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第731話

Auteur: 鈴木真知子
その日の朝早く、彩葉と翔吾は連れ立って瑠璃子の見舞いに病院へ向かった。

病室の前に差しかかったところで、二人は同時に足を止めた。

扉の前に、一人の男が立っていた。

光一だった。

その顔は暗く憔悴し、両腕には純白のバラを抱えていた。

ちょうど看護師が二人、前を通り過ぎていった。

「あの人、昨日の夜中からずっとあそこに立ってるらしいわよ。なんだか見ていて胸が痛くなるわ」

「それはイケメンだからでしょ。不細工だったら同情なんてしないくせに」

彩葉と翔吾は顔を見合わせ、手を繋いだまま光一に近づいた。

「光一」

光一はゆっくりと振り向き、無理に笑顔を作った。「彩葉、翔吾」

翔吾が静かに尋ねた。「中に入って、小山さんに会うか?」

光一はガラス越しに、瑠璃子に甲斐甲斐しくお粥を食べさせている蒼唯の姿を見つめ、苦渋に満ちた、悲しげな笑みを浮かべた。

「いい。彼女は俺に会いたくないだろうから」

彩葉はきつく唇を引き結んだ。言いたいことは山ほどあった。しかし、言葉が出てこなかった。

瑠璃子と光一の間には、確かに決して埋め難い溝があった。

だからといって、何度も何度も瑠璃子を
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