Todos los capítulos de 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています: Capítulo 1791 - Capítulo 1800

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第1791話

夕菜は唯花の携帯番号を登録し、嘘の番号を言われていないか心配になって、目の前で携帯にかけてみた。そして唯花は携帯を取り出して着信画面を夕菜に見せた。夕菜は確認してから電話を切り、笑って言った。「唯花さん、じゃあ帰るわね。また改めてお会いしましょ」「さようなら」唯花は夕菜が車に乗り、手を振ってきた時にひとこと言った。「辻さん、次に来る時は、車は門の前にある駐車スペースに駐車してくださいね。こんな邪魔になるような位置に置かないでください。今日、私の車の邪魔をしてきましたけど、私が穏やかな性格で寛大なタイプだから、怒らなかっただけですよ。もし、うちの旦那さんの邪魔でもしたら、辻さんの車は廃車になりますので、お気をつけて」夕菜は言った。「……私が間違っていたわ。覚えておくから、ごめんなさい」唯花は笑って言った。「私は穏やかな性格で寛大だって言ったでしょう。たった一回邪魔されたくらいじゃ怒りませんよ。じゃあ、帰りはお気をつけて、見送りはしませんからね」夕菜は適当に手を振り、車を出して去っていった。恋のライバルの車が遠ざかっていくのを見ながら、唯花は真顔に戻り、屋敷から出てきた吉田のほうを見た。「若奥様、何事ですか?」吉田は連絡を受け、外に一体何があったのか確認に来たのだ。夕菜は屋敷の前まで来ても、インターフォンを押すこともなく、ただ静かに車の中で唯花の帰りを待っていた。「別に何もないですよ。理仁さんの追っかけがここまで来ただけです。車もどこに駐車すればいいのかわからないみたいで、門の前に横向きに停車して邪魔されたんです。吉田さん、ちょっと琴ヶ丘のメインゲートの監視カメラを確認しに行ってもいいですか?辻さんはゲートを通過するためのカードを持っていないでしょう。それに吉田さんたちが中に入れるわけないですから、どうやって入って来たんでしょうね?」唯花は恋のライバルの前では余裕そうにしていて、夕菜を大いに傷つけてやったのだが、実際は唯花は愛や結婚に対して少しもおおらかなわけではなく、心は非常に狭いのだ。自分の夫を、他の女と共有するつもりなどない。恋のライバルがここまでどうやって入って来られたのか、彼女はしっかりと調べる必要があった。誰が裏でこそこそと自分を陥れようとしているのか確認しなければならない。今後、唯花は夕菜
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第1792話

運転手は唯花についている田村というボディーガードに尋ねた。田村は少し考えてから言った。「私が若奥様のお傍をお守りしてもう数カ月経つので、彼女のことをだいたい理解していると言えるでしょう。そうですね、きっと若旦那様に怒りをぶつけることはないと思います。辻さんのほうが勝手に追っかけてきただけで成功していないのに、若奥様が若旦那様を責めてどうするんです?」「それならよかった。若奥様がお怒りになって、若旦那様を無視しないかヒヤヒヤしてたんですよ。私たちにも飛び火しますからね」理仁が怒れば、誰もが困難な状況に陥ってしまう。しかし、すぐにとばっちりを受けてしまうのは、理仁によく会う人たちだ。運転手はほとんど唯花のために車を運転するので、その中に含まれる。だから、彼が心配するのは当然のことだ。唯花が家に入ってソファに座ってから数分も経たずに、外から物音がしてきた。理仁が帰ってきたのだ。理仁の車はいつも直接母屋の玄関前で停まる。この時の唯花はいつものように車の音が聞こえたら真っ先に玄関まで迎えに行くことはなく、ソファに座ったままだった。理仁は袋をいくつか提げて車を降りた。その袋には唯花に買ってきた某有名ブランドの新作の服が入っていた。若奥様という身分である唯花のその注目度は今かなり高まっているので、彼女がブランド物の新作を着て出かけるか、パーティーに参加するだけで歩く広告塔のようになるのだ。以前、メンズの有名ブランドだけが理仁に連絡をしてきていたが、理仁が結婚してからというもの、レディースブランドもこぞって連絡してくるようになった。理仁は車から降りてきても、愛する妻が迎えに来ないし、吉田の姿も見当たらないので、どこかおかしいと感じた。彼は焦らず家に入り、田村を呼んできて尋ねた。「俺が帰って来る前に、ここで何があった?妻の機嫌が悪いのか?」田村は小声で返事した。「若旦那様、中に入って直接若奥様にお尋ねください。これはお二人のプライベートなことですので、我々にはなんとも言えません。若旦那様、我々はもう仕事が終わりましたので、これで失礼いたします。おやすみなさい」そう言うと、田村はそそくさと退散した。そしてもう一人のボディーガードと運転手もとても賢く、田村が去る前に素早く帰ってしまっていた。ボディーガードがこのように言うとい
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第1793話

