Share

第6話

Author: 壁越しの青い杏
陽菜が目を覚ましたのは翌日の午後、昴からの電話でだった。

「先輩、ビザができました。今日取りに行ってください。いつ出発しますか?チケットを手配します」

頭がぼんやりしていた陽菜は、しばらくしてからようやく相手が昴だと理解した。

「いつでもいい。早ければ早いほどいい」

声を出した瞬間、喉の激痛に顔を歪めた。しゃがれ声はまるで別人のようだった。

「先輩?風邪ですか?病院には行きましたか?」

陽菜が首を振り、相手には見えないことに気づき、無理に声を出した。

「大丈夫。薬を飲めば治る」

昴は3日後の航空券を手配し、すぐに病院に行くよう勧めた。額に触れた手のひらが熱を感じる。確かに病院に行く必要がありそうだ。

別荘はひっそりと静まり返り、泰成は戻っていなかった。陽菜はバッグを手にビザを受け取りに行き、タクシーで病院へ向かった。

検査後、医師から妊娠を告げられた。診断書を握りしめ、頭がぐるぐると回った。この子は本当にタイミングが悪い。

突然、手から診断書を奪われる。我に返ると、泰成が「子宮内妊娠」の文字を見つめ、目に嫌悪の色を浮かべていた。

「堕ろせ、川口。お前が産む子供など欲しくない」

彼は冷酷に診断書を陽菜の顔に叩きつけた。

「子供ができたからって僕を縛れると思うな。お前なんか、僕の子どもの母親になる資格はない」

先ほどまでほんの少し残っていた迷いは、この一言で吹き飛んだ。この子を堕ろそう。

立花こそ、子どもの父親になる資格なんてない。

「安心して。もう手術の予約してある。明日にはこの厄介ごとを片付ける」

泰成は意外そうに顔を上げた。3年間の結婚生活で何度も子供が欲しいと言っていた陽菜が泣き叫ぶと思っていたからだ。

「信用できない。予約など要らない。今すぐ手術を手配する」

彼は陽菜を引きずるように医師の元へ連れて行った。一秒たりとも、この子の存在を許すつもりはなかった。

さっき聞いたばかりだった。熱がある今は手術できないと。必死に抵抗する陽菜のバッグから中身が散らばり、ビザが落ちた。

慌てて拾おうとした瞬間、泰成が先にそれを取った。陽菜は必死で奪い返し、彼には最新の日付しか見えず、行き先の国は確認できなかった。

「川口、僕が子はいらないって分かってて、こいつを連れて逃げるつもりだったのか?そんなことは許さん。今日中に堕ろさせろ」

泰成はすぐに手術室を手配した。医師が熱がある状態での手術はリスクが高いと警告しても、彼は意に介さない。

「大丈夫です。この女は頑丈です。すぐに手術してください」

手術同意書に署名した泰成は、陽菜を無理やり手術室に押し込んだ。彼女はもう抵抗する気力もなく、操り人形のように医師について行った。戦う力も、泰成と縁を繋ぎたい気持ちも失せていた。早くこの厄介ごとを終わらせたかった。

