Lahat ng Kabanata ng 交際0日婚のツンデレ御曹司に溺愛されています: Kabanata 2521 - Kabanata 2530

2640 Kabanata

第2521話

和子は昔、若葉が自分の子供ではないことは知らなかった。和子はただ若葉に長年後継者教育をしてきたが、常に満足いかなかった。それで若葉には付き人を焦って手配することはなかった。今では、逆に焦って付き人を手配していなくてよかったと思う。そうしていたら、凪の付き人も再び選びなおして教育しなければならないところだった。このように特殊な付き人を一人前に育てあげるのには、かなりの時間を要する。黛家は後継者を決定すると、特殊な付き人を育て始める。後継者が育ち、当主になるまでは十数年、二十年という長い時間がかかる。それに、その当主に合う付き人を選ぶのも難しい。付き人はかなり能力が高く、忠誠を誓う者でなければならない。「わかった」畑中はすぐに部屋を離れた。彼は滞在する時間は長くなかった。会っていたのも男性だし、周りが見てもただ友人を訪ねてきただけのように見える。だから、誰も訝しく思う者などいなかった。畑中という男がスカイロイヤルホテルを離れた後、和子のボディーガードは畑中が来たことを和子に伝えた。和子も自分の付き人である畑中が新しい電話番号を契約してこんなにすぐに誰かに調べられてしまったことを知ると、長い間沈黙していた。しばらくして、彼女はこう言った。「それなら、契約を解除してちょうだい。星城はやはり有能な人が多いようね」和子が簡単に何かを起こすことはできない。暫くしてから、彼女はまたボディーガードに尋ねた。「柴尾家の次女は今どうしているの?やっぱり、柴尾邸にも入ることができずにいる?」鈴は性格が悪い以外に、特に使い勝手の良いところはない。だが、和子もこのように使えない人間を助けて情報を得ることしかできない。今は星城にいるから、リスクを負いながらも和子の手助けができる人物は鈴のみだ。鈴は唯花と咲を非情に憎んでいて、彼女たちが不幸になるのを一番望んでいるからだ。だから、和子も鈴に声をかけるしかなかった。ボディーガードは答えた。「柴尾家の次女は二人のおばが借りているアパートに行っています。今もそこにいるようですね。それに、柴尾家の長女である咲という女性もずっと裏で動いています。実は見張られているということにも気付いていないので、頭はそこまで良くないのでしょう。こちら側も気づかれないように気をつけなけ
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第2522話

和子は眉をひそめて、若葉からの電話に出た。「お母さん」電話が繋がると、若葉が電話越しに泣き声で母親を呼んだ。「若葉、一体どうしたの?誰にいじめられたの?お母さんに教えてちょうだい。帰ったらそいつを懲らしめてやるからね」和子は眉間にしわを寄せてはいるものの、口では若葉を甘やかせる言葉を吐いていた。この世の終わりが来ても養女のことを守るぞ、という姿勢を見せている。「お母さん、いつになったら戻ってくるの?お母さんがいない間、もう凪にいじめられて、本当に腹が立つわ。あんな陰険な人間がいつも私をいじめるのに、自分は何も悪くないって顔をしているのよ。私だけじゃないわ。お父さんだってあの子にかなり腹が立っていて、眠れない毎日なの。もうすっかり痩せてしまって、そんなお父さんを見てるととてもつらいわ。しかもね、あの子ったらお兄さんとお嫁さんの仲を壊そうとしているのよ。お兄さんたちが毎日奥さんと喧嘩してて、奥さんが離婚するって騒いでまでいるんだから」和子は言った。「……凪にそんなことができる?あの子はまったく使い物にならない無能な人間よ。もし、彼女があなた達を怒らせるようなことができる人間なら、私だって後継者問題で頭を悩ませたりしてないのよ。はあ、あの子は私が育てていないし、教育もしていない。いくら教えたって無駄なの。だから彼女に厳しくすると、周りからは贔屓しているって言われるし」若葉は鼻をすすりながら言った。「お母さん、凪って狡賢いのよ。あの子、本当に小さい人間だわ」「さっき凪がお兄さんたちとお嫁さんたちを喧嘩させて仲を引き裂こうとしてるって言ったわね?離婚するとまで騒いでいるの?凪が何を言って、何をしたの?」若葉は答えた。「お兄さんたちが浮気してることを凪がばらして、奥さんたちが知って、喧嘩になっちゃったのよ。男だもの、それに私のお兄さんたちみたいによくできて、カッコいい人がちょっと他に女の子と遊んでも、別に大したことではないじゃない。何人か浮気相手がいる男なんてたくさんいるでしょ。お兄さんたちは浮気相手はたった一人しかいないんだし、それにただ遊んでるだけで、別に離婚してその女と結婚しようだなんてつもりはないわ。だから奥さんたちの脅威になるような相手ではないって私、わかってるもの」それについては和子も知っていた。和
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第2523話

