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Aвтор: maruko
last update Последнее обновление: 2025-04-16 10:48:51

帝国の子爵家ではルルーシアは手厚い歓待を受けた。

母の兄である子爵家当主はルルーシアの行く末を案じてくれて、学園に通う事を薦めてくれた。

マリーヌが亡くなるまでは簡単な読み書きや計算を教えてくれたから、難しい本でなければルルーシアは読むことができた。

自分の境遇を考えてそれ以上学ぶ事はないと思っていたルルーシアは学園に通わせてもらえる事を殊の外喜んだ。

ルルーシアは知らないことを知る事に貪欲だった。

学園は15歳で入学する事になるため、それまでは貴族のマナーや知識を学んだ。

平民でもマナーを覚えておく事は損しないからと伯父には言われていた。

14歳の春に伯父からの提案でルルーシアは王国へ行く事を許された。

頻繁に届くマークからの手紙を伯父も気にしてくれていた。

「ルルーシアは彼の事が好きなのかい?」

伯父に聞かれた時、ルルーシアは真っ赤になりながら頷いて「はい」と答えた。

「約束をしているの?」

「何時か迎えに来てくれると言ってくれました」

ルルーシアは嬉しかった言葉を伯父に話した。

「そうか、でもまだルルーシアは成人していないからね、それまでは迎えが来ても賛成は出来ないよ。大人になるには心身共に成長しなければならない。それ迄は待てるかい?」

「はい、伯父様。私⋯成長します!」

きっぱりと言い切るルルーシアを子爵は眩しそうに目を細め、彼女の頭を優しく撫でてくれた。

「では、年に一度マリーヌの墓参りを頼めるかな?私も仕事があってなかなか帝国を離れられないからルルーシアが私の代わりに花を手向けてほしい。そして彼にも会いたいだろう?だけど気を付けるんだよ。密室で二人になるのだけは駄目だ。それは私との約束だよ、いいね」

伯父の言葉に頷いたルルーシアはそれから毎年春になると王国へと向かった。

伯父は護衛と侍女を付けてくれて送り出してくれる。

ルルーシアは優しい伯父に常に感謝するのだった。

◇◇◇

両親の墓はカザス王国の王都の端に位置する少し小高い丘の先の共同墓地にある。

孤児院にいた時のお墓参りでは丘に登る手前で毎年マークが待ってくれていた。

帝国に行って初めてのお墓参り、マークには手紙で知らせたが来てくれるだろうか?

ルルーシアは少しだけ不安だった。

果たしてマークは何時もの場所にいた。

護衛と侍女に伴われて現れたルルーシアを見て、目を見開きながらも直ぐに笑顔で手を上げてくれた。

「シア!」

「マーク!」

貴族の子女としての教育を学んだけれど、このときばかりはルルーシアはマークへと駆け寄った。

17歳と14歳が抱き合えば周囲には好奇の目で見られる。

幸いにもそこにいるのはルルーシアの共だけだったから事なきを得たがその日の夜にしっかりと侍女から苦言を呈された。

二人は墓地までの道を手を繋いで歩いた。

両親の命日は奇しくも二人揃って4月だった。

3日違いの命日。

『春は芽吹きの時なのよ』

母はよくルルーシアにそう言っていた。

春には気持ちが新たになると教えてくれた、風と大地が後押ししてくれるのだと母は言った。

お墓参りに来ると何時もその言葉を思い出す。

マークと並んで歩きながらルルーシアは道端の小さな花の蕾に「貴方も早く芽吹いてね」心の中でそう声を掛けていた。

「シア、帝国で辛くないか?貴族になって辛くないか?」

マークは心配そうにルルーシアに話しかけた、少しだけ後ろの護衛を気にしていた。

「いいえ、マーク。私はまだ平民だよ。貴族にはなってないの、勉強はしているけどね。それに伯父様も従兄のカイルも優しいよ。義伯母様には刺繍も習っているの。お母さ、お母様にも少しだけ習っていたのよ。続きを教えてもらえて嬉しいの。何時か私の刺した物をマークにプレゼントしてもいいかしら?」

