Todos los capítulos de 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています: Capítulo 1801 - Capítulo 1810

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第1801話

奏汰は立ち上がり、微笑みながら右手を玲に差し出して握手を求めた。「白山社長、お邪魔しています」玲は握手を交わすと、彼を座らせた。奏汰が座ると、玲は母親の隣に座った。弥和は気丈で凛とした娘のほうへ頭を傾けて、それからまた対面に座る奏汰のほうに視線を移して心の中でため息をついた。娘は結城奏汰よりも、もっと男前に見えてしまう。「どうして帰ってきたの?」弥和は穏やかな声で娘に尋ねた。「この時間帯なら、会社にいるんじゃないの?」「さっきあるプロジェクトの商談が終わったんだ。少し時間ができたから、母さんたちに顔を見せに来たんだよ」玲の出すその声はかなり低かった。家族以外の人間がここにいては少しも気を緩めるわけにはいかない。奏汰に自分が実は女性であることを勘づかれては困る。「結城社長はいついらっしゃったんですか?」玲は奏汰に尋ねた。奏汰は笑顔で答えた。「今日柏浜に来たばかりです。少し仕事のトラブルで私が処理しなければならない問題があって、暫くの間出張でここに滞在する予定です。前回、おば様とは同じテーブルで食事をし、とても楽しかったので、また今日はお邪魔しました」「結城さん、今後柏浜に来る機会があれば、うちに寄っておしゃべりしましょう。おばさん、あなたと話すのがとっても好きなのよ」弥和はこの好青年のことを気に入っていた。奏汰は口が達者で、彼とおしゃべりをしている時、彼は相手の年齢に気を使いながら、年上と会話をしている。彼は相手の年齢に合わせてその当時に流行った物事などに詳しいのだ。彼はもちろんその年代に育ったわけではないが、おばあさんから聞いて多くの知識を蓄えているから、それらを話題にするのはお手の物だ。だから、弥和はまるで趣味仲間を見つけられたような、そんな感覚になる。弥和のような中年過ぎの女性と話をする時、奏汰は子供の人生についてや、伝統料理や家庭料理の作り方、その他なんでも共通の話題を提供することができた。弥和は娘が寡黙であることに慣れてしまっていて、普段娘とおしゃべりをしようと思っても、話が続かない。そんな時突然、このように彼女と楽しく話せる若者が現れたものだから、弥和は奏汰とは意気投合してしまった。この二人も以前二回しか会ったことはないのに、今弥和は奏汰のことをまるでよく知った甥っ子のように見ている。もし
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第1802話

玲にはボディーガードがたくさんいるので、そのうちの一人に奏汰をホテルまで送らせればいい。そう思い、玲は低い声で言った。「父さん、問題ないよ。だけど、あまり飲み過ぎないようにしてくれよ」「何杯か飲むだけだよ。そんなにガバガバ飲むことはないって。母さんが見張ってるんだから飲めるわけないだろう」酔っぱらってしまえば妻に世話されることになる。妻は旦那の世話をしたくないし、体の心配もしてしまうから、普段妻から酒を飲んで酔うことは禁止されているのだ。玲は黙っていた。両親が奏汰を誘って食事をすることになったので、本来両親に会ってすぐ帰ろうと思っていた玲も、家で一緒に食事するしかなくなってしまった。しかし、夕食まではまだ時間があって、ここに座っているだけなのは暇で、彼女はどうも落ち着かなかった。落ち着かない原因は、頻繁に奏汰がちらちらと彼女のほうを見てくるからだった。自分の思い過ごしか、それとも実際に彼は見てきているのか、玲はなんだか奏汰からの視線はどうも普通ではないと感じてしまった。「玲、結城さんは初めてうちにいらっしゃったでしょ、まだ夕食の時間には早いし、ちょっと一緒に散歩してらっしゃいよ。うちを案内してさしあげて」弥和は娘がすることもなく苛立っているのを見抜き、娘が夕食前に帰ってしまわないように、任務を与えたのだ。ここは実家だというのに、娘は仕事が忙しすぎて、いつも実家がホテルのような感覚でいる。帰ってきても、食事をしたらすぐに帰ってしまう。たまに家に泊まっていくこともあるが、まるで客人であるかのように、実家に帰ってきたという感覚ではないのだ。玲は母親に言われてそれを断わることはせず、奏汰に話しかけた。「結城社長、うちを案内します」奏汰は微笑んで立ち上がると、彼女について母屋を出ていった。そして彼は彼女に言った。「白山社長は実家にいらっしゃっても、どうも落ち着かない様子に見えますが、普段実家には住んでいないのですか?」「実家は会社からとても遠いので、会社の近くに家を買ってあります。普段はそこで暮らしているから、確かにあまり実家には戻りませんね」奏汰はそれに理解して言った。「うちの兄弟たちとほぼ同じですよ。俺だってそうです。あまり実家のある琴ヶ丘には戻りません。だけど、あそこで育ったので、やっぱり情ってもんがあるんですよね
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第1803話