若葉の不満を聞き終わると、和子は彼女に言った。「若葉、あなた、わざと凪の車にぶつけたんじゃない?あの車はまだ新車で、しかも高級車なんだからね。この間はあの子のご機嫌を取るために、わざわざ新しい高級車を買ってあげたのよ。あなたがぶつけて修理代も渡さなかったんだから、カードを凍結されても文句は言えないと思うけど。あなたはね、いつも間違ったことをしているのに、自分でそれをわかっていない。いつも誰か他の人のせいだと思い込んで、自分にも原因があることを見ようともしないでしょ。あなたが凪の立場で、まだ買ったばかりの車にぶつけられたのに、相手が修理代を出さないと言い張ったら、怒るでしょ?あなたの性格ならそんなことをされれば、怒って相手を訴えるに決まってる」和子は心の中で若葉は身の程知らずだと愚痴をこぼした。凪は和子の実の娘であり、一族の後継者だ。黛一族の全ての銀行カードを凍結させる権利も、彼らの小遣いを減らす権利も持っているのだ。もちろん、今は和子が当主であるから、凪も今のところはその権利を使い、一族の誰かに経済的な打撃を与えることはない。そしてこの半月の間、和子が柏浜にいなかった。その間に若葉があまりにやり過ぎたことで、凪は若葉のカードを凍結することに踏み込んだのだ。電話越しに若葉が拗ねたように言った。「お母さん、私はただうっかり凪の車に当ててしまっただけなの。別にわざとじゃないし、修理代もそんなにかからないでしょ。多くて百万いくか、いかないかじゃないかしら。たったそれだけの金額なのに、どうして私に払わせるわけ?凪がお金に困ってる?彼女が黛家に戻ってきてから、お母さんがあの子にあげてるお小遣いも、前の私と同じくらい多いじゃない。逆に私のお小遣いのほうが半分にまで減らされたのよ。凪のほうが私よりお金を持っているじゃないの」凪というあの貧乏人が運良く黛家の令嬢になった。黛家が凪に毎月渡す小遣いは、恐らく以前の凪が五年かけても稼ぐことができないほどの金額だろう。凪は以前ただアルバイト生活をしていただけで、一カ月に十万円ほどしかもらってなかったと言っていた。それにバイトのチーフの怒りを買ってしまい、よく罵られていたという。それでもバイトを辞めようとしなかった。辞めて他に仕事を探しに行ったとしても、別に状況が変わることがないからだろう。
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第2524話

