All Chapters of (改訂版)夜勤族の妄想物語: Chapter 851 - Chapter 860

872 Chapters

7. 「異世界ほのぼの日記3」349

-349 そろそろ目的を言わんか- 不意に思い出した過去が過去だったが故に兄から放たれた「朗報」という言葉をより一層信用出来なくなっていた弟、頼むからあんた達だけは順調に話を進ませてくれよ。イャンダ「まぁ遠い昔の事を責めても事実が変わる事は無いからもう水に流してやるよ、それで今日はどうしたってんだ?」 あらま、弟は大人になったみたいだな。俺も見習わなきゃ。ベルディ(電話)「そうそう、忘れてたよ。お前に「朗報」を持って来たんだ。」イャンダ「本当にその言葉を信じても良いんだよな。」 改めて兄の事を疑い始める弟、このままだと何時まで経ってもベルディの目的が果たされることが無い上に話が全くもって進まない。ベルディ(電話)「そう怪訝になるなって、お前がずっと待っていた情報を持って来たというのに。」 どの様な内容なのかは大体想像出来てしまっているが、ここまで引っ張られると流石に話の流れを楽しんでみるのも一興なのかもしれない。イャンダ「別に怪訝になっているつもりは無いけど、夜に向けての仕込みもあるからいつまでもこのまま兄貴と電話をしている訳にもいかないんだよ。」ベルディ(電話)「おいおい、そんなに冷たい奴だったか?兄ちゃんは悲しいぞ。」イャンダ「なぁ・・・、兄貴ってそんなキャラじゃなかったよな?確かに随分と長い間会っていなかったがその間に何があったってんだよ、俺の知ってるお前は何処に行ったんだ。」イャンダ「別に俺は昔から変わらないよ、それで何なんだよ。」 そうだぞ、いつまで話を引っ張るつもりだってんだよ。喧嘩までは行っていないみたいだが・・・、俺はいつまでも兄弟同士の言い争いに付き合うつもりは無いんだぞ?イャンダ「あぁ・・・、分かってるよ!!今までずっと無視してたのを良い事に横から茶々入れて来やがって・・・、ちゃんと兄貴の話を聞くから黙ってろって!!」 おいコラ・・・、結愛にも言ったがこの俺に偉そうにしても良いと思ってんのか?イャンダ「何だよ、姿形も見えないお前に何が出来るってんだよ!!」 言ったなこの野郎・・・、そう言うならやってやるよ・・・。覚悟しやがれ、『雷(ライトニング)』・・・。イャンダ「待て!!分かった、話し合おう!!謝るよ!!ここには見ての通り俺の全財産では決して買えない貴重な調理機器が沢山並んでいるんだ、頼むから許してくれ!!
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7. 「異世界ほのぼの日記3」350

-350 功を奏す- 2人が付き合うきっかけとなったのは数日前の夜だった、イャンダは「王様(エラノダ)に呼ばれたから」という理由で海斗が呼び出されたあの日から数回程ピューアと共に働いていた。ピューア(当時)「ごめんねイャン、朝から働き続けているのに無理言っちゃって。」 この日の朝、夜勤を終えたナイトマネージャーが家へと帰る数分前から出勤していた店長の事をピューアは心配していた。イャンダ(当時)「別に構わないよ、店長をしている身として偶にはこうやって深夜の時間帯に顔を出さないといけないって思っていたんだ。」 本人は自分の事を気遣うピューアの事を考慮して「偶には」と言っていたが、ここの所週に何度も夜勤に入っている印象が強い。イャンダ(当時)「それにしてもさ、海斗の奴はどうしたってんだよ。」ピューア(当時)「確か・・・、電話では「熱が出た」って言ってた様な気がするけど。」イャンダ(当時)「アイツめ・・・、月に何回熱を出せば気が済むんだよ。」 イャンダの寒いジョークと共に時間が経つにつれて客足も退いて行き、空いているカウンターやテーブルが目立って来たので客席側に数個だけを残してある程度のウォーターピッチャーを回収して来たピューア。やはり好美の考えた営業形態が功を奏している様で辺りを見廻すとラーメンというよりは1人呑みを目的としたお客が目立っている様な気がした、ただ〆にラーメンを食べる客も少なくもないのでピッチャーを全回収してなくて良かったと胸を撫で下ろすばかりであった。イャンダ(当時)「それにしてもさ、今日俺が来てなかったらどうなっていたんだろうな。」ピューア(当時)「いつもの事よ、客足なんて大体いつもこんなんだから1人で回る時も少なくないの。まぁ・・・、後で海斗にお仕置きをする事は変わらないんだけどね。」 時計はAM2:00を示していた。ナイトマネージャーが先程の店長の物に比べたら大分マシなジョークをかました気がする中、カウンター席に座るお客が1人2人いるかいないかといった状態になっていたのでイャンダは汚れを浮かす為のお湯をシンクに溜めていた洗い場へと向かった。ピューア(当時)「あ、ごめんね。私がやるから置いといて。」イャンダ(当時)「こんなの気にしないでよ、元々厨房にいたのに洗い忘れていた俺が悪いんだよ。ピューちゃんは客席の方をお願い出来る
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7. 「異世界ほのぼの日記3」351

