「そうしておけば、いつだって好きな時に俺に投げつけられるでしょ。流血沙汰になってもいいですよ。もし俺が入院でもしようものなら、玲さんにはきっちり責任とってもらいますからね」玲は言った。「……まったく野蛮で恥知らずな人ですよね!」奏汰はへらへら笑った。「え?『そこまで愛が深いんですか』って言われるものだと思っていました」「それは『そこまで恥がないんですか』の間違いでしょう」奏汰は笑った。「もう少し離れてください。そうやって目の前に座られていると、仕事の邪魔なので」玲は奏汰に向かい側に座るなと言い、どこかへ行けと言った。この男はペチャクチャと女のようにうるさい。どんな話題でも見つけてひっきりなしに話をふってくる。たとえ静かに座っていたとしても、気になって仕事に集中できやしない。それに、奏汰はいつもまるで大切な宝物を見るかのような眼差しで、じっと見つめてくる。「じゃ、黙っているので、仕事の邪魔はしませんよ」「そうやってじいっと見られていると気が散るんです」奏汰は得意げになって笑って尋ねた。「玲さん、つまり俺のことをすごく好きってことじゃないですか。でも、俺みたいにツラの皮は分厚くないから、恥ずかしくて認められないのでは?ほら、こうやって対面に座って黙ってても、気が散ってそわそわするってことですよね。仕事の邪魔になるってことは、ずっと俺が何をしているか気になって、注意を向けてしまうってことです」玲は彼を睨みつけて、警告するように言った。「さっさとどこかへ行かないと、警備員に電話してつまみださせますよ。今後、二度と白山グループには一歩でも足を踏み入れられないようにしますからね!」「玲さん、その罰はちょっと厳しすぎるんじゃないですかね。はいはい、わかりましたよ。ちょっと離れますから。玲さんは早く書類を処理してください。俺は邪魔しません。碧君のところに行ってちょっとからかってきます。二十分経ったら玲さんを迎えに来ますね」そう言いながら、奏汰は立ち上がって、椅子を引き、オフィスを出ていこうとした。しかしすぐにまた折り返してきて、デスクをぐるりと回り、玲の前までやって来ると、構わず玲の唇を甘噛みした。玲が蹴りを入れようとした時には奏汰はすでに満足そうに去っていた。頭にきた玲はナイフのように鋭い目つきで、奏
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