姫華も笑って言った。「理紗さん、そんなに笑わないでよ。私だってすっごく慌てちゃって、緊張しすぎたの。お兄ちゃんなら私よりもっと、もっと慌てたはずよ」「はいはい、もう笑いません。笑うと、ちょっと痛みが軽くなったような気がするわ」姫華は言った。「そうなの?じゃ、笑って。笑ってお腹の痛みがおさまるなら、たっくさん笑ってよ。私、図太いから笑われても平気だし」理紗はお腹を抱えて笑ったが、すぐに眉間にしわを寄せた。「痛いわ、今はさっきよりもはっきり感じられる。どんどん間隔が早くなっているみたい」その言葉を聞き、詩乃が即座に指揮を執った。「行くわよ。すぐに病院に!」第一子には、多くの人が少なくとも、半日から一日がかりになる。それよりも時間がかかる人は二日、三日痛みに耐えなければならない。しかし、人によっては陣痛が来てから数時間でさらっと産んでしまう。人によって違うから、理沙が出産にそこまでかからない可能性だってあるのだ。それで、一家総出で理紗を連れて病院へと向かった。病院に向かう途中、理紗は玲凰に電話をかけた。玲凰が出ると、彼女はこう言った。「玲凰、お腹が痛くなってきたから、きっと生まれるんだわ。お義父さんと、お義母さん、それから姫華ちゃんたちが病院に送ってくれてるの。あなたも時間があったら病院まで来てちょうだい」「う、生まれるって?予定日まではまだ半月あるんじゃないのか?どうして今生まれそうなんだ?時間がないわけないだろ、妻が出産するんだぞ。暇すぎて死にそうだ、病院に行ってるって?どこの病院だ?今すぐ向かう。心配するなよ、俺がすぐに駆けつけるからな」玲凰は妻からもうすぐ子供が生まれると聞くと、手元の仕事を放り出して、立ち上がりすぐに病院へ向かおうとしたが、方向を間違えて、うっかり休憩室に入ってしまった。彼に仕事の進捗を報告しに来た管理職の社員が、驚いたように社長が休憩室に入っていくのを見ていた。社長は会社を出るのではないのか?奥様がもうすぐ出産するから社長はすぐに病院へ向かうと話しているのを聞いていたが、どうして休憩室などに入っていったのか……その管理職は、玲凰が休憩室で何か取って行くのかとも考えた。するとすぐに、玲凰が中から出てきたが、通話しながら、手には別に何も持っていなかった。そしてす
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