-351 放っておけない- ピューアがイャンダに思いを寄せていた事は「暴徒の鱗 ビル下店」の従業員間や中心街界隈等でもう既に有名となっていた話だったが、その上級人魚(ピューア)の想いにやっと気付いた元竜将軍(イャンダ)に対してその場にいた全員が「今更かよ!!」とツッコミを入れたくなる位だった事は正直言って予想通りだなとため息が出てしまう程だった。 ひょんなきっかけでイャンダがピューアに告白した夜が終わってから数日経った後、遂に2人が改築を終えた新店へと異動する日がやって来た。デルア「ピューちゃん、この前も言った通りなんだがイャンはかなり鈍感だから新しい場所での生活や新店での仕事にちゃんと対応出来るか正直心配なんだよ。こいつの事を任せても良いかい?」 「ビル下店」の調理場奥にある小さな部屋で旧店長の右肩に手を添えながらピューアに優しく声をかける新店長、ただこの事に関しては旧店長も黙っていない。イャンダ「別に初めて行く訳じゃ無いんだぞ、新しい設備にも一通り目を通しているから心配すんなって。」デルア「そんな事言って・・・、まさかと思うが自分が極度の機械音痴でここのレジを使いこなすまでにどれくらいかかったか忘れたってのか?好美ちゃんが店長を替わろうか悩んでいた位なんだぜ。」ピューア「そうなの?初めて聞いた。」 折角の機会だと思ったデルアはイャンダと出逢ったばかりの頃の事を語った、「ビル下店」新店長によるとイャンダはバルファイ王城の調理場で気分を変えようと小さなラジカセを取り出して音楽を流そうとしていたそうなのだが10分程経過しても全くもって音が流れなかったという。心配になったデルアがイャンダの懐をよく見ると、カセットテープとラジオしか使えない機械でCDやMDを流そうとしていたので流石に止めたそうだ。デルア「本当に申し訳ないけど、あれはガチで笑ったわ。差込口が見つからなくてカセットテープの所に無理矢理MDを入れようとしていたんだもんな。」イャンダ「止めろよ、今でも忘れる事の無い汚点なんだから。」 デルアの語った思い出話に顔を赤らめるイャンダ、よっぽど恥ずかしい経験だったんだろうなと推測される。 元竜将軍(ドラグーン)達が思い出話に花を咲かせる中、俺はここ数日間におけるイャンダの行動を思い返していたが新店に設置された新しい設備に目を通している様な場面は
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7. 「異世界ほのぼの日記3」352

