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第12話

Autor: ゆるり
古びた路線バスのエンジンが止まり、知代は荷物を手に停留所に降り立った。

目に飛びこんできたのは、雪をかぶった山々と、トタン屋根の古い家が点々と並ぶ小さな集落だった。停留所の近くには、防寒着に身を包んだ村人が何人か集まってこちらを見ている。

「都会から来たんだと。あんな細っこい女が、こんな雪国でいつまで持つんだか」

嘲るようなよそ者への笑い声が、耳に突き刺さった。

知代は何も言い返さず、目を伏せて自分の両手を見つめた。

留置場で2日2晩冷えきった手は、今も腫れ、あちこちひび割れていた。

もう、都会暮らししか知らない人間の手には見えなかった。

知代は静かに視線を戻し、鞄を持ち上げると、案内役の村の者のあとについて、村の西外れにある大友家へ向かった。

会社がしばらくの宿舎として借り上げてくれたのは、母屋の脇に建つ古い離れだった。

集落の夜は、耳が痛くなるほど静かだった。

板の間に敷かれた薄い布団に横たわり、知代は暗闇の中でぼんやりと天井を見つめていた。

前世で、死ぬ間際に見た光景を思い出す。

病床のそばに座った文幸の、氷のように冷たく無表情な声。

「この人生で、俺は
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