唯花の機嫌が良さそうな時を見計らって理仁は慎重に尋ねた。「唯花、俺が帰ってくる前に、家で何かあった?」唯花は彼を見つめながら逆に尋ねた。「なんでそんなふうに思ったの?」「普段帰宅する時、車で敷地内に入ったら、君がエンジン音を聞いて家から出てくるだろう。車の前に立ってニコニコしながら俺が降りてくるのを待ってくれてるじゃないか。帰宅するのが俺よりも遅い時は別だけど、君が家にいなくても、吉田さんが出迎えに来るんだ。だけど、今夜は吉田さんも唯花も迎えに出てこなかったから。普段と違う時は何かあった証拠だ。きっと俺が帰って来る前に何かあったはずさ。しかもそれは俺たち夫婦の仲に関わるようなことだろう。君は多分俺にちょっと腹を立ててるんじゃないかな」理仁は穏やかな口調で尋ねた。「唯花、俺が何かしちゃったんじゃないか?教えてくれないかな」唯花は自分が出迎えなかっただけで、彼が何か起きたのではないかと勘ぐってくるとは思ってもいなかった。彼はビクビクしながら、まるで彼女を怒らせてしまったのを心配するかのように聞いてくるから、唯花はそれが可笑しくなり、また可哀想に思えてきた。普段から彼への愛情表現が足りずに安心感を与えられていないような気がした。彼はいつも彼女が怒って、その勢いで自分から離れていってしまうのではないかと心配している。唯花は服を置いて、彼の両頬に手をあてて口づけをした後言った。「あなたのせいじゃないわよ。あなたは別に何もしてないんだから、私が怒るわけないじゃないの。あなたが帰ってきた時、いろいろ考え事しちゃってて、それで迎えに出るのを忘れていただけ」彼女は自分から理仁の懐に寄りかかり、両手を彼の腰にまわした。「理仁、あなたは私の夫よ、私だけのもの。他の人があなたの愛を横取りしようとしたって、絶対に許さないんだから!私の愛する人は自分で守ってみせるわ!私のために自分を変えてくれた夫よ、私だけが愛を受け取ることができるんだから!あなたに片思いしてるあの辻さんって女性がここまで来たの。出かけてちょっと話そうって言われたんだけど、もうこんな時間だしあなたが帰ってくるから断わったのよ。別の日に時間がある時に会うことにしたわ」理仁は夕菜がここまで押しかけてきたことを知り、瞬時に顔を暗くさせた。「怒らないでね」理仁のことをよく理解している
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第1794話

