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9-3

Author: kgn_neko
last update publish date: 2026-09-28 08:19:40

訓練所跡地にて、ローザは適当な的の前に立つと、ポキポキと指を鳴らしながら呟いた。

「そういやお前、名前は?」

「名前ぇ…?」

名前ないな、そういえば。

この世界に来た時から、ずっと食屍鬼と呼ばれ続けてきたし、モニカからすら、アンタとか、食屍鬼って言われてたし。

特段、名前らしい名前はない。

「名前ないな…」

「はぁ?んなワケねえだろ、言いたくねえのか?嫌いな名前なら、適当に偽名名乗りゃ良いだろ。」

「うーん…」

そう言われると悩む。

ローザは訝しんでいるが、名前がないのは本当だし、今更決めるのもなんかな…。

「今まで通り食屍鬼でいい。本当に名前ないし。」

「食屍鬼はこの施設にもいんだよ、いちいち個体識別番号で呼んでたら混ざるだろ。」

「ああ、そうか。」

私は見た事ないけど、食屍鬼もこの施設にいんのか。

ゲーム開始地点の名前を決める所で、デフォルトネームがダメみたいな感覚に陥った。

「うーーーん……じゃあ、モニカで……」

「モニカ?」

「うん。モニカ。」

「お前、“聖女モニカ”知ってんのか。」

え、知ら
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  • コムハニーゾンビ   10-3

    結局、あの後も火を消す課題をやり続けたが、クリアすることは叶わなかった。 べちゃりと地べたに突っ伏し、うんうん唸る私。 「体グラグラするぅ…」 絶対、血を使い過ぎたことによる貧血だ、これ…。 品がない言い方だが、生理の時ってマジでこんな感じだった…。 元の世界で、何度も経験したことのある、体の倦怠感とふらつき。 流石にここまで酷くはなかったが、されど血って大事なものなんだと今一度体感した。 「言ってる間にもう夕飯時か。日が暮れ出してるな。」 「ええ…」 ローザの言う通り、日は既に西に傾いている。 その影響で、辺りは薄暗く、寒さも心なしか強くなってる気がした。 「さむ…。」 日が落ちると急に寒くなる。 羽織っていたローザの上着を更に自分に引き寄せた。 「今日はもう止めとくか。俺も腹減ったし。」 「お前、私が火ぃ消そうとしてた時から、ずっと何か食ってなかった?」 バケツに入ったペーストの残飯を、昼から今に至るまでずっとスプーンで食ってた気がするんだけど…。 「あんな半液状のモンがバケツいっぱいあったって、腹なんか膨れねーよ。肉か魚が食いてぇ。さっきヨウシュナシも飲んじまったから、甘いモンも食いてえな。」 「身も蓋もないな…。」 しつこいようだが、やはりこの図体だしな…固形物が欲しいと言われたら、そりゃそうだとしか。 隣に立つと更にデカさが際立つ。 私の頭が、ローザの胸より少し下にしか来ないので、見上げる度に首が痛い。 「街案内は明日だな。俺、しばらくゴブリンのオッサンとこに顔出せねから暇だし。」 「あっ!、そういえばその件どうなったんだ?私、食堂とアパートしか行き来してないから知らないんだけど…。」 「あそこアパートじゃなくて寮だぞ。現状ゴブリンのオッサン共が劣勢だよ。最初は良かったんだけど、やっぱランカーと対立しちまったからな。」 「……。」 伊達にランカー張ってるワケじゃないと、ローザは喋りながら、食堂に向けて歩き出した。 「そもそも、エルダードワーフのオッサンが早めに嗅ぎつけて、手を打ってたらしくてな。」 ゴブリンをまとめるボスと、エルダードワーフのランカー、二人が『話し合い』に興じている間、部下のゴブリン共が鉱脈の一部を奪おうと動いていたらしいが

  • コムハニーゾンビ   10-2

    「フゥーッ…ゼェッ、ハァッ……ゲホッ……つ、疲れた……もうむりぃ……」 「魔力切れか?まだそこまで時間経ってねーぞ。」 「おいなに一人でメシ食ってんだよ!」 あれから数十分くらい。 目の前の課題を何とかこなそうとして、あれこれやっては見たものの、一向に炎は消えない。 当たり前だが、魔法で出来た炎だ。 単なる水をかけただけじゃ消えるわけないし、かと言って、私のカスみたいな魔法じゃもっと消えない。 その間、ローザは昼飯とバケツの残飯を取ってきて、その場でむしゃむしゃ食ってる。 クッソ、教えられてる立場とはいえ、なんか腹立つ! 「お前も食えばいいだろ。ずっとそこで課題こなせって言ってるワケじゃないんだから。」 ほらよ。と私の分の皿を差し出され、ぐっ……と怒りそうな自分がナリを潜めた。 前々から思ってたけど、コイツ結構、良い男だよな…。 女にモテると言われても、この性格ならそこまで違和感抱かないもん。 「メシは良いけど、喉乾いた……。」 ご飯を持ってきてくれたローザには悪いが、先に水が欲しい……。 「食いモンしかねえよ。それこそ自分で水出せねーのか?」 水の魔法使えんだろ?と目で訴えられたが、私は無理だと首を横に振る。 「出せるわけないだろ…魔法発現したての赤ちゃんだぞ、こっちは……。」 出そうとしても、血しか出ないよ。 ……あ、いや、ちょっと待てよ。 私が着ているローザの上着ん中に、確か……。 「?、なんだそれ。」 上着の中から出てきたのは、くっしゃくしゃの紙袋。 中を漁れば、出てきたのはヨウシュナシ。

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  • コムハニーゾンビ   9-1

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