彼がまともな人間だったなら、晏だって彼女をここへ送り込むはずがない。けれどそんなことは、香織の胸の中で思うだけにとどめるしかなかった。まさか口に出せるはずがない。自分から命を縮めたいわけではないのだから。香織はポケットからスマホを取り出した。「本当に、昔の同級生とメッセージしてただけ。信じられないなら、スマホを見て」どうせ晏と連絡するときは、メッセージを一通送るたびに一通消していたし、別のやり取りの履歴も偽装してある。たとえ陽斗が本当にスマホを調べたとしても、彼女は少しも怖くなかった。「そうか?だが俺には、まだお前が嘘をついているように見える。女はろくなものじゃない。みんな嘘つきだ
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