和子の夫である河野洋文は不満に思いながらも、もう妻を騙すことはできなくなった。ただ彼の子供たちは、こっそりと父親に小遣いをあげているので、彼はまあまあ贅沢な暮らしを送ることができていた。子供たちがそうやって親孝行をするのを、和子も構わなかった。もちろん、洋文が外に女を作ろうものなら、和子は一切容赦する気はない。和子は以前、夫に浮気をすれば、彼のことを捨ててやると警告していた。洋文は妻がそうすることを疑わなかった。数十年来、多くの女性が彼に近づいてきたが、彼は一切、手をつけなかった。「これは、お金があるなしの問題ではなく、どちらが間違っているのかの問題よ」和子は厳しい口調でそう言った。それで若葉はもう不満を言えなくなった。暫くしてから若葉はまた口を開いた。「お母さん、たとえ私のほうが間違っていたのだとしても、凪だって私のカードを凍結することはないでしょ?なんであの子にこんなことする資格があるわけ?凪はまだ当主になってないのに、私にこんなことするなんて。あの子が本当に黛家の当主になったら、私はどうなるっていうの?」そう言いながら若葉は嗚咽を漏らしていた。「お母さん、私は生まれてからずっとあなたのもとで育ってきたの。お母さんが私を愛してくれていることは私もよくわかってる。私は赤ちゃんの頃からずっと黛家の人間だった。私のお父さんがやったことは私だって知らなかったんだから、私にはなんの罪もないでしょ。お母さんだって言ってたじゃない。私はずっと黛家の子供だって。でも、お母さんがただ半月出張していただけで、凪が私にちょっかい出してきて、カードも止められたわ。もし、彼女が将来一族の当主になったら、私はどう生きていけばいいの?」「あなた名義の財産は?お小遣いだってたくさんあるでしょ?」和子は淡々とした口調で言った。若葉は実は自分の小遣いは使っていない。彼女は一日に十万の小遣いだから、それではもちろん足りていない。彼女が使っているのは、和子があげたクレジットカードで、いくらでも自由に使いまくっていたのだ。「私名義の財産なんてたかが知れてるでしょ?何軒かの家と、二、三台の車に、店舗が二つよ。貯金だって大したことないわ」彼女の貯金は億を超えているが、湯水の如く金を使うことに慣れてしまっている彼女にとっては、その金額
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第2525話

「あなた名義の家を貸しに出したらどう?あと店舗もね。そうすれば一カ月に数百万は稼げるはずよ。一般人にとって、それは一年の収入になるほどの金額なんだから。若葉、あなたはもう周りよりもずっと良い生活ができているんだからね」若葉は悲しそうな顔をしてみせた。「お母さんは私が無駄使いしてるって思ってる?」「そういう意味ではなくて、お母さんはただね、あなたはもう多くの人よりずっと幸せだということを伝えたいだけよ。はあ、もうわかったから腹を立てないの。お母さんはあと二日したら帰るから。私がそっちに戻ったら、カードは使えるようにしてあげる。それから凪を叱ってあなたの鬱憤を晴らすから、いいでしょ?だけど、凪の車にぶつけて壊した件については、きちんと彼女に修理代を弁償なさい。じゃないと、お母さんもあなたのために何かしてあげることはないから。なんといっても、凪のほうが私の実の娘なんだからね」その言葉に若葉はしぶしぶ声を出した。「凪に弁償するなら、お母さんが帰ってきたら私の傷ついた心をなぐさめてよね」和子は笑って言った。「わかった、あなただけにプレゼントを買って帰ってあげる。若葉、お母さんはあなたのことを本当に大切に思っているんだからね。あなたは赤ちゃんの頃からずっと私が育ててきたんだもの、いつだって私の中であなたが一番よ。だから泣かないで、怒らないで。凪に対して腹を立てる必要なんてないんだから。あの子はずっと私に叱られ続けてきたでしょ。私が今柏浜にいないから、やっと彼女自身が上に立てるチャンスが巡ってきたものだから、ここぞとばかりにやりたい放題しているのよ。お母さんが帰ったらあの子のお小遣いは減らすから、それであなたも機嫌を直してね」その言葉で若葉はようやく機嫌を直した。「お母さん、ありがとう。やっぱりお母さんは私を一番に考えてくれてるわ。じゃ、これで切るね。お母さんも早く休んで」若葉は凪に対する鬱憤を吐き出して、母親からのなぐさめをもらうと満足して電話を切った。凪が若葉と闘おうと思うのは、やはり考えが甘い。若葉との通話を終わらせると、和子はすぐに凪に電話をかけた。この時、凪はまだ黛グループの副社長オフィスにいた。やることはすべて終わらせていた。そして今、彼女は自分がつくった会社の事を処理していた。凪が黛家に
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第2526話

