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第124話

Auteur: みそ煮
last update Date de publication: 2026-04-21 20:49:41

静香に胸倉を掴まれた湊斗は、じっと彼女を睨み返していた。二人の鋭い視線がぶつかったまま、時間だけが流れる。

先に言葉を発したのは湊斗だった。

「……いい加減に離せ」

彼は低い声でそう言うが、静香はシャツを掴む手を緩めなかった。華奢な身体に細い腕。一体どこからこんな力が出るのか。

「私の質問に答える気はないわけ?人の話を聞かないところは昔から変わってないのね」

「……そうやって掴まれたままでは話すことも話せないだろう」

「……」

その言葉に、ようやく静香は湊斗から手を離した。自由になった彼は乱れた襟元を整えた。昔から粗暴なところがまるで変わっていない。

「瀬奈を急に連れ出すだなんて……一体何を考えているのよ」

「大げさだな……元々俺と瀬奈は夫婦なんだ。妻を迎えに行くのはそんなにおかしいことか?」

「妻……?」

静香は絶句した。湊斗は二十年間瀬奈と夫婦だったが、彼女を妻だと思ったことなんて一度もないだろう。そんな彼の口から、妻なんて言葉が出るとは。

「変ねぇ……神宮司家の社長は本妻を蔑ろにして毎日愛人の元へ帰っているって聞いたけど?」

「……」

彼女はこれまでの怒りをぶつけるかのように、
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