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第691話

Auteur: 星柚子
立ち去る前、遠翔と澪は何度も振り返り、名残惜しそうに奈穂に手を振った。

「お姉ちゃん、またね!」

「お姉ちゃん、今度遊びに行くから待っててね!」

奈穂も微笑みながら手を振り、うなずいた。

二人が去ったあと、彼女はくるりと振り向き、正修の手を握ると、思わず小さくあくびをした。「私たちも早く帰ろう。もう眠くなっちゃった」

「分かった」正修は握り返しながら言う。「でも、その前に一つ話しておきたいことがある」

「ん?」奈穂は眠たげに目をこすりながら彼を見る。

彼の表情がやけに真剣だったので、何かあったのかと少し緊張した。「どうしたの?」

「さっき君が部屋にいる間、ある女性が来た」正修は言った。「以前、須藤さんのパーティーで会ったことがあると言っていたが、俺はまったく覚えていない」

奈穂は頭がぼんやりしていたせいで、少し考えてから思い出した。

この前、君江が開いたパーティーに、優奈という女性がいた。

雅之の娘で、あの時もずっと正修に近づこうとしていたが、結局機会を得られなかった。

まさか、さっき来たのも彼女?

「俺は相手にしなかったが、従姉が少し話をしていた。その後、ス
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