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第11話

Author: あかりが私
雷星は病室のドアの前に立ち、ふらつく足取りのまま、室内へと踏み込んだ。

一つ目は、退職届。一番下の署名欄には、見慣れた遥の筆跡で、静かに署名が残されていた。

二つ目は、最高軍事法廷の内部告発システムから届いた審査完了通知。愛椛に対する数々の告発が受理され、すでに逮捕手続きの段階まで進んでいることを示していた。

通信回線における情報漏洩の音声解析データ。救援物資すり替えの監視カメラ映像のスクリーンショット……

見ているうちに、雷星の指先が震え始めた。

遥は、すべて知っていたのだ。

――どうして。一体いつから?

脳内を渦巻く疑念と動揺は、しかし、三つ目の品を目にした瞬間、完全に吹き飛んだ。

そこにあったのは、一枚の白いお守りだった。

雷星の心臓が、大きく跳ねた。震える手を伸ばし、そっとそのお守りを取り上げる。

お守りを結ぶ赤い紐の先に、特有の小さな結び目が一つ。あの日、彼が自分の手で結んだものだ。この世界で、この特殊な結び方ができる人間は、雷星ただ一人だった。

雷星はお守りをきつく握り締めた。その脳裏に、いくつもの記憶の断片が、濁流のように押し寄せてくる。

――何年
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