The Mafia Boss's Broken Princess

The Mafia Boss's Broken Princess

last updateLast Updated : 2024-07-16
By:  Elizabeth CattsOngoing
Language: English
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Synopsis

Sera knew she wasn’t expected when she was born. Having spent most of her life with her adoptive parents, who couldn't care less if she survived, she was finally ready to escape with her boyfriend of three years on her 22nd birthday until her world came crashing down when she met Asher. Will she throw herself into utter chaos or choose the world she knows?

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Chapter 1

Chapter 1: Sera

もうすぐ四月になり温かくなってきて、大きな窓ガラスから暖かな日差しが差し込んでいる。

春は私が一番好きな季節だったー。

去年までは。

世間一般的に言われる私たちの“愛の巣”は、モダンな黒と白のインテリアで統一されている。都内のいたって普通のマンションの一室。

昼食後、彼が淹れてくれた紅茶を前に、ダイニングテーブルに向かい合って座っていた。

もうすぐ四月になり温かくなってきて、大きな窓ガラスから暖かな日差しが差し込んでいる。

春は私が一番好きな季節だったー。

こんな休日は昼寝をするのにはもってこいだな。そんなことを思いながら、淹れてくれたアールグレイに口をつけつつ、目の前の彼に視線を向けた。

「明日で約束の一年だ。離婚しよう」

私に向けた真面目な瞳を見た時、この話だろうと想像はついていた。

だから、私の返事は決まっていた。

「そうだね」

静かに同意して感謝を込めて目の前の人を見つめる。仕事の時はきちんと整えられている髪が、休日の今日はサラサラとしている。

こうしていると、今年三十歳になるとは思えないほど若く見える。

堂前尋人《どうまえ ひろと》。私の一年だけの夫だ。

会社では海外事業部の若きエースとして活躍し、家では家事も手伝ってくれる良き夫だ。

身長百八十二センチの高い身長に、細身だが均整の取れた身体。まっすぐな瞳が私を見つめている。

なんだかんだ優しい彼は、かわいそうに見えた私を見捨てることができなかったのだろう。

「とりあえずお互いメンツは保てただろう?」

「それは私だけでしょう」

少し笑って言って見せれば、尋人はくすりと肩をすくめた。自分の本音を見せないときにするこの癖は、もうわかってしまった。

そんなことを知らなければよかった、そう思うが、今更仕方がない。

三条弥生、29歳。濃いブラウンの背中までの髪は、いつもはまとめているが、今日はなんとなく朝に念入りにセットした。

この話をされる気がしたからだろうか。

私たちが知り合ったのは7年前。

同じ会社に入社した私と望月佐和子、そして一つ上の先輩だった尋人と金沢宗次郎。

仕事を一緒にし、休みは何かと一緒に遊ぶようになるのに、それほど時間はかからなかったと思う。飲んだり、旅行にも行ったりした。

そして二年ぐらい前に、宗次郎くんと佐和子が付き合い始めた。

その時も尋人は「良かったな」とだけ言って笑っていた。もちろん私も。

いつも尋人は淡々として、軽く見せている。

顔も整っているし、仕事もできて、女子社員から圧倒的に人気がある彼は、彼女が途切れたことはなかった。

しかし、私は知っていた。尋人の歴代の彼女たちは、初めは宗次郎くんに好意を持っていた女の子だったことを。

佐和子が宗次郎くんを好きだと知っていたからこそ、尋人は佐和子の幸せを願って宗次郎くんに女の子を近づけないようにしていた。

そばにいた私は、それを見ていてわかってしまった。

でも、宗次郎くんは私の指導係ということもあり、なぜか社内では私と付き合っているという噂があった。

教育係ということで、私との方が仲良く見えたからかもしれない。

だからこそ、宗次郎くんと佐和子の結婚が決まった時、なんとなく居心地の悪い空気を周りから感じたのは、たぶん勘違いではないだろう。

“失恋したんだ、三条さん”

そんな噂がかなり広がったころ、私は珍しく夜に尋人から呼び出された。

そこへ行った時には、珍しく尋人はかなり酔っていた。だからきっと、魔が差したのだろう。

『俺たちも結婚しようか』

『え?』

自分がそのときどんな気持ちだったのか、今ではもうわからない。でも私は、すごく間抜けな顔をしていたのだと思う。

少し彼が笑ったことだけは覚えている。

そのあと、尋人はゆっくりと言い聞かせるように言葉を続けた。

『そして、一年で離婚しよう』

彼が失恋したからといって、私と結婚するメリットなど何もなかった。尋人が佐和子を好きだと知っているのは、きっとそばにいた私だけだと思う。

『どうして?』

尋人自身、私がそのことを知っているなど想像もしていないのだと思う。

だからこそ、どうしてこんな提案をしたのかわからない。

もしかしたら佐和子に告白でもして、気まずいことがあったのかもしれない。

もう未練はないと証明でもしたかったのだろうか。

『ん?』

酔っていて思考がうまく働かないのか、尋人はただ私を見つめた。

会社の噂も面倒だし、尋人と結婚すれば、いろいろな憶測も消えてなくなる?

そんな言い訳を必死に探したあと、私は目の前のグラスのアルコールを流し込んだ。

『いいよ』

だって私は……。

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