和子が自ら星城に赴き、理仁の結婚式に参加した。その後は半月も星城に滞在していて、その目的も凪はよくわかっていた。他の人も同じだ。この間、凪も誰かを星城に手配して、情報を探ることはできなかった。母親にそれがばれてしまうといけないからだ。しかし、凪は母親が星城では順調にいっていないだろうと予想していた。星城は結城家、東家、九条家、そして神崎家が幅を利かせている都市だ。あの四大名家は強いつながりを持っているから、和子が星城で自由に動くことはほぼ不可能だ。凪がこの時もまだ会社で残業していることを知り、和子の口調は幾分も和らいだ。「若葉から聞いたんだけど、あなたがお兄さんたちが浮気していることを奥さんたちに教えたそうね?それから若葉のカードも止めたの?」凪は正直にそれを認めた。「私がやったことは、間違っているというの?お兄さんたちはみんな結婚して、家庭を持っているんだから、家族には誠実な態度でいるべきではないの?確かに奥さんたちは若葉のほうを味方していて、私にはただの親戚っていう顔しかしてくれない。だけど、私も同じ女性として、彼女たちが可哀想だと思ったのよ。それに彼女たちがこうやって騙されているのを見ていられなかった。周りは彼女たちの夫が外で浮気していることを知っているのに、奥さんたちだけが知らないなんてありえないわ。お母さんも知っていたんでしょ?私は知っていながら無視をすることなんてできない。彼女たちには夫から裏切られている事実を教えてあげないと。それを知って彼女たちが夫を許すか許さないかは彼女たち自身が決めることよ」「……お兄さんたちはただ外でちょっと火遊びしているだけで本気じゃないのよ。浮気相手の女だって黛家の若奥様になれっこないわ。お兄さんたちはああすることでストレスを発散していて、外の女はただのその道具にすぎない。それに私だってその女たちが我が黛家に嫁ぐことは認めないんだから。我が黛家に嫁ぐのはそう簡単ではないわ。凪、あなたがやった事は確かに世間的には間違っていない。だけどね、彼らはあなたの本当のお兄さんたちなのよ。あなたが浮気をばらしたことで、お兄さんたちは奥さんと亀裂が生じてしまった。こんなことになって、あなたは嬉しいわけ?一族内の醜い姿を世間に晒すべきではない。あなたは将来黛家の当主となる身、こんなことをすれば、
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第2527話

「彼女の個人名義の銀行カードなら私は止めることはできない。若葉は自分の貯金を使わないわけ?最近、彼女はずっとクレジットカードを際限なく使ってるよ。それで私は管理をすることにしたの」「あの子個人の貯金はあまり多くないからね」凪はケラケラと冷たく笑った。「あまり多くない?億を超えるお金を持っているのに、金持ちだとは言えないの?ほとんどの人が一生をかけても稼げないような金額なのに、少ないって?お母さんが帰ってきたら若葉にお金をあげるって約束してるんじゃない?若葉はわざと私の車にぶつかってきたんだよ。ディーラーに尋ねたけど、修理代には数百万かかるって。それを弁償しろと若葉に言わないで一体誰に請求しろというの?姉妹って言うけど、若葉は私の姉妹かしら?あの子には黛家の血が流れてたっけ?若葉が黛家の血をひいているというのであれば、請求はしないわ。でも彼女はどう?」和子は瞬時に黙ってしまった。「若葉名義の家やお店を貸し出せば、一カ月に数百万の収入が得られるよ。たとえ百万までいかなくたって、多くの人の収入の数倍から十数倍になるんじゃない?」「……もういいわ。これは若葉が間違ってる。お母さんが帰ったら修理代を出すようにあの子に言い聞かせるから。お母さんが渡したクレジットカードも返してもらう。お小遣いもどれくらい減らすかあなたが決めていいから、これ以上腹を立てないでちょうだい。また私が若葉ばっかり味方してるだなんて言わないでね」凪は心の中で、若葉の方を贔屓しているくせにと悪態をついた。「お母さんは本当に私にあの子の小遣いの金額を決めさせるつもり?私が決めるなら、完全にゼロにするわよ。彼女は黛家の人間じゃないし、うちが養ってあげたんだから、あの子には恩をかなり売ってやってるはずよ。彼女がうちにお礼をするべき立場じゃないの?それとは逆にうちからお金を吸い尽くそうとするなんて本当にどうかしてる。彼女への小遣い制度は廃止して、自分で稼いだお金を使わせましょ。毎月いくらでもいいからそのお金をうちに入れてもらって、黛家が育ててやった恩返しをしてもらわないと」和子は言った。「……凪、そんなことをすれば、あの子は暴れ出すわ」「それが怖いなら、私にあいつの小遣い額を決めていいなんて嘘をつかないでよ」和子はまた言葉を失った。「凪、あなたは今日はお母
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第2528話

