樹理の身体はなおも小さく震えていた。白夜はそっと彼女を抱き寄せ、顎をその頭頂に軽く添えると、何度も何度も優しく背を撫でた。パトカーの中には重苦しい空気が満ちていた。ただ、赤と青の警光灯だけが窓越しに明滅し、疲れ切った皆の顔を無言のまま照らしていた。樹理は顔を白夜の胸元に深く埋めた。耳元に響くのは、彼の落ち着いた力強い鼓動だった。その規則正しい音が、次第に彼女の乱れた呼吸を静めていく。長い時間が過ぎてから、ようやく彼女はゆっくりと顔を上げた。目に映ったのは、心配と痛ましさを隠せない白夜のまなざしだった。その温かさに胸がふっと和らぎ、彼女は小さな声でつぶやいた。「……なんとか乗り越えられた
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