手術室に入る直前、泰成の声が聞こえた。

「麻酔はいらないです。この痛みを骨に刻み込ませます」

陽菜は声にならない笑みを浮かべた。泰成はほんの少しの情けも残っていなかった。

手術台の上で、下半身の激痛に体を震わせながらも、一滴の涙も流さず、声ひとつ漏らさなかった。

立花、この子は私とあんたの最後の絆だった。この子がいなくなれば、私たちも終わりだ。

Continue to read this book for free
Scan code to download App

Latest chapter

  • 幾星霜を君と共に、末永く幸せを   第23話

    陽菜と昇は異国の地で結婚届を受け取った。その時、昇はまだ車椅子に乗っていた。「ボス、歩けるようになってから結婚すればいいじゃないですか」昴が車椅子を押しながら愚痴をこぼす。昇は彼の理解のなさに腹が立った。勢いのままにするだろう?治ってから陽菜に気が変わられたらどうする?幸い、昴が手続きの大半を済ませてくれていた。写真を撮るだけで、無事に結婚届が手に入った。昇は嬉しさのあまり今すぐにでも走り出したかったが、陽菜は終始落ち着いたまま、手にした結婚届を、遠い昔のことのように眺めていた。「今度は本物だ。結婚届も、僕の気持ちも、全て本当だ」昇は陽菜の手を取って優しくキスをした。泰成が果たせなかったことを、全て埋め合わせると心に誓った。大使館の外で、泰成はぐらりとよろめいた。陽菜が昇の車椅子を押して遠ざかっていく姿に、かつて自分に向けられていたのと同じ笑顔を見た。あの頃、彼女はこんな風に笑っていた。今は全てが変わり、彼女は他人の妻となり、自分は不治の病に侵されていた。あの大病の後、泰成は肺がんと診断されていた。父が陽菜に会おうとしたのは、最後の望みを託そうとしたから、だが泰成は拒んだ。もう何年も彼女を縛ってきた。これ以上、火の中に引きずり込むわけにはいかない。何より、陽菜は自分の病状など気にも留めまい。「陽菜、幸せになってくれ。もう二度と君の前に現れないかもしれない」激しい咳込み、口から血があふれた。何度目の吐血か覚えていない。残された時間が少ないことだけはわかっていた。それでも、ただ遠くから彼女を見守るだけで満足だった。だが神様、そんなささやかな願いすら与えてはくれない。これが自分の報いなのだ。二人は海外で式を挙げず、三ヶ月後。昇が回復し、陽菜の仕事もすべて片付いた。帰国した翌日、冷泉家は白霧で盛大な結婚式を開催した。その日、賓客であふれる会場の片隅に、やつれた泰成の姿があった。陽菜の幸せそうな顔を見ていると、痛みも和らぐようだった。陽菜は一通の贈り物を受け取った。一目で高価とわかる精巧なベビー用ジュエリーセット。送り主の名前はないが、泰成だろうと彼女は察した。一ヶ月後、泰成は病院で息を引き取った。そばにいたのは年老いた父だけだった。その頃、陽菜は妊娠が判明したばかりだった。昇から訃報を聞かさ

  • 幾星霜を君と共に、末永く幸せを   第22話

    昇は用事があるから白霧に戻ると言い、陽菜に1日待つよう伝えた。しかし翌日、彼は両親を連れて陽菜の住まいを訪れた。「あなたが陽菜さんですね?まあ、見た瞬間からとても素敵だと思いました。私は昇の母です。突然のお邪魔でごめんなさいね」華やかな服装ながら、優しい笑顔の昇の母親。陽菜が昇を見ると、彼は視線を泳がせていた。やましい気持ちが丸わかりだった。「こんにちは、川口陽菜と申します」昇の父親は一目で大物とわかる風貌で、口数は少ない。一方、母親は陽菜に話しかけ、昇の話術は母親譲りだとわかる。「陽菜さん、これはお土産ですよ。昇が連れてきた初めての女の子ですよ。実は私たち、ずっとこの子の性的指向を心配してたんです。今まで一人も女性がいなかったからです。今後のことはともかく、感謝しなければと思います」昇の顔が真っ黒になる。母は遠慮なく何でも口にする。二人は陽菜が気まずくならないよう、すぐに帰っていった。昇は陽菜の表情を伺っていた。この作戦は昴の提案だ。彼女に本気だと思わせると言われたのだ。しかし陽菜の心は読めなかった。冷たい視線を浴びるだけで、結局昇から口を開いた。「怒ってないよね?両親に悪気はなくて、もし本当に僕が嫌なら……」「それで?冷泉、私は辞めてもいいですか?」陽菜に遮られ、昇は生まれて初めて胸が張り裂ける思いがした。これが拒絶というものか。どう説明すればいいかわからず、言葉を探す。「辞める必要ないよ。僕が消えればいい。お金まで手放すことはないだろ?」笑顔を作ろうとしたが、泣き顔のようだった。誰も教えてくれなかった、女性を口説くのがこんなに難しいなんて。陽菜はふと心が揺れた。この男は泰成とは違うのかも。新しい人生を始めてもいいかもしれない。「次に勝手なことしましたら、冷泉、あなたは終わりですよ」昇の顔がぱっと明るくなった。昴の言う通り、陽菜は冷たく見えて実は優しいのだ。「絶対ない」翌日、二人はY国に戻った。二人の間には何か変化があったが、誰も口にしなかった。泰成は陽菜の姿が空港で見えなくなるまで、名残惜しそうに立ち尽くした。この数日間、彼女を追いかけ、昇と一緒にいる姿を見て、何度も奪い返そうと思った。だが最後まで堪えた。もう彼女の選択を止める資格などないのだから。最初に昇と陽菜の

