夕菜は唯花の携帯番号を登録し、嘘の番号を言われていないか心配になって、目の前で携帯にかけてみた。そして唯花は携帯を取り出して着信画面を夕菜に見せた。夕菜は確認してから電話を切り、笑って言った。「唯花さん、じゃあ帰るわね。また改めてお会いしましょ」「さようなら」唯花は夕菜が車に乗り、手を振ってきた時にひとこと言った。「辻さん、次に来る時は、車は門の前にある駐車スペースに駐車してくださいね。こんな邪魔になるような位置に置かないでください。今日、私の車の邪魔をしてきましたけど、私が穏やかな性格で寛大なタイプだから、怒らなかっただけですよ。もし、うちの旦那さんの邪魔でもしたら、辻さんの車は廃車になりますので、お気をつけて」夕菜は言った。「……私が間違っていたわ。覚えておくから、ごめんなさい」唯花は笑って言った。「私は穏やかな性格で寛大だって言ったでしょう。たった一回邪魔されたくらいじゃ怒りませんよ。じゃあ、帰りはお気をつけて、見送りはしませんからね」夕菜は適当に手を振り、車を出して去っていった。恋のライバルの車が遠ざかっていくのを見ながら、唯花は真顔に戻り、屋敷から出てきた吉田のほうを見た。「若奥様、何事ですか?」吉田は連絡を受け、外に一体何があったのか確認に来たのだ。夕菜は屋敷の前まで来ても、インターフォンを押すこともなく、ただ静かに車の中で唯花の帰りを待っていた。「別に何もないですよ。理仁さんの追っかけがここまで来ただけです。車もどこに駐車すればいいのかわからないみたいで、門の前に横向きに停車して邪魔されたんです。吉田さん、ちょっと琴ヶ丘のメインゲートの監視カメラを確認しに行ってもいいですか?辻さんはゲートを通過するためのカードを持っていないでしょう。それに吉田さんたちが中に入れるわけないですから、どうやって入って来たんでしょうね?」唯花は恋のライバルの前では余裕そうにしていて、夕菜を大いに傷つけてやったのだが、実際は唯花は愛や結婚に対して少しもおおらかなわけではなく、心は非常に狭いのだ。自分の夫を、他の女と共有するつもりなどない。恋のライバルがここまでどうやって入って来られたのか、彼女はしっかりと調べる必要があった。誰が裏でこそこそと自分を陥れようとしているのか確認しなければならない。今後、唯花は夕菜
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