Home / 恋愛 / おいしい契約恋愛 / 17.ドキドキの理由③

Share

17.ドキドキの理由③

Author: Aica
last update Last Updated: 2025-08-15 20:25:24

だけど、好きじゃないあたしだからこそ、この役目を果たせるってことだよね。

あたしにその気がないのわかってるから社長もこんな風にいろんな話してくれたりとか、彼女役頼んでも影響ないってことなんだろうし。

「でもまぁ社長もその気がないようにしてたとしても、その外見じゃどううしようもないんじゃないですか?」

「どういうことだよ」

「いや、だって、そのビジュアルなら、社長がその気にさせなくても、絶対そこらの女の人寄ってくるでしょ」

「自分では全然そういう意識ねぇからわかんねぇけど」

「自覚ないんですか……」

「だって産まれた時からこの顔で自分と付き合ってきてんだぞ。それを人と比べるとかもしたことないし、それで自分がどうとかも別に思わねぇし。っていうか、もっとカッコいい男、山ほどいんだろ」

いやいやいや。

あなた普通に考えてかなり極上のイケメンですから。

まぁ、あたしはタイプではないけど。

こんな人と一緒にいるとか耐えらんないわ。

こんなどこ取っても整った綺麗な顔で出来あがってる人なんて一緒にいても生きた心地しない。

どう考えたって自分は釣り合わないし、そんな人とどう接していいかもわかんないもん。

実際今は仕事として憧れてる社長として接してるだけだから、そういう無駄な感情持たなくていいけど。

まぁ推しの琉偉も天使かと思うほど美形で可愛くてホントにこの世に存在してるのかよって思うくらいのレベルだけども、それは推しだから。

そういう対象として崇められるから、それは問題なし。

実際琉偉も現実で一緒にいるとか考えられない。

一緒にいたら窒息するわ。

そんな天使と同じ世界で存在しちゃいけないのよ。

天使は天使。

雲の上の存在な訳よ。

推しとファンだから成り立つのよ。

こんな風にどれだけ好きでどれだけ崇めても、それはそれで応援の一環なのだから。

だけど、この人はそういう対象ではないし、そういう接し方出来る訳じゃないし。

なのに綺麗かどうかとかカッコいいかどうかとかイケメンセンサーは無駄に鍛えてる訳じゃないから、それはビンビンに反応する訳ですよ。

タイプかどうかはまた別の話。

絶対イケメンは世界を救う!

世のイケメンは、絶対それをムダにしちゃいけないのだよ。

アイドルになるとか俳優になるとか、それこそこの社長みたいに会社作るとか、とにかくこの世に貢献する
Continue to read this book for free
Scan code to download App
Locked Chapter

Latest chapter

  • おいしい契約恋愛   149.特別な存在④

    「今の……!」「ん?」「不意打ちキスってやつですか!?」「フハッ。なんだよそれ(笑)」「慧さん……そんなん自然にしちゃう人なんですね!?」「みたいだな」「みたいだな? ん? 自分のことですよね?」「自分のことでもわかんねぇことあんだろ」「いや、それはそうですけど」「ってか、オレも今知った」「今?」「そっ。オレこんなん無意識に出来ちゃうやつなんだって」「無意識、だったんですか?」「そう。無意識。お前がこんなことするからつい気付いたらしてた」「こんなことって?」「あんまいきなり、んな可愛いことすんな。オレも何するかわかんねぇ」「え、あたしはただ気持ち伝えただけで!」「どうやらそういうお前の無意識な言動が、オレも無意識に揺さぶられるらしいわ」え、え、え。どれが!? 何が!?今のどれに刺さった!?いや、何したら何してもらえんの!?「じゃあ、あたしがもっと好きだって伝えたら、もっと好きになってくれますか!?」「そうなんじゃねぇの? どうやらお前のその真っすぐで一途に伝えてくれるのが、オレに影響与えてるっぽいし」「そうなんですね! じゃあ、いっぱい伝えますね! 好きです! 大好きです!」「いやいや、そういう安売りしろっていうことじゃなくて(笑)」「安売りってひどっ!」「好きって伝え方もその伝え方によって響き方が違うってこと」「……わかんないです」「だろうな(笑)」「じゃあ、どうすればいいんですか~」「別にお前は気にせず好きなようにすればいいじゃん」「重く……ないですか?」「今更だろ(笑)」「でも。あたしも、ホントは、あたしが伝えなくても、いつか慧さんから好きだっていっぱい言われてみたいです」「言われたいの?」「もちろんですよ!」「すぐ照れるくせに?(笑)」「いや、それは……!」「なら、お前もそれいつ言われても平気になっとけよ」「り、了解です! 鍛えます!」「え、何鍛えんの?」「いきなりの不意打ちのトキメキに、いつでも太刀打ち出来るようにメンタルと心臓鍛えときます!」「あぁ、そういうことね(笑)  なら、たまに抜き打ちテストでもやる?」「えっ!?」「初級から中級、上級まで一通り用意出来るけど? 」「え、なんかめちゃハードル上がってません!?」「それ合格しなきゃ、お前が望む好きはそんな簡