  • 幾星霜を君と共に、末永く幸せを   第21話

    陽菜は立花家の別荘の前に立っていた。わずか2ヶ月しか経っていないのに、まるで遠い昔のことのように感じられた。「陽菜、泰成のあの馬鹿者が悪かった。おじさんはまだ一度もお父さんって呼んでもらえてないのに……はあ」泰成の父は涙を流していた。泰成はそばで、ただ陽菜を見つめるだけだった。口を開けば、彼女が去ってしまう気がした。「おじさん、もう過去のことです。今の私は元気ですから、悲しまないでください」泰成の父は陽菜の態度から、もう戻らないことを悟り、泰成を睨んだ。すべて自業自得だ。「陽菜、おじさんはあの馬鹿と仲直りしろと言うんじゃない。これはお父さんが昔、立花家を救ってくれたお礼だ。受け取ってくれ」泰成の父が差し出したカードを、陽菜は一瞥しただけで受け取った。金が欲しいわけではない。これは立花家が彼女と父に負ったものだ。このお金を受け取ってこそ、きっぱり縁を切れるのだ。「ありがとうございます。父の分として頂きます。お体を大切になさってください。失礼します」立ち上がる陽菜は、一度も泰成を見ようとしなかった。泰成の父は息子に目配せした。「そうか、じゃあ用事を済ませてくれ。泰成が送るから」陽菜は断らず、泰成はその後ろについた。大病を患った泰成はやつれ、かつての輝きは消えていた。「陽菜、帰国後はどこに?よければ、またここに。君の部屋はずっとそのままにしてある」泰成は慎重に口を開いた。これは父親が与えてくれた最後の機会だと思っていた。しかし陽菜が立花家に入った時の冷ややかな眼差しは、もう戻らないことを悟ってしまった。「結構だ。他の都市に行く用事があって、すぐ発つから」泰成の大きな体が前に立ちはだかった。「陽菜、君はまだ僕を恨んでいる。ずっと恨み続けるんだね?」声を詰まらせ、目を赤くしていた。陽菜はふっと笑った。ここ数日でようやく自分の中で整理がついたのだ。「立花、確かにまだ恨みはある。でも一生続くほどじゃない。自分を解放したいの」泰成の息が止まった。恨みすら手放され、この茶番に囚われているのは自分だけだ。「でも陽菜、信じてくれ。あの女たちはただの遊びだった。愛したのは君だけだ」陽菜は頷いた。真実かもしれない。だがもう彼の愛は必要なかった。「信じてる。でももうあなたを愛していない。これで終わり

