《交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています》全部章節:第 2461 章 - 第 2464 章

2464 章節

第2461話

姫華も笑って言った。「理紗さん、そんなに笑わないでよ。私だってすっごく慌てちゃって、緊張しすぎたの。お兄ちゃんなら私よりもっと、もっと慌てたはずよ」「はいはい、もう笑いません。笑うと、ちょっと痛みが軽くなったような気がするわ」姫華は言った。「そうなの?じゃ、笑って。笑ってお腹の痛みがおさまるなら、たっくさん笑ってよ。私、図太いから笑われても平気だし」理紗はお腹を抱えて笑ったが、すぐに眉間にしわを寄せた。「痛いわ、今はさっきよりもはっきり感じられる。どんどん間隔が早くなっているみたい」その言葉を聞き、詩乃が即座に指揮を執った。「行くわよ。すぐに病院に!」第一子には、多くの人が少なくとも、半日から一日がかりになる。それよりも時間がかかる人は二日、三日痛みに耐えなければならない。しかし、人によっては陣痛が来てから数時間でさらっと産んでしまう。人によって違うから、理沙が出産にそこまでかからない可能性だってあるのだ。それで、一家総出で理紗を連れて病院へと向かった。病院に向かう途中、理紗は玲凰に電話をかけた。玲凰が出ると、彼女はこう言った。「玲凰、お腹が痛くなってきたから、きっと生まれるんだわ。お義父さんと、お義母さん、それから姫華ちゃんたちが病院に送ってくれてるの。あなたも時間があったら病院まで来てちょうだい」「う、生まれるって?予定日まではまだ半月あるんじゃないのか?どうして今生まれそうなんだ?時間がないわけないだろ、妻が出産するんだぞ。暇すぎて死にそうだ、病院に行ってるって?どこの病院だ?今すぐ向かう。心配するなよ、俺がすぐに駆けつけるからな」玲凰は妻からもうすぐ子供が生まれると聞くと、手元の仕事を放り出して、立ち上がりすぐに病院へ向かおうとしたが、方向を間違えて、うっかり休憩室に入ってしまった。彼に仕事の進捗を報告しに来た管理職の社員が、驚いたように社長が休憩室に入っていくのを見ていた。社長は会社を出るのではないのか?奥様がもうすぐ出産するから社長はすぐに病院へ向かうと話しているのを聞いていたが、どうして休憩室などに入っていったのか……その管理職は、玲凰が休憩室で何か取って行くのかとも考えた。するとすぐに、玲凰が中から出てきたが、通話しながら、手には別に何も持っていなかった。そしてす
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第2462話

「あなたのお母様に電話しておくわね」理紗は自分の母親に連絡していなかったが、詩乃は女性は出産する時に、自分の実家家族に傍にいてほしいだろうと思った。それで、自ら理紗の実家側に病院に来るようにと電話で伝えた。そしてすぐに、神崎家と篠崎家の両家の一団が分娩室の外に押し寄せ、ハラハラしながら理紗を待っていた。やはりさっき詩乃が思ったとおり、理紗は病院に到着して検査するとすぐに分娩室に運ばれていった。姫華はSNSにこの件をアップし、唯花と唯月は理紗がもうすぐ出産することを知った。理仁はすぐに唯花に付き添い、結城おばあさんも連れて病院へ向かった。唯月は妹よりも早く病院に到着していた。多くの人が分娩室の前で待っているのを見て、唯月は詩乃の傍に行き、軽く声をかけた。「あら、唯月さんじゃないの。どうしてここに?」「姫華ちゃんがSNSに投稿しているのを見て、理紗さんの出産を知ったんです。それで見に来ました。どうです?入ってからどのくらい経ちました?」詩乃は言った。「入ってからもう長く感じるけど、時間を見たらまだ一時間も経っていないわね」焦っている時には、時間が長く感じられる。今まさに全員がこのような状態に置かれている。玲凰は廊下を何回ぐるぐると回っていることだろうか。彼はまさに居ても立っても居られず、せわしなく歩き回っている。こうすることで緊張を緩和できるのだろう。彼は出産のあの裂けるだという痛みを妻に代わってあげたかった。出産は例えるなら、鼻からスイカを出すくらい痛いといわれる。「理紗さんは頭位だから、大丈夫ですよ」唯月は詩乃にそう言って落ち着かせようとした。しかし、詩乃のほうはまだ冷静だ。彼女はあのうろうろと落ち着かない様子の息子を見て言った。「ほら、うちの息子を見てみなさい。あれじゃ、廊下があの子のせいですり減りそうだわ。一体何周ああやって回っていることやら」「ああなるのも当然です。玲凰さんは理紗さんのことをとっても大事に思っているから」唯月は、自分が陽を出産した時のことを思い出していた。妹によると、俊介もあのようにかなり慌てた様子だったらしい。玲凰ほど緊張してうろうろ動き回ることはなかったが……子供が生まれるとまずはその子が助産師に連れられていき、彼女は後から分娩室を押されて出てきた。出て
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第2463話

