Queen Luna: Once Rejected, Now Ruthless

Queen Luna: Once Rejected, Now Ruthless

last updateLast Updated : 2025-08-31
By:  C.ELLICAOngoing
Language: English
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Rejected? Check. Cursed at birth? Double check. Mated to the brooding, bossy Alpha King who had abs to die for? Oh, absolutely. They thought she was nothing—just a weak, wolfless girl tossed aside by fate. But fate has a wicked sense of humor. Turns out, she’s the Chosen One. The girl in the scrolls. The spark that’ll either burn the kingdom down or build it anew. With ancient magic awakening in her blood and a crown practically begging to sit on her head, she’s no longer the broken girl they left behind. Now she’s back. Stronger. Deadlier. And absolutely done playing nice. The Alpha King wants her. The realm needs her. And the ones who cursed her? Better start running. Because the Queen has arrived—and she brought attitude.

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Chapter 1

Chapter 1

木崎愛莉(きざき あいり)は漁村で暮らす海女だった。村から一歩も出たことのない彼女は、なんと世界屈指の財閥の大物、坂井陽平(さかい ようへい)の妻となった。

彼は四分の一にヨーロッパ王室の血を引き、大統領でさえも頭を下げる存在だった。

結婚後、愛莉はさらに坂井家に長男坂井優翔(なかお はると)を産んだ。

権力も地位も兼ね備えた夫に、素直で賢い息子までいるとあって、誰もが彼女の幸運を羨んだ。

だが愛莉が生まれ変わったあとは、ただ二つのことしかしなかった。

一つ目は、戸籍抹消の手続きを行い、陽平の前から永遠に姿を消すこと。

二つ目は、息子・優翔の養育権を手放すことだった。

「木崎さん、本当にいいんですか?抹消手続きには十五日かかります。一度完了すれば、『愛莉』という名前は、この世から完全に消えてしまいます」

「いいんです」愛莉の声は揺るぎなかった。

前世で、皆が羨んだこの結婚は、実際には彼女の父の命と引き換えで成り立っていた。

津波の夜、投身自殺を図った陽平を救うため、愛莉の父は命を差し出した。

父の唯一の願いは「娘が幸せになれるように」ということだった。

その恩を返そうと、陽平は愛莉を妻に迎えたのだ。

皆に祝福されて嫁いだ日は、幸せの始まりのはずだった。

しかし――愛莉が知ったのは、陽平の心の中にずっと早見彩花(はやみ あやか)がいるということだった。

海へ飛び込んだ理由も、チェロの夢を選び自分を捨てた彩花のせいだった。

結婚後、陽平は一度も愛莉に触れず、冷たい他人のように振る舞った。

ただ一度、酔ったときに彼女を彩花と勘違いして抱いたことがあり、その結果が優翔が生まれた。

それからは少しずつ態度が軟らいでいき、ようやく彼女に笑顔を見せ始めていた。

愛莉は「ようやく心を溶かせた」と信じていたが――彩花が帰国した瞬間、全てが終わった。

陽平の瞳には彩花しか映らなくなり、息子すら母親と認めたのは彩花だった。

やがて彩花は家に入り込み、愛莉は「正妻」という名ばかりで、一生家政婦のように扱われ続けた。

五十歳のときに耐えかねて区役所に離婚の相談をしたが、その時初めて知った。

――陽平との婚姻届は偽造で、自分は正式に妻ではなかったということを。

さらに、優翔の戸籍上の母親は最初から彩花になっていた。

つまり、愛莉は最初から「部外者」だった。身分すら与えられない存在だったのだ。

現実を知った彼女は精神が崩壊し、区役所を飛び出した直後、車にはねられ命を落とした。

次に目を開いた瞬間、戻っていたのは二十九歳の時。彩花がちょうど帰国したその日だった。

愛莉は苦い記憶を振り払うように時計へ目を落とし、時刻を確認した。もうすぐだ。

予想通り、次の瞬間スマホに速報が届いた。

【世界的チェリスト彩花帰国、坂井家後継者が子供連れて、高級車を贈り愛を告白。二人は極秘結婚し子どもがいるとの噂】