  • 幾星霜を君と共に、末永く幸せを   第20話

    泰成は結局、救急車で運ばれていった。 陽菜は大雨の中倒れる姿を見て、昴に警察を呼ばせた。 「別荘の前で死なれても困る。縁起が悪い」 昇は昴が外へ出るのを見て、顔色を何度も変えた。 拳を握りしめ、大きな決心をしたように、陽菜の作業室へ向かった。 「どうしてこんなに早く戻ってきたの?立花は……」 昴かと思って顔を上げると、そこには冷たい表情の昇が立っていた。「ここで何をしていますか?びっくりしました」 作業に戻ろうとした瞬間、手をいきなり掴まれた。 「川口、僕は君のことが好きだ。結婚してくれ」 昇の言葉に、彼女は持っていた物を落としそうになった。 「ボス、冗談はやめてください」 手を振り払い、平然を装うが、胸は高鳴っていた。 昴の言葉を思い出す、彼は本当に片思いしてたのか? やっと抜け出した罠。もう二度と男という火の中に飛び込まない。 「冗談じゃない。実は前から君を知ってた。骨董品のオークションで会ったことがある。ただその時はもう立花の妻だった」 昇の真剣な眼差しに、嘘ではなさそうだった。だがそれがどうした? 今一番要らないのが、感情なんてものだ。 「見覚えがなくてごめんなさい。でも私は今とても冷静です。冷泉、もう恋愛も結婚もするつもりはありません。だから冗談でも本気でも、お断りします」 彼をドアの外に押し出し、鍵をかけた。落ち着くまでに時間がかかった。 陽菜、男なんて信じられない。信じていいのは自分だけ。 ドアの外で昇は長い間立ち尽くした。すべては泰成のせいだ。あいつが彼女を傷つけたから、男全員に心を閉ざしてしまった。昴が戻ってきた時、昇が壁を殴り蹴っているところだった。 「ボス?どうしたんです?」 昇はため息をつき、隠さずに打ち明けた。 「さっき川口にプロポーズして、断られた。それなのにお前は立花なんか助けに行った。わざとだろ?」 拳を振り上げられ、昴は慌てて顔を覆った。 「落ち着いてください!まさか本当に先輩がお好きだったなんて」 昇は彼を放す。「当然だ。だから何度も呼び寄せたんだ」 昴は急に興味を持ち、馴れ馴れしく突っついた。 「じゃあボス、前から先輩のことを知ってたんですか?どうい

  • 幾星霜を君と共に、末永く幸せを   第19話

    陽菜は昴と昇の手を引っ張って立ち去ろうとした。もう泰成とは関わりたくない。彼とのやり取りは、せっかくの良い気分を台無しにするだけだ。しかし泰成は強引に彼女を引き寄せ、目を血走らせながら言った。「陽菜、僕と帰らないのは、とっくに早瀬とくっついてたからか?それともこの野郎と?僕への復讐なら、今回は大目に見てやる。さあ、一緒に帰ろう」昇は昴が動くより先に、素早く蹴りを入れた。「どこから湧いた野良犬だ?うるせえな。彼女はお前とは行かん。おい、こいつをつまみ出せ。またここに現れたら、お前ら全員クビだ」数人のボディーガードが泰成を取り押さえた。泰成は昇を鋭く睨みつける。「てめえ、何様のつもりだ?陽菜の代わりに決める権利なんかねえだろ」昇は指を鳴らしながら笑った。「僕が誰か知らねえのか?国内に冷泉って苗字がいくつあるか調べてみろ。てめえに手が出せる相手かどうか、すぐわかるさ」泰成の目が見開かれた。冷泉という姓は珍しく、権勢のある家系となれば数えるほどしかない。まさかあの白霧の冷泉家の?しかしすぐに否定した。陽菜があの冷泉家と接触できるはずがない。「お前が誰だろうと関係ない。陽菜は僕のものだ。後ろ盾ができたからって調子に乗るな。もう忘れたのか、お前が僕に……」泰成の言葉は昇の強烈なパンチで遮られた。昇は拳を振りながら冷笑した。「口の利き方に気をつけろ。どうやら立花家の繁栄もそろそろ終わりだな」陽菜は昇の言葉の意味がわからず、急いで引き離した。「もうやめて、中に入りましょう」唇から血を流す泰成には目もくれず、昇の手を取ってきっぱりと背を向けた。泰成は世界から見捨てられたような気分だった。胸が締め付けられ、一言も出ない。以前の陽菜は自分を一番気にかけ、少しの傷も惜しんだのに、今はまるで他人のように冷たい。どうしてそんなに残酷になれる?「陽菜、行くな、お願いだ」泰成はもう体面もプライドもかなぐり捨てていた。他の男に手を引かれる彼女を見るのは、死ぬほど苦しかった。今になって、陽菜が味わってきた痛みがわかる。「ふざけた夢を見るな!先輩がお前みたいなクズを選ぶわけないだろ!このやろう」昴は唾を吐きかけ、まだ足りないようだった。泰成は構う余裕もなく、ただ陽菜を引き留めたかった。「陽菜、僕は帰らない。君

