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第9話

Auteur: さざ波
警察署で事情聴取を終えたら、もうすっかり夜遅くになっていた。だから、私は潤をそのまま自分の家に連れて帰ることにした。

次の日、目を覚ますと、目の前にはもう朝食が用意されていた。

私はドアに寄りかかって、真剣に食器を洗う潤の姿を見ながら言った。「意外とマメなのね?」

「まだ彼氏じゃないから。今のうちに、君に家庭的なところをアピールして、良い印象を持ってもらわないと。

君が機嫌を損ねて、俺のこと捨てちゃったらどうするんだ?」

潤は私の鼻先をちょんとつつきながら、冗談めかして言った。

私は呆れつつ、昨日の夜、友人たちが好奇心丸出しで潤を見ていたのを思い出した。

なんとなくスマホを眺めていた私は、あるニュース記事に目が留まって、思わず笑ってしまった。

「彼氏になりたいって言ったでしょ?チャンスが来たみたいよ」

トレンドのトップに上がっていたニュースの見出しは、太字で大きく表示されていた。

#藤堂グループ跡継ぎ、既婚者を誘惑か。

#藤堂グループ跡継ぎの乱れた私生活、見知らぬ男をお泊りさせる。

二つの見出しが、並んでいた。

私を社会的に抹殺しようという、強い悪意を感じる。
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