携帯を置くと、和子は意外にも、にやりと満足そうに笑った。「素晴らしいわ、残酷な一面をちゃんと持っている」彼女は実の娘は後継者として合格だと安心した。凪が薄情さと残酷さを持ち合わせていることに、黛一族を凪に任せても、和子は安心できると思った。和子の姉の後代である詩乃は唯月を推しているが、彼女が凪と比較できるだろうか。唯月はシングルマザーで弁当屋とレストランを経営しているから、普段とても忙しい。その中で柏浜まで来て凪と後継者争いをするような時間など取れるはずもない。そう考えると、和子はだんだん緊張していた心が解けていった。もちろん、彼女はやはり邪魔者を根こそぎ消し去ってしまいたかった。和子の姉とその娘、そして孫娘たちが全員死んでしまえば、黛家の当主の座は永遠に和子の血が繋がる後代に受け継がれるからだ。そうするのはかなり難しいが、ゆっくりと事を進めれば、いつかは必ず彼女たちを全て消してしまうことができるだろう。一方凪は母親との通話を終わらせると、携帯をデスクの上に置いた。彼女は黒い椅子に寄りかかり、椅子をくるりと回した。ピコン……凪の携帯の通知音がなり、新しいメッセージが届いた。再び携帯を手に取り、そのメッセージを開いてみると、彼女の付き人である秀一からの連絡だった。秀一は彼女に、畑中が星城へ行ったが、すでに夜のうちに飛行機で柏浜に帰ってきたと報告した。それから和子が明日か明後日に戻ってくることも伝えた。和子は星城では思うように行動できなかった。詩乃に会うことはできたものの、歓迎されずに終わってしまった。凪は秀一からの情報を得た後、暫くの間黙っていて、ただ【わかったわ】とだけ返した。秀一はすぐに返事をしてきた。【お嬢様、何かございましたか?】【若葉が母親に訴えて、責められたばかりだから、イライラしてるの】秀一は再び彼女に尋ねた。【では今からお迎えに行って、気晴らしにドライブにでも行きましょうか?】凪は迷わず彼の誘いを受けることにした。凪が黛家に戻ってから、まだたったの二年だから、腹心もそう多くはない。その中で一番信頼しているのは秀一だ。秀一は凪よりも何歳か年上で、二人は上司と部下の関係でもあり、友人でもある。毎回凪が母親から叱られた後、秀一は彼女の傍で慰め、どうする
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第2529話

