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第9話

Author: 糖衣ドロップ
彼らは郊外の古い一軒家に戻った。

長年誰も住んでいなかったため、家の中は埃とカビの臭いが充満していた。

電気もガスも止められたままで、氷室のように底冷えがする。

「全部……全部あのクソガキのせいよ……!」

母は埃まみれのソファに腰を下ろし、ついに感情を爆発させた。

「あの子は私たちの人生をぶち壊すために生まれてきた疫病神よ! 死んでまで私たちを苦しめて! 私たちをこんな目に遭わせて、あの子は地獄で満足してるって言うの!?」

母はテーブルの上にあった湯呑みを手に取り、床に力任せに叩き割った。

「私が苦労して19年も育ててやったのに! ご飯を食べさせて、服を着せてやったのに! その恩返しがこれなの!?」

今に至るまで、母はまだ私を恨んでいた。

彼女の心には、一片の後悔もなかった。

ただ、自分の平穏な生活を、立派な名声や世間体を台無しにされたことだけを恨んでいた。

父は傍らに座り、煙草を根元まで吸い込んでは、次から次へと新しい火を点けていた。

紫煙の中で、その表情は陰鬱に沈んでいる。

「……なぁ、小百合」

不意に、父がしゃがれた声で口を開いた。

「もしあの日……
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