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第14話

Auteur: リンゴ
朝の光が遥の顔に降り注いでいた。

ぼんやりと目を開けると、自分が何も着ていないことに気づく。腰に感じる見知らぬ心地よさと温もりで、一気に目が覚めた。

隣の男はまだ眠っている。全身がまるでバラバラにされたあと組み立て直されたように痛い。

脚を少し動かせば、太ももの付け根がしっかりと掴まれていた感触が蘇る。

遥は思わず目をつむった。

相手の名前も知らないのに一夜をともにしたなんて、ほんとにお酒のせいだ。

慌てて服を拾い、そっと部屋を出る。男が目を覚ます前にこの場から離れなくては、と足早に立ち去った。

だが、彼女が去った直後、男は静かに目を開け、優しい眼差しで去っていく後ろ姿を見送っていた。

あっという間に、結婚式の日がやってきた。

遥は披露宴会場の外で待機しながら、目の前の扉をぼんやりと見つめていた。

前にこの場所に立った時、扉の向こうにいたのは律だった。そのとき、心のどこかで「いつかこの扉の向こうには悠真がいてくれるかもしれない」と夢見ていた。

でも今、扉の向こうに誰がいるのか、顔すら知らない。

苦笑いを浮かべ、混乱した思考を振り払う。

音楽が流れ出し、扉がゆっ
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  • さよならを手紙にかえて   第18話

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    朝の光が遥の顔に降り注いでいた。ぼんやりと目を開けると、自分が何も着ていないことに気づく。腰に感じる見知らぬ心地よさと温もりで、一気に目が覚めた。隣の男はまだ眠っている。全身がまるでバラバラにされたあと組み立て直されたように痛い。脚を少し動かせば、太ももの付け根がしっかりと掴まれていた感触が蘇る。遥は思わず目をつむった。相手の名前も知らないのに一夜をともにしたなんて、ほんとにお酒のせいだ。慌てて服を拾い、そっと部屋を出る。男が目を覚ます前にこの場から離れなくては、と足早に立ち去った。だが、彼女が去った直後、男は静かに目を開け、優しい眼差しで去っていく後ろ姿を見送っていた。あっという間に、結婚式の日がやってきた。遥は披露宴会場の外で待機しながら、目の前の扉をぼんやりと見つめていた。前にこの場所に立った時、扉の向こうにいたのは律だった。そのとき、心のどこかで「いつかこの扉の向こうには悠真がいてくれるかもしれない」と夢見ていた。でも今、扉の向こうに誰がいるのか、顔すら知らない。苦笑いを浮かべ、混乱した思考を振り払う。音楽が流れ出し、扉がゆっくりと開き、父・恒一がしっかりと手を握って歩き出す。老いてはいるが、頼りがいのある父の横顔を見て、少しだけ心がほぐれる。今回の結婚も望んだものではない。けれど、父がそばにいるだけでまだ救われる気がした。親族や招待客たちが一斉に視線を向けてくる。「まさか滝川会長の娘さんが、こんなに綺麗だったとは」「新郎の橘(たちばな)さんも素晴らしい人だし、皆がどんな人が彼女の相手になるか気にしてたけど、これで安心だね」「でも、遥さんって一度結婚して離婚してるって噂だよ」小さな声もはっきりと聞こえる。遥は眉をひそめるが、誰かがその言葉をさえぎった。「俺の花嫁に、余計なことを言わないでくれ」聞き覚えのある声に遥の心臓が大きく跳ねる。顔を上げると、バージンロードの先にいたのは、あの一夜をともにした男だった。数日前に「駆け落ちしない?」なんて冗談を言い、あの夜、自分と関係を持った男――遥の頬はチークで赤いはずなのに、さらに真っ赤に染まった。それは恥ずかしさじゃなく、悔しさと怒りのせいだった。この男は本当に意地悪だ。彼女が誰かを知っているくせに、わざわ

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  • さよならを手紙にかえて   第9話

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