-352 兄弟の秘密- 悪戯好きな女将(ネイア)の意地悪な質問に思わず恥ずかしさを感じながら真摯に答えたイャンダ、ただ兄によって発覚した思いも寄らない真実に先程以上に顔が赤くなってしまった様だ。それもそのはず、まだ付き合い始めて間もない恋人と部屋を共有するなんて想像もしなかったからである。そう、2人の「同棲生活」が突如始まろうとしていたのだ。 予約の客が旅館にやって来たという連絡を受けてその場を離れたネイアを見送ったイャンダはベルディから先程聞いた事を信じる事が出来なかったので一先ず兄を問い詰める事に、「自分達にはまだ同棲生活は早い」という自分の意見をハッキリと言った後なのでその言葉からも気持ちが何となく伝わって来た。イャンダ「ちょっと待てよ兄貴、1部屋しか空いていない訳が無いだろう。」 確かに長い間留守にはしていたが、この旅館はイャンダの実家だ。微かな記憶ではあったが自分の部屋が残っているはずだという確信を持っていた様で今空いている部屋にピューアが入れば全くもって問題はない・・・、はずだった。イャンダ「兄貴、俺は今まで通り2階の奥を使うよ。俺の物もそのままのはずだから空き部屋はピューちゃんにやってくれないかな。」ベルディ「ああ・・・、それがさ・・・。」 頬をかきながら弟と目線を合わせない様にする兄、ただ事ではない事情でもあるのだろうか(個人的に大した事では無い事を願うばかりだが)。イャンダ「兄貴、俺のベッドやオーディオもそのままなんじゃないのか?魔学校に通っていた頃から小遣いを貯めて買い集めた物ばかりなんだが。」ベルディ「えっと・・・、その事を聞いてもっと言い辛くなったんだがこうやってお前が帰って来るとは思わなかったから全部片づけちゃったんだよ。」イャンダ「「片付けた」だって?!俺の部屋にあった物が全部入る様な物置なんてうちにあったか?!」ベルディ「まぁ落ち着けや、一先ずピューアちゃんは2階の空き部屋に入って貰おうかな。」 ニクシーに空き部屋の場所を教えた後に何故か辺りを見廻して様子を伺うベルディ、誰にも言えない秘密でも話す前触れの様にも思える。イャンダ「何だよ・・・、ちゃんと言えよ。」 イャンダが事実を知りたがる気持ちも分からなくもない、ただベルディにもそれなりの事情がある可能性も否定はできない。ベルディ「声がでけぇよ、ネイアやピ
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7. 「異世界ほのぼの日記3」353

-353 兄弟の秘密②- 浴室へと続く出入口から入り込んで来る微かな光のみで照らされた薄暗い階段を降りた兄弟の目の前に2人の身長とほぼ同じ高さの扉が現れた、個人的にこう言った「隠し部屋」に入る時は出入口を閉めると思うので階段側にも小さな電灯を取り付けるべきでは無いだろうかと意見したいが今は兄弟水入らずをゆったりと楽しんで欲しいという気持ちも無くは無かったので心の中に閉じ込めておく事にしようか。イャンダ「ちょっと聞きたいんだけど、思ったより階段が長かった様な気がするんだがこれって物運ぶの大変じゃねぇの?」ベルディ「大丈夫だよ、実はお前がお世話になっていた好美ちゃんに「これを持っていると便利ですよ」って『アイテムボックス』を『付与』してもらったんだよ。お陰で持ち運びが楽でね、あの子には感謝しなきゃな。」 「好美」という名前と「感謝」という言葉を聞いたイャンダは背筋が凍る様な気分になっていた、理由はただ1つだ。イャンダ「兄貴、悪い事は言わないからその言葉は心の中に留めておけ。」 しかしイャンダの忠告は「時すでに遅し」となっていた、「噂をすれば影」という奴だ。好美(念話)「イャンダ、何で私に感謝する事を口にするのは駄目な訳?」イャンダ(念話)「こ・・・、好美ちゃん・・・。俺そんな事言ったかな・・・?」 何も無かったかのように惚けるイャンダだが、実家に出来た新店に異動して不安になっていないかと心配してこっそりと『探知』していた好美には全て筒抜けだった様だ。イャンダ(念話)「好美ちゃん、因みに何処から聞いていたんだよ。」好美(念話)「えっとね・・・、「ちょっと待てよ兄貴、1部屋しか空いていない訳が無いだろう」って所からかな。」イャンダ(念話)「結構前からじゃねぇかよ、じゃあ俺の部屋の事も?」好美(念話)「全部分かってるよ、それよりピューアに対して隠し事をしても良いと思っている訳?」 好美の言い分には一理ある様な気がする、よく考えてみればイャンダより好美の方がピューアとの付き合いが長いのでそれが故の確実な説得力を感じるのは傍らで聞いているだけの俺だけでは無いだろう。イャンダ(念話)「好美ちゃん・・・、久々に再会した兄弟だけで子供の頃に戻ってゆっくりと過ごしたい時だってあるんだよ。」ベルディ(念話)「そうだよ、確かに仲違いをしていたのは本当だけど小
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7. 「異世界ほのぼの日記3」354