分娩室の扉が開いた。すると前で待っていた全員がドアを囲んだ。助産師の一人が子供を抱いて、玲凰に微笑みかけた。「神崎理紗様のご家族の方ですね?」「俺が夫です。助産師さん、もう生まれたんですか?妻の様子は?中に入って様子を見てもいいでしょうか?彼女はいつ個室に移れますか?」玲凰は立て続けに質問し、どれも理紗のことばかりだった。唯月は興奮状態の両家から後ろのほうへ追いやられていた。彼女は玲凰がしきりに理紗のことを気にかけているのを見て、心の中で理紗は正しい人を選んだと感嘆していた。助産師は笑顔で玲凰に答えた。「奥様の状態はとても良いですよ。元気な男の子が生まれました。母子ともに健康です。お子さんの体重は3300グラムです。奥様は処置がありますのでもう暫くかかりますから、お子さんだけお連れしました」母子ともに健康だと聞いて、玲凰は安心した。全員、理紗と子供どちらも元気だと聞き、笑顔になっていた。それからさっき生まれたばかりの子供を安心して見ていた。玲凰は助産師から子供を受け取って、じっと見つめた後、理紗の母親に抱かせて言った。「お義母さん、この子と個室で待っていてください。俺はここで理紗が出てくるのを待ちます」理紗の母親の千明(ちあき)は、孫を抱いて喜び笑った。孫は娘にそっくりだと思い、言った。「私もここで理紗を待ちます」孫が出てきたが、娘はまだ中にいる。千明は孫を詩乃夫妻に預けて、個室で待っていてほしいと伝えた。子供が出てきて、分娩室の前から半分がいなくなった。しかし、詩乃と唯月はすぐに個室から出てきて、また分娩室の前に戻り、理紗を待った。姫華と航、それから善の三人が個室で赤ちゃんを見ていた。この時、理仁が唯花を連れて到着した。「伯母様、お姉ちゃん」唯花は尋ねた。「理紗さん、出産終わった?」「唯花ちゃん、あなたまで来たのね。妊娠中で、結婚式が終わったばかりでしょう。理紗さんならもう元気な男の子を産んだわよ。3300グラムですって、母子ともに健康よ」詩乃は妊娠中の唯花まで来たので少し責めるような口調だったが、すぐに笑顔になって唯花に伝えた。孫ができて、詩乃はご機嫌だった。すると今度は理仁を責めるように言った。「結城さん、どうしておばあ様まで連れてきたんです?お
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第2464話

幸い、玲凰はそう長く待たずに、理紗が分娩室からベッドに横たわったまま助産師に押されて出てきた。「理紗」玲凰は妻の姿を見るとすぐに駆け寄った。理紗は髪が乱れて、唇は出産時の痛みに食いしばったせいか血が少し滲んでいた。ただ、彼女の状態は非常に良かった。みんなが自分を外で待ってくれていたのを見て、彼女は玲凰に言った。「玲凰、私たちの子供、助産師さんたちが私にとっても似てるって」すると千明が言った。「男の子は母親に似るって言うしね」玲凰は前屈みになり、愛する妻のおでこにキスをして、心を痛めた様子で言った。「理紗、お疲れ様。俺たち、子供は一人でいいよ」理紗の実家の篠崎家も、娘が子供を産むことを望んでいて、今は元気な男の子が生まれた。玲凰は神崎家の長男で、今理紗との間に第一子となる息子が生まれた。これで神崎家の跡取りの問題はなくなった。出産を初めて経験してみて、理紗も息子が生まれてよかったと思った。もし、娘だったら、自分と同じように出産の痛みを経験することになるかもしれないからだ。理紗は夫の提案に応えた。「そうね、一人でいいと思う」彼女自身、あまりの痛みでもう二度と産みたくないと思った。経験しなければ、まさかここまで痛いとは知らなかった。個室に戻り、理紗はベッドで休んだ。みんなが生まれたばかりの子供を囲んでいるのを見て、彼女は玲凰に言った。「ねえ、赤ちゃんを抱っこして私にもよく見せて」この子は彼女が十ヵ月もの間お腹の中で大切に育て、耐えがたい痛みを経験して産んだ子だ。それなのに彼女はまだゆっくりと我が子と対面していない。分娩室では、出産した後すぐに助産師が子供を抱き上げて彼女に見せてくれた。そして助産師は先にその子を抱えたまま出て行ったのだ。玲凰はすぐに腰を曲げて、ベビーベッドから新生児を抱き上げた。まだ生まれたばかりでとても小さく、柔らかかった。抱いてみると、まったく重たくなく、彼は慎重に慎重をかさねて抱いた。そして息子を抱いていると、彼はうっかり手から落としてしまうのではないかと怖くて、動くことができなくなった。「私が抱っこしましょう」千明は娘の夫のその様子に、自ら子供を抱き上げて笑って言った。「抱っこして歩くのがちょっと怖いのでしょう?その様子じゃ、理紗は一時間待っても子供
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