  • 幾星霜を君と共に、末永く幸せを   第18話

    陽菜と昇が別荘に戻ったのはかなり遅い時間だった。玄関に着く前に、すでに昴の怒鳴り声が聞こえていた。「この畜生め!先輩を傷つけてまだ足りないのか?よくもこんなところまで来られたもんだ!恥を知れ」自分のことだと察した陽菜は急いで駆け寄った。Y国に来て1ヶ月、再び泰成の姿を見ることになる。陽菜の姿を見た泰成は、手足が震えるほど動揺した。胸に溢れる言葉はあれど、ただ目を赤くするしかできなかった。陽菜は彼が以前と違うことに気づいた。かつての泰成はどんな時も冷静、沈着で、自分を乱すことは決してなかった。しかし今の彼は前回来た時よりさらにみすぼらしく、スーツは皺だらけ、髪は乱れ、目の下にはクマができていた。その目には後悔の色さえ浮かんでいる?「陽菜、ちょっと外に出てくれないか?話したいことがあるんだ」泰成の声はかすれ、懇願するような調子だった。何があったのかわからないが、陽菜は彼が近づいてくるのを見て、本能的に昇のそばに身を寄せた。「もう会いたくないと言ったはず」泰成の手は宙で震え、口元には媚びるような笑みが浮かんでいた。「陽菜、僕たちの間には誤解があるんだ。説明させてくれないか?」陽菜の拒絶を責めなかった。怒りがあるなら、まだ心に自分がいると信じていた。誤解さえ解ければ、きっとまた昔のように戻れる。陽菜は首を振った。「私たちの間には誤解なんてない。あるのは事実だけ。あんたが私を愛していない、浮気で私を傷つけた、父への恨みを私にぶつけた、3年間も苦しめ続けた。これを誤解と呼ぶの?たとえ誤解だとしても、どんな理由も受け入れない」普段ならこれほど長く話さない。早くこの場を終わらせたかっただけだ。泰成が怒って去ると思ったが、彼はこらえていた涙を突然こぼした。「父が目を覚まして、真実を話してくれた。君の父さんは立花家を裏切ったのではなく、救ってくれたんだ。だから、陽菜、ごめん」陽菜の胸が締め付けられた。やっぱり、父は悪くなかった。あの時なぜあんなことをしたか教えてくれなかったが、いつも泰成に良くするんだよと言っていた。父の立花家への負い目から、泰成に復讐されても恨まなかった。だが今、父の汚名が晴れたとしても、もう泰成を許すことはできなかった。「謝罪は受け入れない。父が何をしたかなんて関係ない。私があんたを

More Chapters
Explore and read good novels for free
Free access to a vast number of good novels on GoodNovel app. Download the books you like and read anywhere & anytime.
Read books for free on the app
SCAN CODE TO READ ON APP
DMCA.com Protection Status