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第728話

Auteur: 鈴木真知子
一つの発表会が幕を閉じ、歓喜に沸く者がいれば、全てを失う者もいた。

彩葉が自分こそが国際的に名高いデザイナー「ノラ」だと公表したことで、その夜のうちに会社にも夢の携帯にも、鳴り止まぬほどに着信が殺到した。

北都はおろか全国で名の知れた大資本が、次々とターナルテックに協力を申し出てきたのだ。

皆、彩葉という金看板を目当てにしていた。

もっとも、彼女はその看板に十分見合うだけの才能を備えていた。

以前は数億円の出資にすら四苦八苦していたというのに、今では平然と数億ドルのオファーが舞い込んでくる。

まさに隔世の感を禁じ得なかった。

さらに氷室グループの新車発表会という大舞台で話題を独占したことで、ターナルテックが手がけた新型車は空前の注目を集めていた。

製品が予定通り世に出れば、株式上場も決して夢ではない。

母が生前に思い描いていた夢へと、彩葉はまた一歩近づいた。

一方の林家、すなわち株式会社ウィンドスカイは致命的な打撃を受け、嵐の海に放り出された小舟のように激しく揺れていた。

多恵子と雫が浩一郎を二十五年もの間騙し続けていたことは、所詮は表に出せない私的なスキャンダル
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