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第278話

Auteur: 春さがそう
隼人は淡々と彼を一瞥した。

「俺の心には予感があった。彼女が子供を中に入れないかもしれないとは分かっていた。だが、まさか、彼女が本当にこれほど決然としているとは思ってもみなかった」

隼人は心底驚いていた。

彼が最も恐れ、うろたえたのは紗季の態度があまりにも決然として無情だったことだ。

自分であろうと陽向であろうと、もはや彼女の心にさざ波さえも立てられない。

自分にとって、それが何よりも受け入れ難かった。

自分は紗季があの辛い日々の中でどれほど失望したのかは分からないが、しかし、自分と子供に何が起ころうと、紗季はもう二度と振り返らないだろうということは分かった。

取り返す方法が何もないことが、彼を最も恐れさせ、なすすべもなくさせていた。

隼人が全身固まっているのを見て、翔太はポケットに手を突っ込み、仕方なくため息をついた。

「俺が思うに、お前が今考えるべきなのはそんなことじゃない。子供をどうするかだ。あいつが目を覚まして、紗季がやっぱり自分を拒絶したと知ったら、どれほど辛い思いをするか」

翔太はガラス越しに中を覗き込み、陽向が眠夢の中ですら、眉をひそめていることに気づいた。

その様子を見て、隼人は何の同情も見せなかった。

彼はただふんと鼻を鳴らし、その瞳に冷たい色がよぎった。

「あいつの自業自得だ。たとえ三浦美琴が意図的に誘導したとしても、たとえ俺が間に入ってうまく調整しなかったとしても、まさかあいつ自身は無実で、少しも間違いはなかったとでも言うのか?」

翔太は唇を固く結び、言葉を失った。

そうだな。

誰も陽向の首に刃物を突きつけて、今後母親に近づくなと脅したわけではない。

このすべては陽向が自ら招いたことだった。

そう考えると、翔太は廊下のベンチに腰を下ろした。

「次の手はどうするつもりだ?」

隼人はそれを聞くと、面白がるように彼を一瞥した。

「介護士を雇って、陽向の世話をさせる。俺たちはどちらかが、必死に取り戻さなければならないだろう?」

そう言うと彼は立ち上がり、そのまま病院を立ち去った。

翔太は仕方なく留まり、病院に電話して、適切な介護士を紹介してもらい、来てもらうしかなかった。

一方、紗季が家に戻った途端、まもなくドアがノックされた。

彼女がドアを開けると、隼人が外に立っているのが見えた。

目が交錯し、隼人
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