-354 兄弟の秘密③- 頑なに押入れの引き戸を開ける事を拒否し続ける兄(ベルディ)にイラつきだした弟(イャンダ)、それほど弟に見られたくない物が入っているのだろうか。ただ「見ちゃ駄目だぞ」と言われると逆に見たくなってしまうのが人間という物、正直傍らで見ているだけの俺も「早くしやがれ」とクレームを入れたくなってしまいそうになっている。イャンダ「兄貴、「別に何も」って言うなら開けても平気だろ?それとも俺に見られたくない物でも入っているのか?」ベルディ「あのな・・・、誰にでも知られたくない秘密って物があるだろうが。こう言った事はな、そっとしておくのが1番なんだぞ?世の中に「知らぬが仏」や「触らぬ神に祟りなし」って言葉がある位なんだから「見なかった、ここには何も無い」って事にしておいてくれよ。」 いやお兄さん、その態度だとやはり「何か秘密を隠している」のが明らかだぞ?兄弟同士、正直になるのが1番だと思うけどな。イャンダ「ほら、作者(このアホ)だって言っているだろう?諦めて開けろよ。」 おいイャンダ、今のは聞き捨てならんぞ!!「アホ」とは何だ「アホ」とは!!イャンダ「チィッ・・・、いちいち細かい事で突っかかって来るんじゃねぇよ。そんなんだからいつまで経っても彼女が出来ねぇんだぞ。それより兄貴、そろそろ観念して押入れを開けろっての。」ベルディ「そこまで言われると俺にだって意地って物があるから開けたくないもんね、絶対開けて堪るか!!」 あらら・・・、このままだと埒が明かないな。イャンダ、俺が許すからやっちまえ。イャンダ「あのな・・・、お前何様なんだよ。」 え?この世界を創った創造主(作者)様だが?イャンダ「別に良いか・・・、と言うかお前に言われなくてもやってやろうと思ってたんだよ。」 痺れを切らしたイャンダはベルディを押しのけると無理矢理押入れを開けて中にある物を引っ張り出した、押入れの下段には古びたダンボールが1箱。よく見ると「イャンダ」と書かれていた、イャンダ自身の私物だというのだろうか。不審に思いながら弟はその箱をゆっくりと開けて中身を覗くと唖然となっていた、そして何故か顔を赤くしてその場にしゃがみ込んでしまった。イャンダ「兄貴・・・!!何でまだ持ってんだよ・・・、これは昔「汚点だからもう捨てる」って言っただろ?」 「汚点」だって?元竜将軍
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7. 「異世界ほのぼの日記3」355

-355 危機迫る- 懐かしい思い出に浸り顔をニヤつかせる兄により強めのため息をついた弟は『アイテムボックス』から引っ越し用に使っていたガムテープを取り出して引っ張り出したダンボール箱を封する用に使用した、そして辺りを見廻して新聞の折り込みチラシを数枚程見かけたのでその内の1枚に大きく「封印」と書くと勢いよくその箱に貼り付けた。イャンダ「これでよし・・・、と・・・。」 一安心するイャンダの隣で落ち込んだ表情をするベルディ、大切に保管していた物を一瞬にしてゴミに変えられてしまった事がよっぽどショックだったと見受けられる。ベルディ「折角取っておいたのに・・・、そうやって捨てる前に1度着てみれば良かったんじゃ無いのか?」イャンダ「あのな・・・、兄貴は俺の「汚点」を増やすつもりなのか?!勘弁してくれよ!!」 誰にだって忘れたくても脳内にへばりついてなかなか離れない記憶はあるものだ、イャンダにとって魔学校時代の学祭がそれだった様で・・・。イャンダ「一先ずこれは明日が「燃えるゴミの日」だから朝一番に出すからな、全く・・・。」 捨てるのを忘れない様にする為、封じたダンボールを抱えて先程降りて来た階段を昇るイャンダ。入り口となっている隠し扉の横にダンボール箱を置いた後、階段を再び降りて行った。ただ、重要な事を忘れている事を知らずに。 封印したダンボール箱を隠し扉の前に置いて階段を降りたイャンダが一安心した表情を見せた一方で、新たな部屋に持って来た荷物の大半を降ろしたピューアをネイアが気遣っていた。ネイア「ピューちゃん、ここ2階だから荷物運ぶの大変だったでしょ。」ピューア「大丈夫ですよ、好美の店で荷物運びをしていた事が多々あるので慣れているんです。」 店で使用する為に仕入れた食材の搬入をちょこちょこ手伝っていたピューアにとって引っ越し作業など朝飯前だった様だ、俺が思ったよりは腕力が備わっているらしい。ネイア「でも結構汗をかいただろう、バルファイ王国は他の国よりも気温が高いからね。」 国の大半を砂漠とビル街が占めているからか、やはり日中の気温が高いのも事実。これは店で提供するメニューを色々と思案しなおす必要があるのかも知れない、まぁ今は引越しの方に集中すべきなんだろうけど。ピューア「そうですね・・・、ちょっと喉が渇いて来たので水分を頂いても宜しいですか?
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7. 「異世界ほのぼの日記3」356

