王家 当時のカペー王朝を支えていたが 王さまに裏切られて 残酷にも拷問の末に罪を着せられて火刑にされた」「この国でテンプル騎士団の多く[[rb:修道騎士 > モワーヌ・シュヴェリエ]]がそうして殺され 最後の[[rb:総長 > メートル]]ジャック・ド・モレー総長」「拷問で傷だらけになった身体、炎に包まれながら呪いの言葉を叫んだとね」「1314年頃 13日の金曜日だったとか‥?本当かな」 「間もなく王は死んで、カペー朝も滅んで次のヴァロア家になったが‥」「最後のブルボン王家、ルイ16世も元はカペー、ヴァロア王家の傍流」 「処刑されたときのルイ16世の呼び名はルイ・カペー」「……」声も出ずに怯える子供たち 「ふふ‥ちょっと脅かしすぎたか さあ、子供たち 本来、騎士団はか弱い子供たちの味方だ 大丈夫 探している親の元に連れっ行ってあげるよ」 「僕は偶然、この近くにいたサーカスの道化師だ」「総長さま達はまだ苦しんでいるの?」 「どうかな、多分大丈夫 あの皇帝ナポレオンが名誉を回復させて ジャック・ド・モレー総長の名前を付けた騎士団を作ったと聞いたけど」「13日の金曜日の晩だから 気をつけて じゃないと僕みたいに悪いものに食べられるかもね」「え!」小さな悲鳴それから‥子供達が逃げ出したが…後に残った者、道化師が1人、呟く。「ご馳走様、大丈夫だよ、ちょっと血を吸っただけだから死なない、まあ、いいよね」
「待てこちらは違うではないのか? 外の竹に出てしまった」夕なぎは言う「そう言えば・・二人とも見ない顔だな?屋敷の者か?」夕なぎは問うとまどったまま 姫は三人を見つめている「・・・」「・・・・・・」にやりと・・護衛の武者と女中は笑う「今頃、気がついたのか!」「お前たちも奴等の仲間だな!」 刀を二人に向けて斬りかかる若武者キイイイン刀がぶつかりあう!そこに女中、女の間者が後ろから若武者の夕なぎ、に斬りかかるザクッ!「うっ!」「きやああ!」姫が悲鳴を上げる「・・ひ、姫 お逃げください! 右手に早く!」斬りあいをしながら、若武者は叫ぶように言う「あ・・」「早く!」「ごめんなさい!必ず助けを呼んできます」姫は半泣きしながら 後ろ髪を引かれる思いで 走りだすそうだわ、彼は…城で何度も会ったわそう、はにかんだような笑顔を見た走り逃げながらも・・思う・・ごめんなさい!死なないで!私のせいで 死なないで!助けを呼んでくるわ 死なないで!心の中で叫んだ足がもつれ、ばたりと草むらに倒れこむ「あ・・」「これは、これは姫さま」 君の悪い笑い声・・草を踏む音 がさり数人の暗殺者に取り囲まれる「おや、おや、これはこれは」「濡れ髪に、半裸姿に、衣が一枚、そそられる…ひひ」「あ…!」「おや、おびえているのかい?少し楽しませてもらっても、いいかもな」「近くの古寺に連れて行って、しばらく後に、始末をすればよいのでは?」「どれもよい…ふふふ」「た、助けて!誰か!」今にも邪な暗殺者たちの手が、のびてこようとした瞬間!シュン!1本の矢が 暗殺者に突き刺さった「ぎゃああ!」「誰だ!」「!」弓を持った一人の侍が立っている。「我は 西の国の国主の跡取り、婚約した、その姫のいいなずけ」あの人が?姫は思うそこに立っていたのは、若君の身代わりとなった若者空也であった。「姫!ふせてください}「あ、はい」姫は慌てて 草むらに伏せるシュン!シュン!矢が次々と暗殺者たちを倒す「姫!」 空也は姫を助けおこす「もう大丈夫」近くで、抱き寄せられて、その笑顔に 頬が赤くなる「あ、私!」 「あ…」半裸の姿に、今度は空也が赤くなる「・・・・」「あ!」 後ろからの殺気が!姫をかばう空也「誰だ!」他の暗殺者が数人現れる「お前