暫くして、玲は堪らず笑い出した。「まさか結城社長も結婚を催促されているとは、あなたはこんなにハイスペックな方なのだから、きっと多くの女性から追われる人のはずでしょう」「確かにいますが、俺が好きにならないと意味がないでしょう?俺は彼女たちの中には好きな人はいないので、それは彼女たちが勝手に追いかけてきているだけで、俺とは関係ないですから」奏汰は自分も多くの女性たちから思いを寄せられていることはよくわかっている。実際、彼ら兄弟、従兄弟たちには多くの追っかけが存在している。一番下の蓮はまだ未成年だが、学校ではよく女子生徒からラブレターをもらっているのだ。玲は奏汰のその話を信じた。玲を恋い慕う女性も多い。しかし、そんな彼女たちのことは好きではないし、それに好きになりようがない。そもそもその追っかけの女性たちは玲と同じく女だ。玲は異性に対して恋愛感情を持っているから、自分に思いを寄せる女性の気持ちを受け入れたことはない。彼女はこの日家に帰る前にも、ある女優の告白を断わっている。「結城社長はハイスぺすぎるんですよ」玲は奏汰を褒めた。でも、それは事実だ。結城奏汰は確かに優秀な男で、結城家の男たちの中には一人も出来の悪い子供はおらず、それぞれが非常に優秀なのだ。それに一人でも十分な実力を持っている。結城家の助けを借りずとも、彼らは自分で会社を創立してそれをトップレベルの企業に発展させる力を持っているのだ。玲の父親である茂は、よく結城家のおばあさんがよく孫を育てたと褒めていた。彼女のもとで育ってきた彼らはみんな才能ある優れた人間だ。いくら莫大な財産があったとしても、後代が優れた人物でなければ、それを守ることはできない。もし、実力不足であれば、一族の財産などあっという間に使い果たしてしまうことだろう。孫に能力があれば、祖先があまり多くの事業を後世に残していなくても、彼らは自分たちの力で新たに事業を興して、財産を蓄えることができる。「白山社長だって非常に優秀な方ではないですか。好きな女性などいないのですか?」奏汰は玲の話をし始めた。「まだ好きになれるような女性には出会っていませんね。仕事が忙しすぎて、毎日のスケジュールが詰まっていますからね。まったく恋愛するような時間なんてとれませんよ。俺のことを好きだと言ってくれる方はたくさんいますが
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第1804話

