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第2話

Penulis: 才々ちゃん
電話を切ると、今度はかかりつけの医者に連絡し、家まで来てもらった。

診察を終えた医者は、しっかり休養を取ること、それから今後は絶対にマンゴーに触れないようにと念を押した。二度目のアレルギー反応が出れば、命に関わる危険があるという。

私は黙ってうなずき、医者が帰っていくのを見送った。

立ち上がったその瞬間、目の前が真っ暗になり、そのまま意識を失った。

翌朝、目を覚ました時も、私はまだリビングの床に倒れたままだった。

どうにか体を支えて起き上がると、ちょうど智也が主寝室からシルクのガウン姿で出てくるところだった。

あらわになった首筋や鎖骨、さらには胸元にまで、いやでも目につくキスマークがいくつも残っている。

昨夜何があったのかなど、言葉にするまでもなかった。

私は彼を見つめ、かすれた声で問いかけた。

「智也、どうしてあなたが主寝室から出てくるの?あなたたち……一緒に寝たの?」

彼は、私が目を覚ましているとは思っていなかったのだろう。視線を慌ててそらし、一瞬言葉に詰まった。

だが彼が口を開くより先に、杏奈が小走りでやって来て、おどおどした声で言った。

「澪さん、誤解なの。私、鈍くさいくせに食いしん坊で、パジャマを汚しちゃって……着替えた時にファスナーがどうしても上がらなくて、それで智也さんに手伝ってもらっただけなの……」

そう言いながら、彼女の手にはまだマンゴーの果汁がついていて、それをわざと私の手首にこすりつけた。

治りきっていなかったアレルギーはたちまち悪化し、発疹はさらに赤く広がり、心臓も急に早鐘を打ち始める。息苦しさまでぶり返し、まともに立っているのもつらかった。

私は反射的に彼女の手を振り払い、低い声で怒鳴った。

「触らないで!何が誤解なの?じゃあ、この人の体についてるキスマークは勝手に出てきたっていうの?」

パシン、と乾いた音が響いた。

頬に焼けつくような痛みが走る。

智也は怒りに目を見開き、吐き捨てるように言った。

「澪、俺はただ杏奈ちゃんのファスナーを上げるのを手伝っただけだろ!いちいち大げさに騒いで、人を責め立てるのもいい加減にしろ!」

杏奈はすぐに彼の腕をつかんだ。

「智也さん、怒らないで。悪いのは私だから……私、もう帰るね。澪さんをこれ以上嫌な気持ちにさせたくないの……」

そう言うと、彼女は顔を覆って走り去っていった。

智也は私を鋭くにらみつけ、そのまま彼女を追いかけていったが、出ていく直前にもきつく言い捨てた。

「まだ俺と結婚したいなら、杏奈ちゃんが戻ってきたらちゃんと謝れ!それができないなら、今すぐ終わりだ!」

私は熱を持った頬にそっと触れ、彼が追いかけていく背中を見つめながら、ふっと笑ってしまった。

それから携帯を取り上げ、何度もかけ慣れた番号へ発信した。

「お父さん、お母さん……迎えを寄こしてくれる?それと、智也への支援も、もう全部止めて」

期待なんてしていなかった。

けれど受話器の向こうから返ってきたのは、驚くほど嬉しそうで、それでいて優しい両親の声だった。

「澪ちゃん、ようやくあの男の本性が見えたのね!大丈夫よ、今すぐ迎えを向かわせるからね!」

電話を切ると、私は抗アレルギー薬を数錠飲み、そのまま自分の荷物をまとめ始めた。

スーツケースを手にして出ていこうとした、その時だった。

リビングのドアが開き、智也が杏奈の手を引いて入ってきた。

私の手元のスーツケースに気づいた彼は、眉を深くひそめた。

「澪、何をする気だ?俺はただ、お前に世の中の渡り方を教えてやってるだけだろ。それなのに、ふてくされて出ていくつもりか?」

私は彼を見て、静かに答えた。

「私たち、もう別れたのよ。さっきそう言ったのはあなたでしょう?」

彼の顔色は怒りでみるみる青ざめた。

「澪!お前、本当にどうしようもないな!」

私は何も言わず、そのままスーツケースを持って歩き出そうとした。

すると、場を取りなすように杏奈が口を挟んだ。

「智也さん、私のことで怒らないで。仲よくしてるのが一番だよ。私、智也さんみたいに澪さんのことをよく知ってるわけじゃないけど、それでも、澪さんの心に智也さんがいるのはわかるもん。だって、そうじゃなきゃこんなに怒らないはずだし……」

その言葉を聞くと、案の定、智也の顔から怒気はかなり薄れた。

彼は私を見て、さっきまでよりいくらか穏やかな口調で言った。

「早くキッチンに行って、朝食を二人分作れ。さんざんお前のわがままに振り回されたせいで、俺も杏奈ちゃんも腹が減ってる」

それでも私がその場から動かなかったため、彼の苛立ちはまた一気にぶり返した。

「澪!呼んでるのが聞こえないのか?少しは杏奈ちゃんを見習って、素直で気の利く女になれよ!

朝飯を作ることすら嫌だっていうのか?」

私はその言葉を聞きながら、ゆっくりと目を閉じた。

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