-356 嬉しい気遣い、余計な気遣い- 急須の中で開いた茶葉により台所全体にお茶の優しい香りが広がる中、女将・ネイア(エルフ)は弟の連れて来た恋人・ピューア(ニクシー)による自分への心遣いが嬉しかった様だ。ネイア「お花畑ならここ出て左にあるはずだよ、今はラベンダーが綺麗に咲いていたはずさ。因みに廊下はぐるりと回れるから別の方向に行ってもここに戻って来れるからね。」 互いに種族は違えどそこは女性同士、「気遣い」には「気遣い」で答えるのもまた一興なのかも知れない。因みにお手洗いにはラベンダーの香りがする芳香剤を置いているのでそれを目印にしてくれればという気持ちが込められているとの事。 そんな中、イャンダが自らの「汚点」の原因と言える品の入ったダンボール箱を隠し扉の前へと置いて再び階段を降りていくと部屋の中でベルディがあからさまに落ち込んでいた。イャンダ「兄貴、勘弁してくれよ。今でも思い出すだけで熱が出そうな気分なのに。」 弟の言い分も分からなくもない、本人は着たくて着た訳では無くて言ってしまえば「被害者」に当たるのだ。ただよく見れば気になる点が1つ、気の所為だと良いのだが・・・。イャンダ「おい兄貴、手に持っているそれは何だ。」 兄弟だけが知る「秘密部屋」で小刻みに体を震わせる兄が両手で大切そうに握りしめている物を見て弟は頭を抱えていた、ベルディの両手には『アイテムボックス』から取り出したと思われるデジタルカメラが。ベルディ「イャン、捨てる前にもう1度着てみる気は本当に無いのか?」 涙ながらに訴えて来る兄、その表情からこの質問は冗談交じりでは無い事が伺える。イャンダ「あのな・・・、こんなおっさんのゴスロリ姿なんて誰が見たいと思うんだよ!!想像するだけで吐き気がするくらいに気持ちが悪いわ!!」ベルディ「いやいや、世界は決して狭くは無いから分からんぞ?もしかしたらこう言った趣味を持っているお客さんだって来るかもしれないじゃないか、今が「多様化の時代」であるという事を分かっているかね。」 あの・・・、話の腰を折る様で悪いんだけど高速道路で3国全てが結ばれている状態なんだから十分狭いと思うんだけどな。それに今の今まで女装趣味を持ったお客さんがこの旅館に宿泊した事があったのかい?ベルディ「確かに見た事は無いけどこれからは十分あり得るかも知れないだろ?」
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7. 「異世界ほのぼの日記3」357

