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第 839 話

Author: 水原信
音ちゃんの瞳には険しい光が走った。彼女はすでに海咲をここに連れてきた以上、海咲を生かしてここから出すつもりは全くなかった。

だが、あの男が部屋を去ってからわずか30分もしないうちに、部屋の扉がノックされた。

「入って」彼女が冷ややかに二言だけ発すると、体格の大きな男が参鶏湯の入ったお盆を持って部屋に入ってきた。

男は恭しく音ちゃんの前に立ち、「音様、ファラオの指示で特別にお持ちした補身のスープです」と告げた。

音ちゃんは一瞥しただけで背を向け、「そこに置いておいて、着替えたら後で飲むわ」と答えた。

彼女がここに来てからというもの、隔日で参鶏湯が届けられる。だが正直なところ、彼女はもううんざりしていた。

男は言われた通り参鶏湯を机に置き、「音様、ファラオからの指示で、私が見届けるまで飲み終えていただかないといけません」と冷たい声で言った。

音ちゃんは答えず着替えを終えた後、机に向かい参鶏湯の碗を手に取った。中から立ち上る薬膳の匂いに顔をしかめながら、気合を入れて一気に飲み干した。

「少しは融通を利かせられないの?いちいち見張らなくても私はちゃんとしているでしょう」と不満を漏らす。

男は冷
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