「成瀬と佐々木俊介はどちらにも非がある。だけど、不倫が発覚してからみんなこぞって彼女ばかり責めてた。彼女は女狐で、最低な女だって、人の夫を誘惑して、他人の家庭を壊した不倫女だって言われ続けた。それと違って、佐々木俊介への非難はとっても少なかったわ。実際、あの二人のうち責められるべきなのは彼のほうよ。あいつは夫であり父親でもあるのに、若くて綺麗な女の子を見たら、彼女を口説き始めたもの。簡単に心変わりする奴なのよ。もちろん、彼女のほうも間違ってるけどね。だって彼に口説かれても拒否することはできたんだし。それに最悪仕事を辞めてあの男から遠ざかる選択だってあったはずなのに、彼女はそうせずに、彼からチヤホヤされるのを楽しんでた。そしてお姉ちゃんを追い出してあいつの妻になってやろうって下心を持ち始めたわ。そして今、彼女は結果どうなったかしらね。全く同情する気にもなれないよ。あの男にだってまったく同情できない。陽ちゃんの父親じゃなかったら、あいつが死のうがお姉ちゃんも絶対に会いに行ったりしないよ。成瀬莉奈はどうしてみんな自分を責めるんだって思ってる。結局痛い目に遭うのはいつも自分で不公平に感じてるんだよ。きっと佐々木俊介の家族から散々嫌がらせを受けて、もう自信をなくしてしまったんでしょうね。心が何も感じないくらい冷めきった時、本来自分を幸せにしてくれるはずだったあの男に牙を向けたんだ。彼女が警察に言ってたように、あの男を道連れにして一緒に地獄に落ちてやるってところまで追いつめられたのね」言い終わると、唯花はまた夫に何度もキスをした。「ありがとう、理仁。私とお姉ちゃんがあの二人に天罰が下って、一緒に地獄に落ちていくのを見られたのは、全部あなたのおかげだもの」理仁が俊介に手を出していなければ、俊介は仕事を失うことはなく、今も会社で部長をしていたはずだ。会社での地位も権力もあり、高収入であれば、彼と莉奈の生活はますます良くなっていっていたことだろう。佐々木家の人間も今までのような態度を莉奈にとってはいなかったはずだ。彼らは俊介が離婚したのは正解だったと思い、唯花と唯月の前で偉そうにしていたに違いない。それに、陽の親権すらも姉は勝ち取ることができず、結婚してからの共同財産も分けることは難しかったかもしれない。だから、唯花と唯月の姉妹は本当に理仁に感
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第1795話

唯花は笑って、理仁の耳元で何かを囁くと、理仁は急に瞳を輝かせて、すぐに彼女を抱き上げて二階へとあがっていった。部屋に戻ると、唯花は下におりると言ってもがきだした。それからドアまで戻ってしっかりと閉めると、また振り返って理仁を甘えるように見つめた。「あなた、今夜は私が主導権を握らせてもらうわよ」「それは喜んで」理仁は喜んで彼女に身を捧げるつもりだ。理仁は唯花から熱烈に愛されるのが好きだった。そうされるとますます彼女の魅力に落ちてしまう。それは一生癖になるような感覚で、永遠に唯花一人だけを愛そうと決意をさらに固くするのだ。外に咲く花がいくら美しくても、よく観察してみると、やはり全身全霊で自分が愛して咲いた花のほうがこの世で一番美しい。この日、二人が熱い夜を送っている間、夕菜のほうは星城に購入した家に戻っていた。するとそこには彼女の従兄である響(ひびき)が家の前で彼女の帰りを待っていた。夕菜は響がいるのに気づくと、訝しそうに眉間にしわを寄せて尋ねた。「こんな夜遅くに、響さんがどうして星城にいるの?」「夕菜、おじさんから出張前にお前が星城に行かないように、しっかり見張っておくように頼まれたんだ。お前は俺に黙ってこっそりここまで来ただろう、もしおじさんが知ったら……」「そんなの私の勝手でしょ。響さんには関係ないもん。お父さんのことを出してそんなふうに脅さないでよね。あなたの本心を私が知らないとでも思ってるの?お父さんが私に腹を立てて、会社から追い出すのを、まだか、まだかと待ってるくせに。そうすれば、あなた達が辻グループを手にれることができるもんね。響さん、言っておくけど、辻グループは私のお父さんの会社よ。あなたの父親と航太(こうた)おじさんが持っている株は、お父さんが兄弟だからちょっと分けてあげただけよ。その株から得られる配当金を老後資金に使えるようにね。お父さんには私という娘がいるの。だから、お父さんの全ての財産は私が引き継ぐのよ。あなた達は私のものを横取りしようと狙わないでくれないかな。お父さんは家族のことを大事にする人だから、あなた達はみんな大学を卒業してから職に就くことができたじゃない。その恩をしっかりと胸に焼きつけて、恩を仇で返すような裏切り行為なんて考えないことね」響は夕菜にここまで罵倒されて、顔を暗くし不満や怒
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第1796話

