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第65話

Author: ラクオン
和也を避けているということはプライベートな話だ。

梨花は眉をひそめ、もう遠慮なく声を冷たくした。

「黒川社長、私たちの間に、わざわざ二人きりで話すようなことがあった覚えはありませんけど」

竜也は目を細め、相変わらず感情の読めない冷ややかな目で彼女を見た。

「貴大からお前に返すよう頼まれたものがある。いらない?」

「......」

梨花はそれ以上言い返さず、和也に向き直った。

「和也さん、先に帰ってください。私は大丈夫です」

和也は少し不安そうな顔をしたが、二人は兄妹という関係であることもあり、さすがに竜也が無茶をするとは思えず、頷いて先に店を出ていった。

和也が去るや否や、梨花は無表情で手を差し出した。

「それで、何を返すの?」

だが、竜也は動かず、片手をポケットに突っ込んだまま、無言で出口の方へ歩いていった。

梨花には、貴大に何かを預けた記憶がなかった。仕方なく、彼の後をついていった。

どういうわけか、彼は彼女の車をすぐに見つけて、助手席のドアを引いた。

しかし鍵がかかっていて開かず、ようやく彼女に目線を向けてきた。

「......」

梨花は息を深く吸い込んだ。

「返すだけなのに、車に乗る必要があるの?」

「俺の車は和也を送るために使ったんだ。お前が送ってくれないのか?」

誰も頼んでないけど?

梨花は心中でそう呟きつつ、数日前の黒川家での恩を思い出し、渋々ロックを解除した。

竜也は何事もなかったかのように助手席へ乗り込み、ポケットからお守りを取り出した。

「これで一真の気持ちが戻るとでも思ってるのか?」

低く、どこかからかうような声だった。

梨花はひと目でそれが智子おばあさんから貰ったお守りだと気づき、黙って受け取り、バッグへとしまった。

「あなたには関係ないでしょ」

言い放つと、それ以上口を開く気もせず、前を向いたまま尋ねた。

「どこまで送ればいいの?」

竜也はまったく動じることなく応じた。

「若葉小路」

「......若葉小路?」

梨花は驚いて聞き返した。

竜也はちらりと彼女を見やり、無表情に言った。

「そこに住んでる。何か問題でも?」

「......別に」

予想外の偶然に、ただ驚いただけだった。

その後、車内はしばし沈黙に包まれた。

「どのマンション?」

若葉小路に入ってから、梨花が
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