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第16話

Author: ごはんまん
差出人は明らかに、稚菜の兄・健吾だった。

どのメールの件名も、目を疑うような内容だった。【綾奈の悪事】。

最初は意味が分からなかったが、1通目を開いた瞬間、すべてを理解した。

読み進めるほどに目は冷たく沈み、めくる速度もどんどん速くなっていく。すべてを読み終えた時、恭太はよろめくようにソファへと崩れ落ちた。

信じられない思いでもう一度最初から読み直す。指は制御を失ったように震え、最後には拳を思い切りテーブルへ叩きつけた。

ガラスが耳障りな音を立てて砕け、彼の指の関節から血が滴る。

だがそれでも、内心の激しい怒りを鎮めることはできない。瞳は、恐ろしいほど暗く濁っていた。

最初から、信じる相手を間違えていたのだ。

数十通のメールには、綾奈のすべての悪事が詳細に記録されていた。

高校時代、金を持っていないという理由で冷酷に別れを告げ、実際には富豪の愛人になっていながら、死んだと嘘をついていたこと。

ギャンブルに溺れてパトロンに見捨てられた後、自分が安井家に迎え入れられたことを知ると、「生き返り」を周到に計画し、自分という間抜けな男を新たな金づるにしようと企んでいたこと。

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