「シアが刺繍を?嬉しいな、楽しみに待ってるよ」

「下手でも笑わないでね」

「笑うはずないだろう、大事にするよ。シアからもらうならどんな物でも大事にするに決まってるだろう」

「フフ嬉しい」

若い二人の年に一度の逢瀬は春風がそよぎ温かな陽射しが心地よい、そんな季節に毎年行われていた。

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  • 幸せの選択   20

    義父の手からカイルへとルルーシアは最愛の彼の手を取る。神父の前に二人で立つ、それは長い間ルルーシアの夢であった。此処で神に永遠を誓う。病める時も健やかなる時も⋯⋯。過去のルルーシアはマークとの未来を夢見ていた。それは叶わぬ夢であったけれど、今はカイルが横に並んでいる。思えばルルーシアが一人で帝国に連れてこられてからカイルはずっと側で見守っていてくれた。気付かなかったのはルルーシアだった。ずっと側にいてくれたのはマークではなくカイルであった事にやっとルルーシアは気付くことが出来た。誓いの口づけは少し涙の味がした。それが自分の涙なのかカイルの涙なのか分からなった。二人とも泣いていた、幸せの嬉し涙だった。教会の外には今の今まで参列していた皆が出てきた二人を眩しそうに眺めて待っていてくれた。ルルーシアが思いっきり投げたブーケをキャッチしたのは彼女の学園時代の優しい友であった。─次は貴方の番ね─幸せのお裾分けが出来る事にルルーシアは嬉しく思った。そのまま揃ってカイルと空を見上げるルルーシアはこの何処かの空に両親が見守っていてくれてると感じていた。─お父様、お母様、私をこれからも見守っていてね。幸せな私を見ていてね─空へと心の中では語るルルーシアの背にそっとカイルが手を添える。その手に気付いてルルーシアはカイルを見上げる。そこには大好きないつもルルーシアに寄り添うカイルの優しい眼差しがあった。◇若い二人の為に子爵家では新居を用意してくれていた。その庭にはルルーシアの希望でレンギョウを植えてもらっている。その側に作られた四阿でルルーシアは編み物をしながら寛いでいた。─春は芽吹きの季節なのよ─嘗て母が教えてくれた言葉ルルーシアの人生の指針の言葉でもあった。嫁いだ季節は夏であったが、今は秋、次の春が巡ってきたらカイルと二人で両親の新しく眠る場所へと会いに行くつもりだ。「その時に報告しないとね、お父様とお母様の喜ぶ顔をみたいな」ルルーシアは、まだ傍目には気付けない程のお腹を擦りながら呟く。ルルーシアは今出来上がったばかりの小さな靴下を空に向かって翳す。ルルーシアは今とても幸せだ。end最後まで読んで下さりありがとうございました♡

  • 幸せの選択   19

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  • 幸せの選択   18

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  • 幸せの選択   17

    「どうして⋯何故だ」マークの呟きはルルーシアの耳に届いたが彼女は返事が出来なかった。マークの疑問が何に向けられているか分からなかったからだ。ルルーシアはマークの妻ミレーヌ・セドワの手紙の件を彼に話すつもりはなかった。彼等の幸せな家庭にヒビを入れる存在は今日居なくなるのだから敢えて言う必要もないと考えていた。その疑問がルルーシアの心変わりに対しての疑問なら、そっくりそのままマークに返すつもりだ。だから返事をせずに彼の次の言葉を待つ事にした。マークは両手で頭を抱えながら俯いて「何故、何故」と繰り返すばかりで、その間も時間は刻々と過ぎてゆく。ベンチの側にその花は咲いていた。空に向かって真っ直ぐに枝を伸ばして咲くその花を毎年眺めながらマークとの未来を想像していた。適齢期を過ぎた頃にはその花言葉に縋るように祈りながら眺めていた。黄色い花を咲かせてルルーシアを毎年慰めてくれていたのに今日でこの花ともお別れだ。─今までありがとう、貴方達とは今日でお別れだけど私の住む国にも貴方達と同じ花が咲くのよ、貴方達の花言葉に今迄支えてもらっていたの。でもこれからの望みは違うものだから私の住む国で祈る事にするわ─ルルーシアは心の中でレンギョウの黄色い花にお礼を述べた。レンギョウの花言葉は“希望”ルルーシアはマークの家庭を知るまでは毎年このレンギョウに祈っていた。─分不相応な願いだったよね、ごめんね─今度は心の中で謝罪する。レンギョウの花にお礼と謝罪を何度か繰り返した時、漸くマークが顔を上げた。「いつから知っていたんだ」ルルーシアは驚いた、そんな事が今彼の知りたい事なのだろうか?それを知って彼は何がしたいのか⋯ルルーシアは困惑してしまった。「それを聞いてどうするの?」「⋯⋯いや、ごめん」マークも聞いてもどうしょうもない事だと気付いたのかそれ以上はその件については聞かなかった。「君は、別れてもいいと思ってるの?」「⋯マーク質問の意味が分からないわ、何が言いたいの?」「君は私の事を好きだろう?だから⋯今まで」「ちょっと待ってマーク、私が貴方を好きだから家庭を持っても会っていたと言いたいの?」「⋯⋯」ルルーシアは最後だから穏便に終わりたかった。それなのに目の前の彼はルルーシアの心を揺さぶってくる。怒りの気持ちがこみ上げてきてイライラとし