凪は秀一に返事をし、彼に言った。「アイスが食べたいから、来る途中にお店があったら買ってきてくれない?カップアイスがいいわ。カップならどれでもいいから」カップアイスは食べている時に移動しても落とすことがないから便利だ。だから凪はカップアイスが好きだった。いつもであれば、秀一はアイスは食べ過ぎないようにと凪に注意するのだが、今夜、彼女はご機嫌斜めだから、彼も拒否することなく、優しい声で承諾した。凪は彼から返事をもらった後、電話を切った。そして携帯をデスクの上に置いて、彼女は窓の前まで行った。黛グループのオフィスビルはもちろん白山グループのビルほど高くはない。しかし、周りの会社のビルと比べると何階分か高くなっている。凪のオフィスは最上階から一つ下の階に位置している。オフィスの窓際に立ち、外を眺めると周囲のビル群が目に映る。柏浜も大きな都市だ。夜、至る所に光が灯り、道は多くの車の流れで非常に賑わっている。他の人は仕事を終えて夜の街に繰り出しているというのに、凪はまだオフィスで残業していた。母親が不在の間は、凪が会社の最高責任者となるが、高い地位にあるというのに彼女は孤独だった。仕事をする時、社員たちは裏で彼女の邪魔をしたり陥れようとする。特に三人の実の兄たちは、凪のことを完全に見下げている。そして他の社員と結託して彼女の仕事には協力的な姿勢を見せない。凪は自分が弱いと見せかけるために、兄たちからいじめられるとその場で怒って泣きだし、泣いたまま走り去っていく。彼女はもう一人の副社長に頼んで兄たちを牽制してもらい、仕事が滞りなく進むようにしてもらっている。そうすることで兄たちにはいつも凪が虎の威を借る狐のように思わせている。兄たちは凪の思い通りにはさせようとせず、彼女も兄たちの思い通りにさせる気はない。兄たちは外で浮気して遊んでいて、不貞を働いている。凪は彼らの浮気を義姉たちに教えて、夫婦仲を壊し、喧嘩になるよう差し向けた。そのせいで家庭内が不安定になっているから、兄たちは仕事のほうに集中することができなくなっている。その隙に凪は兄たちの失態の証拠を掴んでいるのだ。母親が帰ってきたら、彼らのことを報告するつもりだ。長男にはある程度の能力があり、会社の中では和子から重宝されている。会社には三人の副社長がいて、
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第2530話

凪は秘書に仕事を終えて帰るように指示を出していた。凪は残業して、自分の会社の処理をする必要があったので、黛グループで働く秘書には彼女の手伝いはできない。オフィスを出ると、社内はとても静かだった。社内にはある部署の社員で残業している人もいた。ただ、凪のオフィスがあるフロアにはもう誰も残っていない。彼女はオフィスを出ると、仕切られた仕事フロアを通り抜けて、エレベーターのほうへ向かった。そしてエレベーターの前までやって来ると、ある男が花束を手にエレベーターの近くの壁に寄りかかっていた。凪の姿を見ると、彼は微笑みかけてきた。この男とは一度会ったことがある。以前、父親がお見合い相手として紹介してきた成金二世の長谷川彰だ。父親が彼を紹介してきた時、彼女は秀一に彰について調べさせていたので、彼のことは完全に把握している。このようにただ親のすねをかじり、贅沢三昧して遊んでいる成金二世を実の父親が凪に紹介したのだ。和子も一緒にいて、この男はダメだと言い、父親には凪と彰のお見合いを白紙にさせたというのに。それなのに、実の娘である凪を娘として見ようとしない父親はどうしても彼女と彰をもう一度会わせようとしたのだ。「凪さん」彰は姿勢を正して花束を抱えたまま凪のほうへとやって来た。笑顔で花束を彼女に差し出すと、こう言った。「仕事、終わりました?凪さんがまだ会社で残業しているって知って、わざわざ花束を買って迎えに来たんです。ちょっと食事にでも行きません?」凪は片手で彼が差し出した花束を押しのけ、凍り付くような表情で冷ややかに拒否した。「お誘いいただき、ありがとうございます。ですが、もう別の人と約束しているので」そう言いながら、彼女は彰の横を通り過ぎた。「凪さん」彰は凪の手を掴もうと手を伸ばしてきたが、それを彼女に避けられた。彼は急いで凪の前に駆けてきて、両手を広げて凪の行く手を阻んだ。そして凪を頭からの足の先までじろじろとなめ回すように見つめた。凪の父親は彰にとても満足していて、彼が凪を落とすのを期待している。そうすれば、彼は黛家に逆玉の輿に乗れるというものだ。黛家の女性はよそに嫁に行ったりせず、婿養子を迎える。黛家に婿入りする男はみんなそれを恥だと感じている。しかし、彼らのような自分に何の能力も持たなく、普通
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