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第50話

ผู้เขียน: marimo
last update ปรับปรุงล่าสุด: 2026-01-12 19:28:05

 ホテルから少し離れた繁華街の灯りに入ると、さっきまで胸の奥を締めつけていた苦しい重さが、不思議と薄らいだ気がした。

 慎一の隣を歩いていると、歩幅のリズムも、会話の調子も、自然と昔に戻っていく。

「なんか……こうして歩いてると、大学の頃みたいね」

 楓がくすっと笑うと、慎一も目尻を柔らかくした。

「大学の頃は、こうして二人で歩くのすら緊張してただろ」

「してた。慎一、すぐ黙るんだもん」

「楓だって、“別に”とか“普通”とか、答えが短かった」

「……言われてみれば」

 ふたりして笑い合いながら歩くその時間は、つい二年前までの、亮に会う前の“慎一と楓”に戻ったようで――

 楓の胸にあった棘が、ひとつずつ抜けていくのを感じた。

(……慎一が一緒でよかった)

 あのホテルで、もしひとりであの二人に会っていたら――。

 そのあとひとりで食事をしていたら――。

 帰り道、きっと泣きながらタクシーに乗っただろう。

 考えるほど、慎一がそばにいることが、心強かった。

 そんな温かさを胸に抱えたまま、二人は慎一のお気に入りのレストランに到着した。

 看板を見た瞬間、楓は「あれ?」と声を上げた。

「ここって……先週、真琴と来たとこ!」

「え、真琴も使ってんのか?」

 慎一はほんの少しむっとして、楓を見る。

「オレが初めて連れてくると思ってたのに」

「レストランに誘うのに、“初めて”も何も……」

 楓は吹き出した。

 だが慎一の悔しそうな横顔が妙に可笑しくて、つい続けた。

「でもね、真琴も言ってた。“ここは席と席が離れてて、話聞かれないから落ち着く”って」

「……そうなんだよな。そこが好きなんだ」

 慎一は言いながら、椅子を引いて楓を座らせた。

 その自然な仕草が、昔から変わらず紳士で、胸がほんの少し温かくなる。

 メニューを開く前に、慎一がふっと真剣な目をした。

「楓。好きなの頼めよ」

「もちろん」

 メニューを渡された楓は、少しだけ笑って返した。

 注文を終え、先にワインが運ばれてくると、慎一がグラスを軽く掲げた。

「改めて――就職おめでとう」

 落ち着いた声。

 決して大げさな言い方ではないのに、その一言が胸に響く。

「……ありがとう、慎」

 楓は軽くグラスを合わせ、一口飲んだ。

 ふと、さっきのホテルでの出来事が胸をかすめた。

「ごめんね、慎。ホテルのフレン
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