「祖母から聞いた話ですが、曾祖父は女性関係が派手だったらしく、おまけにあの時代の人間です。外に妾のように女を何人も囲っていたらしいです。曾祖母は法律上妻ですが、非常に辛い思いをしたと。それで自分の家庭を守るため、子供たちのため、かなり犠牲を払ってきたそうです。祖父らも、小さい頃から母親が苦労してきたのを傍で見ていて、母親のことを可哀想だと思っていたんです。それで、曾祖父が亡くなってから、曾祖母が大黒柱的存在となった後、すぐに家訓を作ったそうですね。祖父たちはみんなその家訓を守り、誰一人として不倫するような人はいません。結婚したら、その相手と死ぬまで一生添い遂げるんです。俺と弟も同じです。将来結婚したら、絶対に自分の家庭を大切にします。結婚は一生において人生の大事な一部です。慎重に慎重を重ねて衝動に走ってはいけないんです。結婚する前にしっかりと考えないと」奏汰は歩きながら、白山家の庭園の風景を楽しんでいた。結城家の琴ヶ丘には劣るが、それでも非常に美しい光景で、敷地も広い。おそらく実家のあの美しい景色に慣れてしまっているからだろう、奏汰はやはり琴ヶ丘のほうがもっと好きだった。「白山社長は結婚相手の家風が良いこと以外に、どんなことを望んでいるんですか?俺の知り合いにその条件に合う女性がいれば紹介しますよ。白山社長の赤い糸を引くキューピットになれるかもしれません」そのセリフに玲は可笑しくなって笑い始めた。彼女は笑いながら言った。「結城社長、私よりもご自身のほうを気にかけてあげてください。社長は今ご家族の方たちから結婚するよう催促されて、ここまで避難してきたのでしょう?結城社長はまだ三十手前ですよね?」「今年ちょうど二十九になりました。確か白山社長より一歳上だったはずですよね。俺たちみたいに事業に成功した男は、三十五になって結婚しても遅くないと思ってるんです。しかし、うちの親や祖父母世代が結婚しろ、結婚しろとうるさくて。以前は理仁兄さんがいたおかげで母から彼女はまだかと言われても、彼もまだじゃないかと言えたんですけどね。今では理仁兄さんは結婚し、辰巳兄さんのほうも結婚相手ができてしまって、母は焦って焦ってしょうがないんです。まるで俺は売れない不良品みたいな言い方されるんですよ」「あははは」玲はまた笑い出した。奏汰の話がとても可笑
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第1805話

玲は立ち止まり、至近距離にいる二枚目のほうへ顔を向け、奏汰のニコリと笑っている目と視線が合った。玲はその瞬間、奏汰が自分のことを実は女だと知っているのだと思ってしまった。しかし、そんなはずはないとも思った。柏浜にいる人でも、彼女が女性であることを知らない。玲は男装を二十年以上続けていて、うまく隠し続けられている。彼女の服を脱がしてみなければ、彼女の本当の姿を見抜ける者など存在するはずがない。奏汰は何度か柏浜に来て、彼女と接触したことがあるが、その時間は決して長くない。そんな彼が実は女だと見抜けるわけはない。「結城社長は男性に興味をお持ちなのですか?もし男性を連れて帰ったら、ご家族の方はそれを受け入れてくれます?」奏汰がこんなに近くにいるのに、玲は依然として慌てず淡々としていた。そんな彼女に奏汰は心の中で、肝が据わった女性だと賞賛していた。さすが白山グループを率いる、白山家の跡取りだ。「俺は男には興味ありませんよ。もし、本当に男の恋人を家に連れて帰ったら、家族は最初は正直受け入れられないでしょうね。でも、時間が経てば受け入れてくれます。年配世代はみんな俺たち若者自身が幸せならそれでいいと言っていますから」玲は笑った。「結城家の年配世代の方々は本当に懐が広い方たちばかりで」彼女は引き続き前方に足を進めながら言った。「俺も同性には興味ありません」彼女はこの時、「同性」には興味がないと言っただけで、「男性」とは言っていない。「うちの親たちがみんな開放的な考え方を持っているというのは有名な話です。白山社長、では約束ですよ。お互いに良い相手を見つけたら紹介し合うということで」玲は黙っていた。奏汰は本気だったのか。玲も笑うだけで、これ以上この話題を続けなかった。奏汰もここ柏浜にいつまでも滞在しているわけではない。彼がもしこの約束の事を口にしたら、適当な理由をつけて誤魔化せばいいのだ。玲に案内されて庭園をゆっくりと一周した後、使用人が夕食の支度が整ったと伝えに来た。それで二人は家の中に戻った。弥和は二人が肩を並べて家に入って来る様子を見ていた。娘は身長にしろ、そのオーラにしろ、結城奏汰に引けを取らない。奏汰は娘と何を話したのかわからないが、端正な顔をニコニコさせていた。そして娘のほうはそれとは真逆で無表情で
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第1806話

