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第620話

Penulis: 落流蛍
時也の姿を見た華恋は、まるで希望の光を見たかのように、すがるように叫んだ。

「時也!おじい様を助けて!撃たれたの......!」

賀茂爺は時也の姿を認めた瞬間、瞳孔がぐっと縮まり、震える手を上げて何かを言おうとしたが、声が出なかった。

時也は、彼が何を言いたいのか、おおよそ察していた。

ほんの一瞬、迷ったが、すぐにかがみ込み、賀茂爺を抱き上げると、躊躇なく玄関へと駆け出した。

その途中、浩夫の横を通り過ぎながら、彼を思い切り蹴り飛ばした。

やっと正気に戻った浩夫は、血の気が引いた顔で、遠ざかる時也の背中を見つめながら、うわごとのように呟いた。

「......あいつの旦那って、哲郎の叔父の部下なんじゃなかったのか?なんで......彼がここに?」

その時、彼のすぐそばを通り過ぎようとしていた小早川が、その言葉を聞いて、ふっと笑った。

「誰がそんなことを言った?」

浩夫はハッと顔を上げた。

彼は、小早川を知っている。

「お前......時也様の秘書だろ!?なんでお前までここに......?」

小早川は彼のあまりの惨めさに、少しだけ哀れみを感じた。

もう助からない
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