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第2話

Auteur: 昭寧
あの時の私は、病院のベッドの上で、心が冷え切り、あまりの悔しさに一言も発することができなかった。

今、テーブルの上のふじりんごを見ていると、この数年間、どこにでもあったマンゴーの姿と、病院のベッドで受けた非難の言葉が蘇ってくるようだ。

十数年も溜め込んできた悔しさと怒りが、この瞬間、堰を切ったように溢れ出し、私は拳を固く握りしめた。声が、抑えきれずに震える。

「お母さん、一度でいいから私の言うことを聞いてくれるの?」

私の怒鳴り声を聞いて、母はリンゴを拭いていた手をぴたりと止めた。

彼女は私をちらりと見やると、少し口の端を歪めて、馬鹿にしたように言った。

「酸っぱいだけの青リンゴが、ふじりんごより美味しいわけないでしょ?あなたのためを思ってやってるのよ。作ったって誰も食べなかったら困るでしょうが!」

その声には謝罪の気持ちなど微塵もなく、私が繰り返し強調した言葉など、まるで意に介していないようだ。

私が口を開き、何かを言い返そうとした時、父が書斎から出てきた。

父はこわばった私の顔と母の手にあるリンゴに目をやると、すぐに駆け寄り、いつものなあなあな態度で私の肩を叩いた。

「大したことないじゃないか。たかがリンゴ一つだろう?お母さんも良かれと思ってやったんだから、そんなにムキになるなよ。家族なんだから、波風を立てるな」

「良かれと思って?」

私は父の手を荒々しく振り払った。声が、思わず大きくなる。

「お母さんはいつだってこう!私がマンゴーアレルギーなのに、毎日マンゴーを買ってきて無理やり作らせようとするし、料理もできないくせに、いつも私のそばで指図ばっかり!」

私の言葉が終わらないうちに、母は「バン!」とリンゴをテーブルに叩きつけ、寝室へと足早に消えていった。

分かっている。また、あの手で怒ってみせるのだ。

小さい頃から、母はいつもこの方法で私を思い通りにしてきた。

昔は私も幼くて、その手にまんまと乗せられていた。

でも、もう私は大人だ。これ以上、我慢するつもりはない。

私は踵を返し、家を飛び出してスーパーへ向かった。

風が顔に当たって少し痛い。けれど、頭の中は母のあの馬鹿にしたような表情と、父のいつものなあなあな言葉でいっぱいだった。

「我慢すればいいじゃないか、お母さんは君のためを思ってやってるんだから」

「そんな些細なことで、事を荒立てるなよ……」

結局、自分の身に降りかからないと、痛みなんて分からないのだ。

考えれば考えるほど喉が詰まるような怒りがこみ上げてきて、私は冷たい顔でスーパーに入った。

店に入るなり、私は果物コーナーに直行した。

遠くからでも、山のように積まれた青リンゴが見えた。先週、私がわざわざスーパーに予約しておいた、あの青リンゴだ。

私はそこへ歩み寄り、屈んで青リンゴを二箱抱え上げ、カートに入れた。

体を起こした時、ふと隣の棚にある輸入アメリカンチェリーが目に入った。暗赤色の果実が一粒一粒、つややかに実っている。

その瞬間、大学を卒業したばかりの頃を思い出した。

会社からスーパーの商品券をもらい、私はお正月用に奮発してアメリカンチェリーを買った。

そのことを母に知られると、私は無理やりスーパーに引きずって行かれ、その二箱のアメリカンチェリーを返品させられ、安くて量の多いリンゴとバナナに替えさせられた。

「こんな高いもの、一口でなくなっちゃうじゃない。食べたって何になるの?リンゴに替えれば、どれだけ持つと思ってるのよ!」

あの時、私は俯いて、母がスーパーの店主と言い争っているのを見ていた。「食べたい」という言葉を飲み込んだけれど、心の奥の渇望だけが、小さな虫のように、何年も這いずり回っていた。

今、私はアメリカンチェリーをじっと見つめると、手を伸ばし、大きなパックを二つ、ためらいなくカートに入れた。

「お嬢さん、旬の特売オレンジはいかが?入荷したてで、とっても瑞々しいわよ!」

スーパーの店員のおばさんが、オレンジでいっぱいのワゴンを押しながら近づいてきて、カットされたオレンジの一切れを私の前に差し出した。
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