Her Secret Addiction

Her Secret Addiction

last updateLast Updated : 2025-04-09
By:  Queen Ebony Ongoing
Language: English
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Like a moth is drawn to a flame, she's drawn to him even when she knows the consequences. She has been attracted to him the very first time she saw him, only that she had no idea how hard she is going to fall for him, how deeply she is going to care for him. Nathalie is an only child, the heiress to her billionaire family's fortune. She isn't interested in the family business, instead she finds comfort in drawing, painting and photographing. Lucas has an assignment to carry out and damn right he's going to do it, he mustn't let one amazing girl with a honey brown hair and eyes sway him. But can he? He came into the house hiding under the mask of being a bodyguard but it is much more than that. Both his survival and that of his twin sister depends on it.

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Chapter 1

00.

私は書斎で、離婚協議書を最初から最後まで改めて読み返した。

白い紙に黒い文字で、内容は明確に整理されている。

財産分与の欄では、私は何ひとつ要求していなかった。

結婚前から玲司が所有していたこの家も、車も、全て彼のもの。会社の株についても私には一切関係がない。

私が持っていくのは自分名義の貯金だけだ。

私は離婚協議書に久世昭寧(くぜ あきね)と自分の名前を書き込んだ。

三年前の私は、この結婚が利害から始まったものだとしても、きちんと向き合っていけば、いつかはうまくやっていけるかもしれないと本気で思っていた。

あの頃の私は、本当に馬鹿だった。

離婚協議書を封筒に入れ、リビングのローテーブルに置く。

それからスマホを取り出し、玲司とのトーク画面を開いた。

【今日は少し早めに帰ってきて。話したいことがあるの】

二分ほどすると、玲司のアイコンの横に一言だけ表示された。

【わかった】

私はスマホの画面を閉じ、そのままソファの上に放り投げた。

キッチンへ向かい、コップに水を注ぐ。

このキッチンは広い。観音開きの大きな冷蔵庫に、ビルトインのオーブン。ドイツから取り寄せた調理器具まで、一つひとつきれいに並べられている。

けれど私はほとんど使ったことがない。

結婚したばかりの頃は、何度か料理を作った。玲司が帰ってきたとき、せめて温かいものを食べてもらえればと思っていたのだ。

初めて作ったのは肉じゃがだった。玲司は一口食べて、悪くないと言った。

けれど、その直後に電話がかかってきて、そのまま出ていった。若菜のところで何かあったらしい。

二度目は、鶏の照り焼きを作った。その日は、玲司はそもそも帰ってこなかった。

三度目は、テーブルいっぱいに料理を作った。午後四時から始めて、夜七時までずっとキッチンに立ちっぱなしだった。

その日は玲司は帰ってきた。けれどその後ろには若菜がいた。

二人は楽しそうに話しながら家に入ってきて、テーブルいっぱいに並んだ料理を目にすると、玲司は一瞬だけ動きを止めて言った。

「今日は約束があるんだ。外で食べてくる」

若菜は玲司の後ろに立ったまま、小首をかしげて私を見ると、笑顔で言った。

「大変でしたね」

あの笑顔を思い出すだけで、今でも胃の奥がむかむかする。

それ以来、私は料理をしなくなった。

夜七時、玲司は帰ってこなかった。八時になってもまだ帰ってこない。

九時になるとスマホが鳴った。画面を見ると玲司からのメッセージだった。

【若菜のところでちょっと用事ができた。帰るの遅くなる。先に寝てて。待たなくていい】

私はそのメッセージをしばらくじっと見つめていた。

【先に寝てて。待たなくていい】

この言葉を、私は三年間ずっと聞かされてきた。

いつだってそう。玲司が口にするのはいつも若菜の名前だった。

彼女のところではいつも何かが起きて、玲司はいつだって駆けつける。

風邪を引けば付き添い、落ち込めば慰め、引っ越しをすれば手伝う。猫を飼い始めたときですら、玲司は世話を焼いていた。

前に若菜が「街の反対側にある店のケーキが食べたい」と言ったことがある。玲司は車を四十分も走らせて買いに行き、それを彼女のマンションまで届けた。彼女が食べ終わるまで一緒にいて、それからようやく帰宅した。

家に着いた頃にはもう深夜一時を回っていた。

私は聞いた。

「夕飯は食べたの?」

玲司は答えた。

「若菜のところで食べてきた」

そう言うと、玲司はシャワーを浴び、そのまま自室に入っていった。

あの日に疑うべきだったのだが、私は気づかなかった。

結婚したのだから、少しくらい時間がかかってもいい。

ずっと一緒にいれば、玲司はいつか私がそこまで悪い人間ではないと思ってくれるかもしれない。

私がもっと頑張れば、いつか玲司もこの家庭に目を向けてくれるかもしれない、そんなふうに思っていた。

けれど今ならわかる。最初から私のことなど眼中にない相手には、どれだけ尽くしたって無駄なのだ。

どれだけ頑張っても、それを理由に好きになってくれるわけじゃない。自分には関係ないと気にもされない。

私は玲司からのそのメッセージに返信しなかった。

以前なら、ちゃんと読んだという意思表示のつもりで、毎回【わかった】と返していた。

ときには【気をつけて帰ってきてね】とまで付け加えていた。自分が寛容で、聞き分けのいい妻であるように見せたかったのだ。

けれど今日はもう返したくなかった。

どうせあと数日もすれば、玲司からメッセージが届くこと自体、なくなるのだから。

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