辻グループは響たち辻家の男たちの手に渡るべきだろう。夕菜には、結婚する時に結納として莫大な費用をかけてやればいいだけの話だ。響が父親から影響を受けたのは言うまでもなく、他の辻家の従兄弟たちも彼と全く同じ考えを持っている。豊が夕菜を会社の後継者として育てるのではなく、会社は将来、彼ら男たちが管理するのが最も賢い選択肢だと思っているのだ。豊が響に辻グループの社長を譲れば、夕菜が結婚し夫側の家族から不当な扱いを受けた際には、家族として夕菜を守ってやるつもりだ。「行きたいところには自由に行って当然でしょ。あなたに関係ないわ。友達に会いに来たり、旅行しに来たりしちゃダメだって言うの?響さん、私を連れ戻しにここまで来たというなら、私には関わらないほうが身のためよ」夕菜はカバンをソファに放り投げて、お尻からドスンと座ると、できるだけ存在感を消していた使用人に向かって命令した。「お茶を淹れて持って来て、喉が乾いたわ」使用人は急いで夕菜にお茶を一杯淹れて持ってきた。響はかなり前に来てここで待っていたので、使用人はすでに彼にお茶と茶菓子を出していた。響もソファに腰掛けると、口調を穏やかにさせて夕菜に言った。「夕菜、俺のことを誤解しても別にいいが、おじさんはお前のためを思ってやっていることなんだよ。俺だってお前のことを心配しているんだぞ」響は叔父がどうして夕菜を星城に来させないようにしているのか理由は知らないが、豊がそのようにするのは絶対に夕菜のことを思ってのことだろう。豊には夕菜しか子供がいないから、彼は娘を目に入れても痛くないほど可愛がっているのに、今まで彼女が嫌がるようなことをしたことがあっただろうか?恐らく夕菜が星城で何かやらかしてしまったので、叔父が彼女を星城に来させないようにしているのだろうと響は思った。「夕菜、さっきどこに行ってたんだ?友達って誰のことだよ」「あなたが知らない人よ」夕菜は温かいお茶を一杯飲んで、響とは喧嘩したくないと思っていた。この従兄は父親からかなり重宝されているのだ。本来、夕菜と響は本当の兄妹のように仲が良かったのだが、前回父親が彼女を脅すように会社を響に譲ってもいいと言ったことで、夕菜は彼にとげとげしい態度をとるようになり、彼を手強いライバルとして見るようになっていた。「あと二日してから帰るつもり
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第1797話

暫くの間黙ってから、夕菜は響に言った。「響さん、明日の夜一緒に帰るわ。明日ちょっと食事する約束があるのよ」「誰と食事をするんだ?俺も一緒に行く。そして夜一緒に帰るんだ」「あなたは彼女とは知り合いじゃないから、一緒に来られたら、彼女から変に思われちゃうわ」響は言った。「知り合いじゃないが、一度会って自己紹介すれば知り合いになるだろ。結局今夜俺と一緒に帰らないっていうなら、星城でお前がやる事は全て俺が見張っている。夕菜が誰に会いに行こうが、この俺が同行する」夕菜はまた黙ってしまった。「こんな時間だもの、飛行機はないわよ」響は言った。「友人にプライベートジェットを借りた。もう来ている途中だから、もうすぐ星城に到着するはずだ。一緒にそれに乗って帰るぞ」「全部手配済ってこと?お父さんにもう言ったんじゃないでしょうね?」響がここまで手配していることに夕菜はとても怒りを覚えたが、どうしようもなく思っていた。今回の件に関して、父親は響のほうを信じるはずだ。響は言った。「俺はただおじさんから言われた任務を果たすだけだ」夕菜は悔しくて悔しくてたまらなかった。そして結局、響と一緒に星城を去るしかなかった。唯花は恋のライバルが翌日には呼び出してきて、夫をよこせと言ってくるものだと思っていたのだが、結果、そのライバルは夜のうちに星城を去ってしまったので、唯花は静かに幸せに日々を送ることになったのだった。……柏浜で。玲がボディーガードを従えて、柏浜グランドホテルから出てくると、ホテルの前に真っ赤な花の海が広がっている光景を目にした。その花の前に、真っ白なロングワンピースを着た綺麗な女性が立っていた。彼女はかなりの美人で、細く柔らかなロングヘアを後ろになびかせ、手には大きな花束を持ってそこに立っているのだ。花の海は数多くの真っ赤な薔薇の花で作られたハート形で、近くからでも、遠くからでも非常に美しい光景だった。この時、大勢がそれを取り囲んで見ていた。玲はそこに芸能記者も何人かいることに気づき、今まさにカメラを玲とあの女性に向けてしきりに写真を撮っていた。周りの人たちも玲を見ていた。「白山社長」その女性は玲に声をかけて花束を抱きしめ、ゆったりと向かってきた。彼女はかなり高いヒールをはいていたので、玲は彼女がうっか
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第1798話