  • おいしい契約恋愛   148.特別な存在③

    「無理です……!」「え?」「まだ……そんな贅沢なこと、どうしていいかわかんないです!」「贅沢って(笑)」「お付き合い出来ただけでも夢みたいなのに、独り占め……とか、そんな贅沢すぎて……」「フッ。大袈裟だな。付き合ってんだから、お前の好きにすれば?(笑)」「好きに!? いやっ! そんな恐れ多い!!」「何してもいいんだぞ? お前のもんなんだし」そう言って意地悪そうに微笑む社長。あたしのもの……。そっか、あたしのもの……なんだ……。そう言葉にすると、一気に付き合えた意味みたいなもんとか、それほど価値あるものなんだと、改めてその近い距離に胸が熱くなる。「じゃあ……」すぐそばにいる社長にそっと手を回して抱きついて、社長の身体に顔を埋める。「大好きです」社長に抱きつきながら、あたしは溢れてきた気持ちをそっと呟く。結局いつもこの気持ちと言葉に辿り着く。何度伝えても伝えきれない。何度だって伝えたくなるその言葉。きっとこんな言葉だけでは、その好きの大きさは伝わらない。だから何度でも伝えたくなる。すると。「知ってる」そう言って、社長があたしの顔を覗き込み。またフッと笑って。チュッ。わからないほどの早さで、一瞬唇を重ねた。

  • おいしい契約恋愛   147.特別な存在②

    「ただいま」「えっ? あれ? 今日も仕事で遅くなるって言ってませんでした!?」リビングのソファで、一人くつろいでいると、思ってたより早い時間に社長が帰ってきて、思わず驚いて反応する。「あぁ。その予定だったんだけど、今日はちょっと新しい仕事の打合せでずっと出先でさ。今日はキリついたから早めにもう家帰ってきた」「そうなんですね! うわー今日も遅くなると思ってたんで嬉しいです! なら、ちょっとお話出来たりしますか?」「あぁ、いいよ。今日はもう家で仕事する予定してないし」「よかった」そしてソファーに座りながら、社長が着替えて落ち着くのを待っていたら、着替えを終えて戻ってきた社長が、ソファーのすぐ隣にドカッと座る。「あ~疲れた」そう言って、後ろに首を倒しながら、ソファーにもたれかかってリラックスしている社長。「今日は一日外出されてたんですか?」「そう。新しいプロジェクトの打合せだったり、新規の顧客との顔合わせだったり。さすがに今日はずっと気ぃ遣う一日だったから疲れた」「一日お疲れ様でした」「やっぱ家だと落ち着くわ」「あっ、なんか飲みます? また、柚子茶とか……」と、何か作ろうと席を立とうとしたら。「いい」そう言って、立ち上がったあたしの腕を引っ張って制止する。「このままここにいろ」「あっ、はい……」そう言って、そのまま元のように座り直す。社長に引っ張られた腕が、久々の社長のぬくもりを感じて、やけに緊張する。こんな少しだけ握られた感触だけでも、社長を感じられて嬉しくなる。「どした? なんか嬉しいことでもあった?」あたしがつい嬉しくなってにやけてしまった表情に気付いて社長が声をかけてくる。「なんか、嬉しいなと思って」「ん?」「相変わらず毎日忙しくされてて、さっき帰ってきた時は、仕事してた社長モードで。それもカッコよくて素敵なんですけど。でも、今はこうやって隣でくつろいでくれている慧さんを感じられるのが、なんか嬉しくて」「そっか」「はい」こうやってただ隣にいれるだけで幸せになる。「こういう素でくつろいでる姿、誰も知らないんだなって思ったら、社長独り占めしてるんだなって、更に嬉しいっていうか」「なら……いいよ。もっとオレを独り占めして」そう言って甘く微笑みながら、素早く隣から、手を伸ばしてそのままあたしの腰を引き寄せ