茂は飲んでかなりハイになっていた。それは奏汰の方がお酒に強くて、彼と酒を酌み交わすのが非常に楽しかったからだ。弥和は夫に注意した。「奏汰さんはあなたより一回り下なのよ。息子でもおかしくない年齢なんだからね。あなたったら、今日は会って二回目だっていうのに、そんな親友みたいな接し方をして、ちょっと失礼じゃないの」奏汰は別に気にしないと言おうと思ったが、結城おばあさんが玲を嫁候補に選んだのだから、今この時点で将来の義父と友人のように接するのはまずいかと思った。奏汰は何も言わずに微笑みだけで、弥和が夫に注意するのをただ見ていた。茂は大きく笑って言った。「まったく、奏汰君とはどうしてもっと早く出会えなかったのかね。奏汰君、おじさんは君のことを友人のように思ってるよ。私たちは年の差のある友人同士だ。時間がある時には毎日でもご飯を食べに来ていいよ、一緒にお酒を飲もう」「わかりました。茂さんから誘われれば、いくら忙しくても仕事なんて放っておいて、一杯付き合いましょう」玲は二人の会話を聞いて、口を引き攣らせていた。「父さん、結城社長は仕事が忙しいお方だ。父さんみたいに人に指図して自分は何もしないような人じゃないんだよ」玲は父親にひとこと文句を言った。白山グループは表向きは彼女の父親が管理していることになっているが、実際は茂はさっさと引退して、ただ裏で指示を出す程度で、会社の全てをすべて娘に任せてしまっている。「父さんが家でゴロゴロしながら指示が出せるのは、お前というよくできた息子がいるおかげだぞ」茂は奏汰の前で自分の娘を自慢し始めた。「奏汰君、おじさんはね、この若さでさっさと現役から退いて、後は裏方に回っているんだ。会社のことには一切関わらないようにしてるんだよ。白山グループも日々成長できているのは、玲の実力が高いからなんだ。この子はね、一人で十人分の能力を持ち合わせた息子なんだよ。弟の碧はこの子とは双子なんだ。能力は少し劣っているが、彼だって一人で五人分の能力を持っているよ」茂が人生で最も喜んでいる事は、妻との間に双子の姉弟を生み、その二人はどちらも能力が非常に高い優秀な子であることだ。息子のほうは娘ほど落ち着いてはいないが、それでも一人前になったのだ。もし娘が将来結婚して、白山グループの社長を務めたくないのであれば、碧も社長
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第1807話

玲は両親のちょっとした行動に気づいていないふりをした。彼女はボディーガードに奏汰をホテルまで送り届けさせようと思っていた。しかし、茂は言った。「玲、奏汰君にはお前の車に乗ってもらいなさい。彼は結構酒を飲んだから、途中で気分が悪くなった時には、誰かが世話しないと」玲「……わかったよ」絶対に自分は拾われっ子なのだ、と玲は思った。彼ら姉弟たちに両親はここまで優しく、気遣ってくれたことはない。両親に要求され、玲は仕方なく奏汰を自分の車に乗せた。奏汰のあのマイバッハは白山家のボディーガードが彼に代わってホテルまで運転していくことになった。車が白山邸を出発した後、玲は車の中で、座席の背にもたれかかって静かに目を閉じている奏汰に顔を向けた。「結城社長、酔っていますか?」「酔ってはいませんが、酒を飲んだ後にくるあのくらくらする眩暈みたいなものがあります。だけど、意識ははっきりしてますよ」玲は少し黙ってから言った。「うちの親はあなたのことをとても気に入ったみたいです。俺はこの年になって、初めて両親があそこまで他所の家の子供を気に入ったのを見ました。父が長年大事にしまっていたあの酒まで持ち出して結城社長と飲むとはね。あの酒は飲みやすいんですが、そのあとにガツンとくるんですよ。飲んでいる時は水のようですが、後で急に酔いがまわってきます」奏汰は目を開いて玲をじっと見た後、また目を閉じた。あの酒は確かに後からくる。「ご両親は普段、少し寂しいのではないですか。あなた達兄弟二人は毎日仕事で忙しく、付き添う時間がないでしょうから。俺は周りを喜ばせるのが得意な人間ですからね。だから、お二人がここまで気に入ってくれたんでしょう」玲は笑って言った。「それで結城グループの飲食業はあなたに任されてから、業界でもトップになれたんですね」彼は本当に人を喜ばせるのが上手い。「商売人は、口が達者じゃないと、どうやって商談を成功させるんですか?白山社長は仕事の時なら絶対にスラスラと言葉を紡いで商談をするでしょう。ただ、普段の生活の中ではこうやって厳しくするのに慣れてるんでしょうから」玲は黙っていた。奏汰の言うとおりだ。彼女は仕事では、顧客との商談で確かにぺらぺらと上手く話している。しかし、日常生活の中では、彼女は話す必要がなければ、黙っている
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第1808話