その女性は玲の前に駆け寄る時、わざと何かに躓いたふりをして、花束を抱えたまま玲に向って倒れ込んだ。彼女はここには大勢が見ているし、玲も彼女のことを昔演技が上手だと褒めてくれたこともあり、こんなに可憐で、か弱い女が自分に倒れ込んできたのだから、押し退けるような真似はしないだろうと考えていた。この女性こそ、柏浜で最近人気急上昇中の有名人だ。玲の双子の弟、つまり白山碧が今注目している女優なのだ。彼女が撮影期間、その撮影現場に見に行こうと思っていたのに、時間が作れず、姉に代わって行ってもらったのだった。玲は外では厳しくクールな人間だが、双子の弟のことはとても可愛がっている。彼女はいくら仕事が忙しくても、弟に頼まれるとすぐにそれに応え、一度撮影現場に赴いて彼女の演技を見た。そして彼女に演技が上手いと言って褒めたのだ。その時には一度撮影現場に行っただけで変な噂が流れるとは思ってもいなかった。芸能記者はこぞって白山グループの社長である白山玲がこの女優を好きだとゴシップニュースにしてしまった。女優のほうは玲に一目惚れし、そのゴシップが嘘だということをわかっていながら、知らないふりをして、その噂に乗っかって、自分の知名度をさらに上げようと思っていた。それに玲と恋に落ちて、名家に嫁入りするのも悪くないと思っているのだ。芸能界にいる女優の中には、このように名家に嫁ぎたいという考えを持っている者もいる。それは彼女も例外ではない。白山家は柏浜において、トップクラスの名家だ。そんな白山家に嫁ぐことができれば、一生苦労することなく、裕福な生活を享受できる。それに、玲は若くイケメンで金持ちだし、白山グループの社長でもある。今白山会長は会社のことに口を出すことはほとんどなく、玲が会社ではワンマン社長であり、彼の一言で全てが決定する。柏浜の若い女性たちは、一度玲に会えば、白馬の王子様だと妄想を始めるだろう。この時、わざと転んだ女優がどうなろうがお構いなしに、玲はそのまま車に向かって歩いていた。女優も彼女の希望通りある人物の懐に飛び込むことに成功した。その相手は反応が早く彼女をサッと支え、彼女が地面に転ぶのを防いだ。彼女は望み通り白山社長の懐に抱かれたのだと思い、うっとりとして彼の胸の中から離れようとしなかった。「水瀬さん、大丈夫ですか?」この
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第1799話