  • 幸せの選択   16

    いつものように墓地の入り口へと向かった。一年ぶりのその場所は相変わらず静寂に満ち溢れた場所であった。落ち着く空気に囲まれてルルーシアは一つ深呼吸をする。前に見えるのはマークだった。じめんを見つめながら俯く彼が顔を不意に上げてルルーシアに気付いた。その笑顔を見ていると彼の本心が解らなくなる。その笑顔の裏に幸せな家庭を築いてルルーシアを騙していたなんて一年前まで思いもよらなかったのだから。いつもであれば二人揃って両親の眠る墓の前に行き二人揃って祈りを捧げる。だけど今日はそんな事をするつもりはなかった。この場所で祈る最後の日なのだから。不誠実なマークとは一緒に祈りたくはなかった。「シア、一年ぶり!さぁ行こう」いつものようにそう言って手を差し出すマークにルルーシアは首を左右に振った。「マーク、今日は二人の所へ行く前に話があるの。あそこで話しをしましょう」「祈ってからでは駄目なのか?」墓地から逸れた散歩道にベンチがある。いつもは祈った後に二人でそこで一年分のお喋りをする場所だった。だからマークの問いは自然なものだったかもしれないがルルーシアには空々しく感じた。「えぇ、祈る前がいいの」訝しげな顔をしたマークだったが直ぐに思い直したのか再び笑顔を向けて「そうか、じゃあ行こうか」と右手を差し出した。その手には目もくれずルルーシアはマークの横に並び言葉を発することなくベンチへと向かった。無視されてしまった右手を握り拳に変えてマークも黙ってベンチへと歩いた。三人は優に座れるベンチに何時もは寄り添って座るのだがなるべくルルーシアはマークから離れた。不思議な顔をするマークへとその日初めて笑顔を向けてルルーシアは言った。「マークお別れしましょう」苦しそうな顔も悲しそうな顔もせずに普通に笑顔で別れ話を切り出したルルーシアをマークは呆然と眺めるのだった。しばらく呆けていたがハッ!と気を取り直してマークは聞き返す。「冗談だろう?」その言葉にルルーシアは苦笑する。「いいえ、本気よ」「如何して!何故!君は私を愛しているんじゃないのか!」その言葉を聞いたルルーシアは腹の底から可笑しくなった。どの口がそれを言うのだろうか。「ふっ」思わず呆れた声が漏れたルルーシアに馬鹿にされた様な感覚をマークは感じた。「なぜだ、シア。俺達結婚するんだろ

  • 幸せの選択   15

    1年ぶりの王国は帝国よりも少し暖かく感じた。駅を出て馬車乗り場を目指そうとしていたら少し遠目に誰かが手を振りながら走ってくるのをルルーシアの視界が捉えた。彼はルルーシアの前に来るとそんなにも必死に走ってきたのかというほど膝に手を当て頭を下げて肩で息をしていた。「はぁはぁはぁルル、はぁシア、はぁ⋯⋯」「落ち着いてください」彼の様子からルルーシアにはおそらくだが彼の正体が解ってしまった。あまりにも苦しそうだったので俯いた背中をさすりながら声をかけた。そうしていたら落ち着いたのか彼が擦っていたルルーシアの腕をポンポンともういいと言う様に優しく叩いた。「ありがとう、遅くなってしまって慌てた⋯ルルーシア嬢お久しぶりです。私を覚えていらっしゃるでしょうか?リシュエドと申します、昔孤児院「覚えていますエド兄様、昔の様にルルとお呼びくださいませ」」畏まって話すリシュエドの自己紹介を途中で遮ってルルーシアは気楽に話して欲しいと思い懇願した。ルルーシアの言葉を聞いたリシュエドはニコッと笑い「ルル!元気だったか!会いたかった」そう言って抱きしめてくれた。そこには男女の思いなどなく、久しぶりに会えた兄妹の抱擁であった。ルルーシアの体を手放した後もリシュエドは頭を撫でながら「大きくなった」と笑う。それが可笑しくてルルーシアも自然な笑みが溢れた。マークへと別れを告げる為に来た今回の度はルルーシアの新しい一歩でもあると同時に長年の関係を断ち切らなければならない、重苦しいものであったからかなり身構えてホームに降り立ったのだ。そんな気を張ってガチガチだった肩がリシュエドのおかげでスッキリと緩和した。「兄様、お会い出来て嬉しいです」「俺も会えて嬉しい、墓地に行く前に朝食はどうだい?」リシュエドに誘われて駅近くの早朝からやっている食堂へと向かった。懐かしい王国の家庭料理だったが、ルルーシアの家ではそれを母であるマリーヌが帝国風にアレンジしていたからあまり懐かしさは感じなかった。この場でルルーシアが懐かしむのは目の前のリシュエドだけだろう。「カイルに聞きました、エド兄様が力を貸してくださったそうですね、本当にありがとうございます」「俺はカイル卿に雇われただけだよ、教会の手続きは終わってるからな、あとはルルがサインするだけだ」ルルーシアはリシュエドの言葉に

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