澈は微かに体を揺らし剛を見上げた。ベッドに寝転がっていた二人のルームメイトは、物音を聞いてそっと下を見た。「剛、ゆみと澈が知り合いでも別にいいじゃないか。そんなに怒る必要ある?それに、既に一発殴ったじゃないか」「関係ないお前らは黙ってろ」剛は椅子に座り、足を机の上に乗せた。「止せよ。これからも卒業まで同じ寮で過ごすんだから、仲良くしようぜ」剛は彼らの言葉を無視し、LINEを開いた。しばらく考えてから、彼はゆみにメッセージを送った。「今何してる?」その時、ゆみは母の膝の上に寝転がり携帯をいじっていた。剛のメッセージを読むと、嫌悪感を込めて「ちっ」と舌打ちした。「どうしたの?」その音を聞き、紀美子がゆみを見た。「お母さん、あんまり親しくない人に友達を殴られたらどうする?」ゆみは唇を尖らせた。「原因と、どちらが悪いかによるわ」紀美子は手に持っていたブルーベリーをゆみの口に入れた。「あんまり親しくないほうが悪い場合は?」ゆみはもぐもぐしてすぐに飲み込んだ。「もちろん友達の味方をするわ。我慢すればつけあがる人もいるからね。早めに手を打つ方がいいわよ」「なんだか、お母さん最近ますますお父さんに似てきたね」ゆみは起き上がって笑いながら紀美子をからかった。「お母さんをからかうんじゃないわよ。それより、何があったの?」紀美子は笑みを浮かべ、さらに二つのブルーベリーを彼女の口に放り込んだ。「別に」ゆみは首を振った。「どうしたの?」そう言いながら、彼女は剛に返信した。「暇なら遊びに行かない?」剛はゆみを遊びに誘った。「いいけど、どこに?」「学校の近くに新しくできたカラオケ、知ってる?」ゆみは唇を尖らせた。そこはMKが経営する娯楽施設だ。知らないわけがなかった。「いいよ。何時に会う?」ゆみは少し考えてから、口角を上げた。「8時半でどう?」「わかった。じゃあ後で」「了解!」携帯を置くと、剛は急いで立ち上がり、クローゼットを開けた。何着か服を引っ張り出し、いくつかコーディネートを試すと、シャワーを済ませワックスで髪の毛をセットした。「剛、出かけるのか?」ルームメイトたちは不思議そうに彼を見て尋ねた。「ああ、ゆみとデート
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