ざっと谷から降りてきて 行く手を阻む者 「盗賊か?」 「ああ!金目のものや女をもらう!」「野郎ども!」「おお!」「いくぜ!」だが 姫の御付きの者たちは手練れぞろい 簡単になぎ倒される。「我らに手を出そうとは、100年早いわ!」護衛の武者の一人が勝ち誇ったように言う「いくぞ!いまだ!」隠れ潜んでいた盗賊たちそこに隙をつくように後ろから 盗賊が襲いかかり 輿の中をバッと開ける 姫の顔を見るなり「高値がつきそうだな! 身代金か売り飛ばすか!」だが、そこに 「ぎゃああ!」「きゃあ!」 「姫!」 輿に襲いかかった盗賊を、一刀のもとに切り捨てられたのだった。 「あ!」先程の姫を見つめていた若武者 榊原 夕なぎ 「大丈夫です お守りいたします!」「有難う」姫は彼をみつめて、頬が赤くなるどうしよう、ドキドキしているわ どうしてかしら? きっと 盗賊たちに襲われそうになったからかしらねそして谷の上、木々の間から別の者たちが見つめている 一行を狙う者たち 矢を構えて 弓の弦に手をかける者 「待て!」 「? なぜ止めるのですか?」「ここでは まずい もう少し先だ」 「しかし」「ここでは奴等は木々の間に隠れてしまうだろうから」 「なるほど」 「まったく、奴等もこざかしい! 同盟など組んで、 我らの国を脅かすことになろうとはな」「いやはや まったくで ございまする」「西の国の国主の息子の一人・・養子にだされた方だが、我らの姫が嫁に行くことになってはいるのだが、話がこじれているようだ どうしたものか」「本来なら、我々の姫が、西の国の国主の花嫁となるはずだったのだが、あるいは側室では少々、立場が弱い」「なんの・・ひとまずは、あの姫さえ、消えてくれれば、それでよい」「実は間者も一行の中に潜ませておる」 「それはそれは、よい」 ニヤリと笑う暗殺者たち夕刻近くに、宿となる屋敷に到着する「ようこそ、おいで頂きまして・・たいした おもてなし も出来ませんが 何卒 ごゆるりとおくつろぎください 綾姫さま」 屋敷の主たる、大商人は、姫達に言う。大きな屋敷だが、飾り気のない造りである 離れの特別な小館に案内され ほっと一息をつく夕膳に用意されたのは 焼き魚と魚の煮付け
その頃、婚ぎ先の花婿の国では「ああ!若様!若様ああ!」「若!!」「なんたる事だ! 若様が亡くなられた これから花嫁をお迎えするはずだったのに」「流行病さえなければ、なんたる事だ!」まわりの者たちが、若き未来の主の骸を、取り囲む嘆きと悲嘆の声そっと、離れた場所から、その若様の御付きの者が見つめている。若い武者、小姓、護衛の一人 年の頃は その若様と変わらない。よい顔立ちの美貌そして、影武者や毒見役も彼の仕事のひとつだった風格のある老人、彼が、じいや、一人の男に耳打ちをした。「あい(はい)、承知いたしました」「籐野 空也よ、そちがしばらくの間は、若様じゃ」目を赤く泣き腫らしながら一人の老人が言ったのだった。「!それは どうゆう事でございましょうや?」「養子に出した弟君が戻られるまでじゃ」「弟君は、子のない親戚筋にぜひにと頼まれたが、こうなったっては仕方の無い事だ」「なにがなんでも、戻っていただく」「!」「弟君が戻られたら そちは遠出の最中に馬から落ちて亡くなったことにするそして、代わりに弟君に、花嫁と再び婚姻していただく」「親戚筋の領主は、前々から、空也、そちを欲しがっておった。