ニュースを開くと、映し出された映像には陽平が彩花の手を取り、覆い布を派手に剥ぎ取る姿。

そこに現れたのはピカピカのマセラティ。群衆の口が一斉に開いた。

「すごっ!やっぱり財閥って桁違い……あの車、ネットでしか見たことないよ!二千万円は軽く超えてる!」

タイミング良く、陽平の甘い声が響いた。

「彩花、俺の体も車も、全部お前のものだ」

彩花は真っ赤になって慌てて首を振った。

「陽平、これは高すぎるわ。受け取れないよ」

陽平が口を開く前に、優翔が自ら一歩前に出て、彩花の服の裾を引っ張りながら甘えた声で言った。

「彩花おばちゃん、受け取ってよ。パパ、本当は島を買おうとしてたんだけど、びっくりさせちゃうと思って車にしたんだ。

もし受け取ってくれなきゃ、パパも僕も悲しいよ」

それを聞いた彩花は、困ったように微笑んで仕方なく頷いた。

映像が終わると同時に、愛莉は唇を皮肉に吊り上げた。

胸の奥が針で刺されるように痛む。

結婚して七年。陽平からは一度も贈り物など無く、優しい言葉すらかけてもらったことはなかった。

その上、心を込めて育てた息子までもが、自分を召使いのように扱い嫌悪していた。

彼女は「父と子の性格だから」と諦めかけていたが、実際は――二人とも優しさを別の女に与えていただけだった。

愛莉はそれ以上見ず、車を走らせ邸宅へ戻った。

玄関を開けた瞬間、目に映ったのは、自分の服やアクセサリーがすべて外に捨てられている光景だった。

何事か尋ねようとした矢先、彩花の持ち物が次々と中へ運び込まれていった。

彼女が部屋から現れると、申し訳なさそうに言った。

「ごめんなさいね、木崎さん。この部屋、日当たりがいいって何気なく言ったら、陽平が気を利かせて……無理やり私を住ませてくれたの」

それを聞いた愛莉の声は冷え切っていた。

「早見さんがどこで暮らそうと自由ですが、これは私の持ち物です。あなたが勝手に処分する権利はありません」

彩花が答える前に、陽平の声が背後から飛んできた。

「俺がやらせたんだ」

「彩花には日当たりのいい部屋が必要なんだよ。新居は改装中で住めないし、お前の部屋がちょうど条件に合っていた。それで何か問題あるか?」

「でも、これは私の物です。いくらあなたでも勝手に……」

言い終える前に、優翔が花束を抱えて割り込んだ。

「彩花おばちゃん、ママの言うことなんか気にしないで。家の中でママの言葉なんて、お手伝いさんより軽いんだから」

「先生が言ってたよ。今日は母の日だから、一番大切な人にカーネーションを贈るんだって」

そう言って彼は少し照れながら身をよじる。

「だから僕、この花を彩花おばちゃんにあげたいんだ」

挑発するように愛莉へ笑みを見せた彩花は、すぐに陽平へ困った顔を向けた。

「陽平、これはよくないんじゃない?優翔のことは大好きだけど、でも、木崎さんが優翔の本当のお母さんでしょう?」

陽平は甘さを滲ませた声音で答えた。

「彩花、優翔が渡したいなら受け取ってやれ。子供の気持ちは真っ直ぐなんだ。好きな相手にあげるだけだよ」

彩花は仕方なさそうに花を受け取り、しゃがんで優翔の頭を撫でた。

「ありがとう優翔。まさかおばちゃんが、本当のママより大事だと思ってくれるなんて」

「うんうん!僕にとって彩花おばちゃんこそ本当のママだよ」

陽平は愛莉の顔色を見て眉をひそめ、軽く叱った。

「優翔、お母さんが横にいるだろう?そんなこと言ったら傷つく」

だが優翔は唇を突き出し、声を張り上げた。

「やだ!僕は彩花おばちゃんをママにする!ママは絶対彩花おばちゃんがいい!」

その光景を見ても、愛莉はもう叱りつけはしなかった。

ただ静かに荷物を抱え、玄関へ足を運んだ。

前世でも今世でも、優翔は同じだった。

どれだけ尽くしても、「母」と認めるのはあの女だけ。

愛莉は乾いた笑みを浮かべた。こんな場面は、前の人生で百回以上も見せつけられてきたのだ。

ならば――陽平と優翔が心から望む通りに。

彼ら父子の世界から、完全に消えてやるのだ。
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Comments

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Mari Anna Silbao
32(08-23-25)
2025-06-23 09:11:52
2
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Christine Owings
31 chapters 6/21/25
2025-06-21 22:33:20
2
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Jones Hezekiah
i love every minute of this book. The FL os so funny and her vegetable armies. ... ... 7
2025-06-21 10:59:09
2
119 Chapters
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