柏浜グランドホテルを後にした玲は携帯を取り出して弟に電話をかけた。弟がそれに出ると、彼女は冷ややかな声で言った。「碧、水瀬さんに伝えてよ、もしまた俺に付き纏ってくるなら、あの女を業界から追い出してやるってね!」碧はその言葉に驚き、言った。「兄さん、水瀬さんはただ兄さんに告白しただけだろ、何度も告白はしたけど、別に悪いことはしてないじゃないか。どうして業界から追い出すなんて言えるんだよ。彼女がここまで人気になるのは簡単なことじゃなかったんだ、とても苦労したはずだ。兄さんがもしそんな彼女を追い出すってんなら、彼女の夢が消えてしまうよ。まだ二十三歳なんだぞ。まだまだ若くて、女優としてはこれからって時なのに」碧は姉から「兄さん」と呼ぶように要求されて、その呼び方が習慣になっている。彼はどこにいようとも、彼女のことを「兄さん」と呼んでいるものだから、彼らの母親である弥和は呆れ果てていた。以前、息子に姉の呼び方を訂正するようにと言ったことがあるが、今ではもうそれを直すのも面倒なのだ。弥和が二十八前に生んだのは双子の姉と弟だということを、世間はまるで知らないように感じてしまう。みんなは弥和の子供は双子の兄弟だと思い込んでいるのだ。玲は幼い頃から男装しているから、白山家と深く付き合いのある人間でも、玲が女だということを知らない。「そんなのどうだっていい。もし、彼女がいつまでも俺に付き纏うなら、すぐに業界から消してやるからな。だからちゃんとあの女に注意しとけよ!これが最後の忠告だぞ、どうせ碧が好きな芸能人ならたくさんいるだろ、一人くらい減ったところでどうってことないさ」ある芸能人に突然人気が出ると、それが男であっても女であっても、玲の弟は必ず彼らのファンになるのだ。しかし、碧は熱しやすく冷めやすい。そしてさっきの水瀬杏南という女優の追っかけが今のところ一番長く続いていた。碧が姉に代わりに撮影現場に行ってほしいと頼むくらい、杏南のことを応援していた。「わかった、わかったから、兄さん、今すぐ彼女のマネージャーに電話をして彼女に伝えてもらうからさ。もう二度と兄さんの前に現れるなって言っておくから」玲は自分が欲しい回答が得られると、すぐに電話を切り、運転手に指示した。「実家に帰る」彼女はかなり長い間実家には戻っていなかった。母親がよく彼
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第1800話

玲は奏汰のことを最も警戒していた。それはなぜかというと、奏汰は言葉巧みに相手を自分の世界に引き込んでしまうからだ。彼と何度も接触するたびに、簡単に心の警戒心が解かれてしまい、うっかり秘密を漏らしてしまう。彼女が実は女だということは秘密なのだ。「その結城奏汰さんが一体ここに何の用で?」玲は眉間にしわを寄せて、日下部に尋ねた。「彼はいつここに来た?」「ちょうど十分ほど前です。私も彼が一体何をしに来たのかはわかりません。多くの手土産を持って来られました。奥様は結城様が来られると、非常にお喜びになって、彼と楽しそうにおしゃべりしています」玲は少し考えてから言った。「うちと九条家には付き合いがある。九条家は結城家と深い繋がりがあるから、結城さんはきっと出張で柏浜に来て、ついでにうちに寄ったんだろう。わかった、日下部さん、仕事に戻ってくれ」彼女は一人で家に入っていった。ボディーガードは暫く自由行動となるが、遠くまで行くことはない。玲が実家に戻ってきたら、あまり長居しない。ただ母親に会って、そしてまた会社に戻る。豪華なリビングには弥和と夫の茂、それからこの夫婦を除いて、さっき訪問したばかりの奏汰がいた。辰巳と咲はすでに婚約した。辰巳と奏汰は同時におばあさんから嫁候補の写真を受け取ったのに、奏汰のほうは玲と全く進展がないままだ。彼は焦っていないし、おばあさんのほうも焦ってはいないのだが、奏汰の両親が焦っているのだ。母親の巴から再びグダグダ言わてしまい、奏汰は煩く感じて、仕方なく、柏浜に出張すると言い、さっさとここに来るしかなかった。つまり母親の愚痴から逃げるためだ。しかし、もし奏汰が玲との進展がなく現状維持のままであれば、巴は一日二十四時間ずっと息子にLINEし、三十分おきに結婚の催促の電話をかけると脅してきた。柏浜に逃れたからといって、結婚の催促から逃れられるわけではない。奏汰は母親から脅迫され、飛行機に飛び乗り柏浜にある自家のホテルで少し休憩を挟んだだけで、柏浜に購入した自分の家には戻らず、手土産を買って直接白山家を訪問した。そして今将来義母になるであろう弥和と話しているのだ。前回、彼は白山家一家四人と同じテーブルを囲み、弥和夫妻とは楽しく話をし、玲の弟である碧とも話が弾んだ。同じテーブルで食事をした縁もあ
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