-357 明かされる(カミングアウト)- 静まり返った「秘密部屋」でピューアが箱を開けた音に気付いたイャンダは急いで階段を駆け上がった、しかし生地の擦れる音とニクシーの鼻歌を聞いて「ある2つの重要事項」を思い出して出入口の数段手前で立ち止まった。イャンダ(小声)「おっと・・・、やべぇ・・・。」 まずは「この出入口を出た場所が浴室の脱衣所だという事」だ、付き合いだして間もなく手もつないだ事が無い自分がピューアの着替え(下手すれば裸の姿)を見て良い訳が無い。しかし女性と言えど相手は上級人魚であるニクシー、水着姿(若しくは裸の姿)なんて見られ慣れているのではと一瞬考えてしまったが・・・。イャンダ(小声)「んな訳ねぇだろ、人間として駄目だよ!!」 もう1つは「兄弟だけが知る秘密部屋の存在がバレてしまう事」である、嫌らしい物を隠しているなどと言ったやましい理由などないから一瞬「大丈夫か?」と自問自答したがよく考えれば恋人や義理の姉からの信頼を失う上に覗きの疑いをかけられてしまう。 未だに今いる出入口から数段降りた場所から動けないでいるイャンダが息を潜めていると脱衣所から別の女性の声がして来た、義理の姉であるエルフ・ネイアだ。ネイア「あらピューちゃん、似合うじゃない。それどうしたの?」 完全に女将の持ち物と思っていたニクシー。ピューア「え?!これって女将さんの服じゃ無かったんですか?!」ネイア「私が?そう言った服は持っていないどころか着た事も無いよ。」 ピューアが女将の返答に焦りの表情を見せる中で女将の「似合っている」という言葉を聞いて恋人がしっかりと服を着ている事を信じたイャンダは恐る恐る脱衣所を覗き込んでみた、本人が捨てようとした服を着たニクシーは想像以上に似合っていた様でイャンダは胸を撫で下ろした。イャンダ(小声)「ああ・・・、良かった・・・。」 そんなに不安になっていたなら覗き込まなきゃ良かったのにと傍らから見ているだけの俺が思う中、ネイアはゴスロリ衣装を着たままのピューアを連れて台所へと帰って行った。ネイア「折角のお茶が冷めちゃったかもね、温め直さなきゃ。」ピューア「すみません、私が遅くなった所為で。」ネイア「良いのよ、可愛い服を見かけたらつい着てみたくなっちゃう気持ちは私にも分かるもの。」 何の問題も無く女性達がその場から遠ざかっ
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7. 「異世界ほのぼの日記3」358

-358 汚点とイメージ- その場にいない本人そっちのけで台所が「汚点」により盛り上がる中で「秘密部屋」にてイャンダは1人黙々と作業を進めていた、と言うかあんたってどんだけ汚点があるんだよ。イャンダ「好きで増やした訳じゃねぇんだ、掘り返さないでくれよ。誰にだって苦手な物事位あるだろうが。」 確かにあんたの言い分は分かるよ?じゃあ何で学祭の時にゴスロリ衣装を断らなかったんだ・・・、って待てよ・・・?イャンダ「何だよ、思い当たる節でもあるってのか?」 何となく覚えていただけだったから記憶があやふやだったんだが、そう言えばあんたって「SM好き」じゃ無かったか?まさかと思うがその頃から目覚めてたとか?イャンダ「違ぇわ、あの時はあんまり女子と話す事が無かったから上手く断れなかったんだよ。あんただって分かるだろ、女子を相手にしていると急に上手く話せなくなっちまう気持ちがよ。」 まぁな・・・、よく考えてみたら学生の時って女子にちょっとだけ話しかけられただけで心臓がおかしくなっちまう事なんてよくあったな。でもよ、俺の場合だがイャンダみたく学祭を境に人気者になった訳じゃ無かったから羨ましくて仕方がねぇわ。イャンダ「馬鹿言え、偶々だよ。あれから何カ月「ゴスロリ」ってあだ名で呼ばれたか、本当にあれは俺にとって最大の汚点だったよ。」 分かった分かった、本当に可哀想になって来たからこれ以上はいじらない事にしておくわ(俺はね)。 それで、突然声をかけた俺が聞いても良いか分からないが荷物は片付いたのか?イャンダ「粗方片付いた様な気がするな、続きはちょっと一服してからにしようかな。」 温かいお茶で一服しようと台所へと向かうイャンダ、このままでは本人がこの家(居住部分)でも笑いものとして扱われてしまう(まぁ俺の知った事ではないのだが)。イャンダ「そう言えば・・・、ピューちゃんは進んでいるかな・・・。」 イャンダは恋人の様子を伺った後、ついでに何か手伝える事があるかどうか尋ねようとピューアの新たな部屋へと向かった。その時も恋人(ニクシー)は台所でイャンダの「思い出(汚点)」の写真を見て爆笑していたので勿論部屋には誰もいなかった、一先ず個人的に騒ぎが起こるのは正直勘弁してほしいのでそっとしておこうか。イャンダ「いねぇな・・・、まぁどうせ後で会うだろうから良いか。」 そう
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