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第614話

Penulis: 風羽
......

そう言うと、彼は手を伸ばして水谷苑を引き寄せ、自分の腕の中に抱き寄せた。

彼女は負けじと、

淡々とした声で言った。「時也、正直、もう何も感じないわ。あの動画に比べたら、こんなこと、大したことない。あなたがこんな場所で、他の女とセックスしたところで、ただの女遊びでしょ。私が気にするほどの事でもないわ」

九条時也は怒るどころか、笑った。

そして、顔を近づけ、唇を彼女の唇にくっ付けながら、嗄れた声で言った。「そうだな。お前は他の男のことを想っているから、俺がどんなに汚れようが何しようが気にならないんだな。じゃあ、妻の度量ってもんを俺に見せてみろよ......どうだ?」

水谷苑は目を大きく見開いた。

涙で目がかすんでいた。車の中で、そんなことをするなんて、信じられなかった。

運転手もいるのに。しかも彼は、たった今、他の女と......

しかし、彼女は九条時也を止めることはできなかった。

細い腰まで引き釣り降ろされ、重ねられた豪華なドレス生地は彼女の白い肌を際立たせ、彼女はまるで九条時也に摘まれるのを待っている美しい花のようだった。

彼の動きは乱暴で、全く優しくなかった。

激しく体を揺すぶられる中で、彼の金属製のファスナーに傷つけられた彼女の柔らかい肌に鋭い痛みが走った......その痛みは、彼女を苦しめ、無理やり現実に引き戻した。

夢中になった九条時也は、

彼女の顎を掴んで、問い詰めた。「お前はまだ、あいつのことを考えているのか?」

水谷苑は首を横に振った。

声を震わせながら彼女は「違う!そんなんじゃない!」と言った。

パーティーのためにアップにしていた黒髪が、白い肌の上に乱れた......その美しさは息を呑むほどだった。彼は片手で彼女の細い腰を抱き寄せ、軽く力を加えるだけで、彼女の体が更に美しくよじれた。

彼は彼女に、愛していると言ってほしかった。

しかし水谷苑が、そんな言葉を口にするはずがなかった。

彼女が言わないので、彼はさらに激しく彼女を弄んだ。喉仏を上下に動かし、黒い瞳で、彼女の蕩けるような表情を貪るように見つめていた......

高級車の車体が、かすかに揺れていた。

運転手は、後ろで何が起こっているのか、薄々感づいていた。しかし、見てはいけないと思い、運転に集中した。車を止めることもできず、香市の街を何度
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