「結城さんがどの部門を担ってると思ってる?結城グループが事業拡大で始めた飲食業はそもそもメイン産業じゃなかったけど、奏汰さんに任されてから、もううなぎ登りよ。こんなに優秀な方がうちの娘のお婿さんになってくれたら、いいのになぁ」茂はため息をついて言った。「玲はもう二十八歳だ。それでも女性として生きることを選ばない。それに好きな人もいないし、彼女はこうやって一生男として生きていくつもりなのだろうか。しかも独身男性としてだぞ」弥和は言った。「言ったでしょ、あの子は小さい頃から男装するのが好きだったから、弟と一緒にいたら兄弟みたいで好きにさせてきたけどね。子供の頃は確かに可愛かったわ。二人は似ているし、男女の見分けがつかなかったもの。だけど、大人になってからは好き勝手に男装なんてさせてたら駄目よ。なのに、あなたったらあの子の好きなようにさせておけって言ったじゃないの。それに、玲は兄らしい風格があるから、彼女が兄として行きたいのであればそうさせろって。ようやくわかったかしら?玲が二十後半になってもまだ男として生きていて、女性に戻りたくなくなったのよ。あの子にヒールの靴を買っても一切目もくれないし、スカートだってクローゼットの一番底の方に眠ってるわよ。女の子が好きな物にあの子は一切興味なし。こんなことなら……私も双子の兄弟を生んだって本気で思ってしまいそうだわ」弥和は今本当に頭を悩ませていた。しかし、娘は生理も来ている。発育のほうは決してスタイルが良いほうではない。まな板よりも少しはマシなくらいだ。でも、これらが彼女は確かに女だということを証明している。「私たちにはあの子を変えることができないよ。あの子の運命の男性に彼女を変えてもらおう。玲にもし好きな男性ができたら、女ものの服を着てみようという気になるだろうし、ちょっとずつ女性としての可愛らしさを見せてくれるようになるさ」茂は言い終わると、また嫉妬したように続けた。「うちの可愛い娘が、他の男のために女性らしさを取り戻すなんて、玲の心を奪うその男には嫉妬してしまうくらい憎たらしいな!」弥和は夫にショックな一撃を与えた。「あの子の追っかけはみんな綺麗な女の子たちばかりよ。一人も男なんていないじゃないの。娘も誰か男性を好きになったことはないし、今までどの男性にも近づこうとしたのを見たことな
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第1809話