  • おいしい契約恋愛   146.特別な存在①

    「逢沢」「あぁヨッシー」「社内メール見た?」仕事中、ヨッシーがいきなり声をかけてきた。「ん? メール?」「まだ見てないのかよ。これ印刷したやつ持ってきた」「ん? 何これ」そう言ってヨッシーが印刷した紙を差し出す。「社長が最近立ち上げたプロジェクト」「あぁ。前に言ってたね。で、それがどうしたの?」「よく見てみろよ。そのプロジェクト。プロジェクトメンバー今から募集するらしいんだけど。それ社内の人間なら誰でも応募出来るらしいぞ」「えっ! そうなの!? 今それって、なんでもないあたしらでも出来るってこと?」「おぉ。社内の人間なら誰でも応募可能書いてある。プロジェクト未経験者でもいい企画を出せばメンバー入れる可能性あるってさ」「えっ、それめちゃ興味ある」「だろ? 基本プロジェクトなんて、そこそこ経験積んだ人間じゃないと選ばれないんだけどさ。今回のプロジェクトは、社長が直々に立ち上げたモノだから、特別にそういうカタチになったらしい」「そうなんだ! じゃあ、それって絶対チャンスだよね!」「だろ!?」「これ選ばれたら社長と直接仕事出来るかも!」「で、これ一人でも何人かでも人数とかも関係なく申し込めるらしくてさ」「へ~。とりあえずいい企画出したらいいってことだよね」「そう。でさ。逢沢、オレと組まねぇ?」「え!? ヨッシーと?」「あぁ。社長の仕事に純粋に憧れて尊敬してるオレらが組めばさ。絶対いい企画出来そうな気しねぇ?」「確かに! それってありかもね」「ってか、社長の仕事憧れてめちゃくちゃ勉強してるオレとお前なら、絶対負ける気しねぇんだよな」「うん。それは負けたくない」「しかも、企画通ってそのメンバーに選ばれたら、社長と一緒に仕事出来んだぞ? 多分一緒に会議とかも出れんじゃね?」「えっ、それマジで魅力的すぎる」社長と一緒に仕事……。え、何その最高な状況。もしプロジェクトメンバーに選ばれたら、社長と会社でも会えるってことだよね!社長の元で勉強出来るとか……あぁ絶対そんなの幸せに決まってる!絶対選ばれたい!大好きな人っていうのもあるけど、何より仕事でもホントに憧れてる人だし、絶対あたし以上にそこに参加したい人はいない!「ヨッシー! これからよろしく!」すっかりその気になったあたしは、ほぼ同志といえるヨッシーに、手を出して