あのときは 断ったが…いや、であれば…ほとぼりがさめて、戻ってきてもよしあるいは、他の主を捜してやろう、それとも別に望みがあれば叶えてやろう」「そちには、無理を頼むが、よろしく頼むぞ 空也」一人の風格のある老人が声をかける、この国の主早くに息子を亡くし 今また孫を失ったのだ。目元には涙が浮かんでいる。「!・・しかし御前さま、殿さま、それよりも弟君の帰還をお待ちしてからのほうがよいのでは、ありませんか?」御前さまと呼ばれた男はおもむろに答える「空也よ、他に手だてがない、どうしてもこの同盟は必要なのじゃ」「わかりました、そのお役目承ります」籐野 空也は 頭(こうべ)をたれた。「一大事でございます!」誰かが 慌てふためき、飛び込んできた。ささっと、おつきの者たちをはじめ、まわりの者たちが、若君の遺体を隠す。「何事だ?どうしたというのだ?」「我々の同盟を心よく思わぬ者たちが、婚礼の花嫁一行を襲うと!たった今 密偵から知らせが参りました!」「なんと!」「空也よ、そちが行くのじゃ、影武者の若君として、なんとしても、姫君を守るのじゃ!」
前世なんて ありうるの?まだ中学生の葉月(はずき)は思う「どうしようかな〜どうせ 恋の告白なんて ダメ、ダメだもん」学校の廊下 彼をそっと見つめてる 少女 風がふいて、窓から見える校庭の木々がゆれていた。彼女はまだ知らない、前世で叶わなかった恋を 今度は、この世界で それは日本の戦国の世裏切りと戦の時代 そして、欲しいものは、力で全てを奪い去る。そんな中、小国の姫である、まだうら若き乙女は思うこの時代、いえ、国の領主の娘の婚姻は 政治の道具であるのは 国の行く末を思えば、当然のことだけどでも、やはり、相手はどんな方か、気になるのは当然のこと多くの奥方がいる年寄りかも知れないし あるいは 乱暴で怖い人かも知れない 怖い恐ろしい人かも知れない。それとも、そう 物語に出てくるような素敵な殿方かもそっと、ため息をつく藤崎家の姫として…私は誰に嫁ぐことになるのかしら? 「綾姫」呼ばれて、彼女は振り返る 「どうしたの?何かあった?」急ぎ呼ばれて、着物を整えてから 小走りに廊下を走り そして、皆が待つ、大広間へと向かう。「綾姫」「どうされたのですか?」「西にある、小国の領主の息子が花嫁を捜してる」「え?」「領主の息子の名は 前橋 延高(まえばしのぶたか)」「西の小国は、豊かで 強固な軍を持っている 大事なお役目ぞ」「私を?ですか?」「そうだ」何の感慨もなく、政治の駆け引きで、トントン拍子に話は進み 1月も立たぬ間に、婚礼の準備は整えられる「綾姫様、綺麗な着物ですわね」「・・・・」ぼんやりして、心はここにあらずの姫「そのように不安になられるのも、無理のないですが、綾姫?」「大丈夫でございますか?綾姫?」「え? あ、大丈夫」 そうね、大丈夫 聞いた評判は、そう悪くはなかったのですし 心配はいらないわね…。 そう、きっと大丈夫心の中で、言い聞かせるように、まだ少女の姫君は思う。「姫さま…」そっと障子の向こう側を見る…夕刻が過ぎて、夜の闇に染まり 今度は 夜の星達が輝いている。去年の七夕のときに、祈ったことを思い出す よき人と巡りあえますように…。 そののちの事…。旅立ちの日、輿(こし)に揺られて、輿から覗き見て 後ろを見つめる 遠ざかる生まれ育った城が小さく見える。先程
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