玲はホテルの付近まで来ると、奏汰を起こして言った。「結城社長、結城グループのホテルにもうすぐ到着しますよ」すると奏汰は姿勢を正して、窓の外を見た。彼にとって見慣れたあの街並みだ。彼は玲に申し訳なさそうに言った。「ずっと車の中で寝てしまって、お恥ずかしいです」「理解できます」玲は心の中で、彼が理性を失うほど酔っ払っていなくて十分助かった、そうじゃなければずっと酔っ払いの世話をする羽目になっていたと考えていた。「白山社長は普段どちらにお住まいですか?」玲は少し黙ってから言った。「俺は大見原住宅地に家を買って、普段はそこで暮らしています。会社からとても近いので、車なら十分程度の距離ですね」もし、両親と共に実家に住んでいたら、会社に行くのに一時間は必要だから、少しでも多く寝たいと思っても無理なのだ。玲の生活リズムは規則正しい。会社にも遅刻したことはなく、毎日朝の八時半に出勤していて、他の管理職たちよりもずっと早い。もし会社から家まで遠ければ、もう少し寝たいと思って寝過ごしただけで、会社に到着するのは九時を過ぎてしまう。九時はだいたい会議をしている時間だ。それで便利なように、そこに家を購入している。出退勤に時間がかからないのと、両親と一緒に住む必要がないからだ。「大見原は柏浜では高級住宅地でしょう?あそこの不動産価格はいくらですか?今、他の物件が売りに出ていたりしますか?」「結城社長も購入を検討したいのですか?」奏汰は笑って言った。「今までは柏浜に出張したらホテルに泊まることが多かったんです。でも、ホテルだとどうも家って感じがしないので、ちょっと家を購入して、柏浜での基盤みたいにしたいなと思って。俺はあまり柏浜に来ないので、こちらの物件についてはあまりよくわからなくて。白山社長はここの出身だし、白山グループは不動産業にも力を入れていますよね。だから、あなたに尋ねれば良いところを見つけられるかと思いまして」奏汰が言うのは理にかなっているので、玲も余計なことは考えずにこう言った。「大見原住宅地は柏浜市で最も高級な住宅地です。良い物件は今のところ全て完売していますね。ですが、結城社長に代わって尋ねてみます。もし何か良い物件があれば、その家を見に行って、条件に合えば購入されればいいと思います。大見原住宅地にまだ売れていな
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第1810話

奏汰は笑って言った。「高いのは別に気にしません。良い家で、条件に合うなら俺は欲しいです。白山社長はいつお時間がありますか?その家の見学に一緒に行ってもらえませんか?」「今はこんな時間ですし、都合が悪いでしょう。携帯番号を結城社長に教えておきますので、明日時間がある時に、この番号にかけてくだされば、誰か手配して社長を連れて行ってもらいます」「ええ、どうもありがとうございます」奏汰は玲にお礼の言葉を述べた。玲が教えたのは執事の携帯番号だった。「結城社長、これはうちの執事の電話番号です。彼女に連絡してください。その家の持ち主に連絡して社長を連れていくよう伝えておきます。その持ち主は家を売りたいという話を流してから、わざと連絡先を隣近所に教えていたんですよ。誰か購入希望者がいれば、いつでも彼に連絡できるようにね」「わかりました。明日その執事の方に連絡してみます。いろいろとありがとうございます」玲は淡々とした口調で言った。「そんな大したことなんてしていませんから、そんなに気を使わないでください」奏汰は必ずその家を購入するわけではないだろう。その人物は家を購入してからずっと住んでいなかったが、それでも中古物件になる。大見原高級住宅地に家を購入する人たちは、経済的にかなり余裕のある人たちである。金持ちは一般的に中古の家を買ったりしない。ただ、その人物が家を買って不動産価格が値上がりしたら売ろうという目的で購入したものだから、中古であっても、元の値段よりも高く設定してくるはずだ。奏汰は別にお金に困っているわけではないが、だからと言って丸め込まれていいカモになるほどバカでもないだろう。結城グループのホテルに到着すると、玲は運転手に車を停車させ、奏汰に言った。「結城社長、到着しましたよ」奏汰は「ホテル・ラグジュリゾート」の文字を見て、玲に礼を言い車のドアを開けながら、心から玲を誘った。「白山社長、良かったら少し寄って行かれませんか?」玲は斜め向かいにある自分のホテルを見た。奏汰は彼女の視線の先を同じようにちらりと見て、何かを理解したらしく笑って言った。「大見原に家を買って、リフォームを済ませてから、また白山社長をご招待しましょうか」「結城社長、私はまだ処理しなければならない仕事がありますので、これで失礼します」奏汰は彼女のほう
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