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第963話

Author: リンフェイ
今、理仁がその写真を見たいと思ったのは、ここに唯花がいるからだった。

何か面白いことがあれば、愛妻に聞かせたり見せたりしたいのだ。

辰巳だって馬鹿ではない。理仁が辰巳と奏汰の事をある種のゴシップとして妻に教えてやろうと思っているのはわかっている。

妻を楽しませるためであれば、理仁は自分の兄弟、従弟たちですらも売ってしまうのだ。

辰巳はその二枚の写真を渡した。心の中では自分は本当に気骨のない男だとしょげていた。理仁が辰巳の情報を妻に売って楽しませようとしているのがわかっていながら、大人しくへこへこと命令に従うのであった。

もし、辰巳も将来恋に悩みを抱えることになって、理仁と唯花の助けが必要になったとしたら、この夫婦が無条件に助けてくれるのを期待していた。

いやいや、そんなことを考えるのは早すぎるだろう。

彼の恋路は順風満帆に間違いないのだ。

どうせ彼はスピード結婚でもないし、こそこそと裏で結婚するわけでもない。自分の正体を隠したり、相手を騙したりするわけじゃないし、順調に進むに決まっているじゃないか。

「何の写真なの?」

唯花はやはりそれに興味を示した。

理仁はまる
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