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第42話

Autor: 浮島
蒼空は小さく返事をし、杯を掲げた。

まるで和人が背後にゆっくりと近づいてくるのを気づかないふりをして、微笑みながら言う。

「みんな、楽しみにしてたんでしょ?」

誰もが予想もしない言葉だった。

意味も分からないし、そもそも蒼空の言葉など気にも留めていなかった。

「聞きました。私にプレゼントを用意してるって。

だから私も、礼には礼を。とびっきりの贈り物を用意しました」

会場の視線は蒼空の言葉に向けられることなく、彼女の背後、和人の手元へ注がれていた。

彼らの瞳は獲物を待つ獣のように輝き、蒼空のドレスが落ちる瞬間を、息を潜めて待っていた。

泣きながら必死に胸元を押さえる蒼空を、嘲笑うために。

蒼空の視線がふと横へ逸れ、瑛司の暗く沈んだ瞳とぶつかる。

彼女は薄く笑った。

蒼空は酒を口にせず、テーブルに置いた。

その瞬間、背後から衣の紐が強く引かれた。

笑みが、深まる。

彼女はこの日のために、その紐を特別に補強しておいた。

和人の力では引きちぎれない。

かすかに、彼の小さな呟きが聞こえた。

「どうして......?」

動かないことに気づいた和人は、心底安堵し
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