  • おいしい契約恋愛   145.一番言って欲しかった言葉⑥

    「よしっ。じゃあ、お前はもうそろそろ寝ていいぞ?」「あっ、もうこんな時間。大丈夫ですか?」「ん? 何が?」「少しでもちゃんと寝てくださいね?」「あぁ、うん。お前の作ってくれた柚子茶とマッサージで随分リラックス出来た気するから大丈夫」「よかった……!」「ありがとな」「いえ」よかった……。今日から少しでも社長寝れるようになってくれるといいな。そんなあたしはこんなこと急に起こって興奮して目ギンギンなっちゃったし、絶対寝れる気しないですけどね!「あの……慧……さん」「ん?」「最後。寝る前に、もう一度……好き……って言ってもらってもいいですか?」「えっ!? 散々さっき言ったろ」「だって……。ホントに、好きって言ってもらうの夢だったんです。ずっと慧さんに、好きって言ってほしかったんです……」「そうなんだ? いいよ。いくらでも言ってやる」「……優しい」「は?」「いつもなら絶対そんなすんなりいかないもん……」「んなの、もうお前が好きなんだからいくらでも言えるけど」「そんな……急に変わります?」「何が」「そんな急に……甘い……感じになるんですか……?」「これ甘いの?」「あたしにとっちゃ、甘いです//」「ふ~ん。チョロいな(笑)」「へ!? チョロい!? え!? え!? 何がですか!?」「お前こんなんで満足してんだ?(笑)」「いや、だってそんなん経験全然ないですし……。あたしは慧さんしかこんなの知らないですし……。何言われたって嬉しいですし」「オレだってお前しかこんなんなったことねぇよ」「は!? 嘘!? 今までめちゃめちゃ女の人と遊んでたじゃないですか!?」「別に好きでそうしてた訳じゃねぇよ。そもそも遊んでた訳じゃねぇ」「でも。慧さんは、こんなの……慣れっこでしょうけど、あたしはもう好きだって言ってもらえるだけで、いっぱいいっぱいで」「いや、それにしたら、お前好きって言えってねだってんじゃん(笑)」「それ……は……! なら。もういいです……」「何? 拗ねてんの?(笑)」「拗ねてません~! もう諦めただけです~!」「フッ。諦めたんだ。はやっ(笑)」「意地悪……」「そうしたのお前だから」「え?」「こんな誰かに自分から構いたいって思うことなんて今までなかったし、こんなに一人の女の気持ち知りたいって思ったの初め

  • おいしい契約恋愛   144.一番言って欲しかった言葉⑤

    優しく囁いてくれるその言葉に、こんなにハッキリ言われると思ってない現実が、嬉しくて、夢のようで涙が溢れてくる。「ハハ。何泣いてんだよ」涙が溢れてきてるあたしに気付いて、笑いながら手で涙を拭いてくれる社長。「だって~! 夢みたいで~! ホントにこれ現実ですか!?」「現実だから(笑)」「その好きは、あたしの好きと同じってことですか……? あたしをちゃんと恋愛対象として彼女として……ホントに好きになってくれたってことですか?」「そうだよ」「うぅ……夢みたいでなんか信じられないです~」泣きながらまだ受け入れられない現実を伝える。「しょうがねぇなぁ~」社長がそうやって笑ったと思ったら。触れていた頬を後頭部まで回し、そのまま顔を近づけられ、社長の唇が触れた。…………!!!!あたしはその甘い出来事にパニックになりながらも、引き寄せてくれたその手が、優しく愛しそうに触れてくれて、その感触を感じる。そして社長が触れるその唇の感触に、心臓が壊れそうになる。あの時の酔った事故のキスみたいなんかじゃなく、優しく大切そうにしてくれるキス。ちゃんとあたしだと意識して、してくれるキス。気持ちがあるキスって、こんなに幸せに感じるんだ……。あたしはその初めて感じた想いの込められたキスで胸がいっぱいになる。「これで信じた?」「はい……」「お前が好きで、お前が愛しくてキスしたって、ちゃんと伝わった?」「はい……。伝わりました……」確かに言葉よりもそのキスで、その想いが伝わってきた。全然雑なんかじゃなく、ちゃんと大切にされていると感じられた。その表情から、その触れた手から、その唇から、全部でそれを感じることが出来るキスだった。「でもまぁ、こんなのキスの中に入んねぇけど」「えっ? 入んないんですか!?」「そりゃそうだろ。こんな子供だましのキス。物足りねぇし、初心者のお前には刺激強いから、これくらいで加減しただけ」「えっ……。もっとすごいレベルになっていくってことですか……?」「そりゃ好きな女前にしたら、こんなんで収まるわけねえし」「好きな……女……」「自分の気持ちこうやって認めたら、なんかすげぇ抑えらんなくなってきたわ。もっと濃厚なやつこれからするから、ちゃんと今から覚悟しとけよ」「へっ!? いや、えっ!? 覚悟!?」えっ、もっと濃厚って

More Chapters
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status