Semua Bab もしもあの日に戻れたのなら: Bab 101 - Bab 110

176 Bab

冒険者ギルド④

魔導具を物色していると時間が溶けていく。あれもこれも欲しくなるしどういった効果があるのか気になってくる。また一つよさげな物を見つけ僕は手に取った。腰に巻き付けるチェーンのようで、少し柄が悪くなるかなと思いつつ自分の腰に当ててみる。……かっこいいじゃないか。男はいくつになっても中二心は忘れない生き物だ。僕も例に漏れずチェーンとか好きである。「……ダサい」「えっ?」アカリは一言だけ伝えるとまた口を閉ざした。え、これダサいかな……。腰にチェーンとか普通にありかなと思ったんだけど。「お、カナタ似合ってるよ。いいじゃないかそれ」アレンさんは分かってくれたらしく、僕を見て嬉しそうに笑顔を浮かべてくれた。やはり男は分かるもんなんだ。このチェーンの良さが。「ダサい」「そんな事はないよアカリ。ほら、見てみなよこの重厚感。ずっしりとくる重みがまたかっこよさを際立たせているじゃないか」「邪魔なだけ」「銀色に輝いているのもよくないかい?」「反射して敵に場所がバレる」「長いのも魅力――」「走ってると絶対足に絡まる」ダメだ、僕とアレンさんが何を言ってもアカリには刺さらなかったらしい。仕方ない、別の魔導具を探すかと僕はチェーンを棚に戻した。と、思ったらすぐ傍にまたかっこいい魔導具を見つけた。銀色の指輪だ。それも普通の指輪じゃない。指全体を覆うようなフィンガーアームのような形をしている。僕が手に取ろうとすると、その手はアカリによって弾かれた。「それもダサい」僕は肩をがっくり落とし、また別の魔導具を物色する。結局、短剣型が一番使いやすいとの事で、僕が選んだのはガードリングと炎の短剣だった。お会計はいくらくらいになるんだろうかと、支払いの時に耳を澄ませていると金貨という単語
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-03-31
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図書館にて①

帝都大図書館は帝国内でも最大級の大きさらしく見上げるほどの高さがあった。日本でも国立図書館はあるがそれを遥かに凌駕する建物の大きさだ。さぞかし蔵書の数は多いのだろうと僕は胸を弾ませた。 中に入るとこれまた巨大な棚に本がギッシリと詰められていて何処を見ればいいのか悩んでしまう程だった。 「さてと、この中から目的の本を見つけるのは至難の業だ。というわけで司書の所に行こうか」図書館には司書がおり、特殊な魔法を習得しているらしい。なんでも求める本が何処にあるか分かるという司書としての職業でなければ役に立たない魔法だそうだ。 「ああ、君。ここに神域に関する事が書かれた本はあるかな?」「はい、少々お待ち下さい」司書は頭の上に魔法陣を浮かべると目を瞑る。しばらく待つと司書の目が開き手元の紙に本のタイトルと場所を記してくれた。 「こちら神域について書かれた本は全部で三冊となります」これだけ膨大な数の本があったたったの三冊。それだけに神域は謎に包まれているという事だ。 紙に記された場所で本を取るとその場で数ページ捲る。悲しい事に僕は文字が読めない。代わりにアレンさんに読んでもらうと、少し難しい表情になった。 「うーん……抽象的な事しか書かれていないね。他の二冊も探してみよう」どうやら満足いく内容ではなかったらしい。 目的の本を探すのもなかなか大変だ。何処を見渡しても本の壁。場所は紙に記載してくれているとはいえ、その場所にも何冊もの本が並べられている。  やがて見つけた二冊目もやはりアレンさん曰くあまり必要としない情報しか載っていなかったらしい。 
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-03-31
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図書館にて②

「さっきのは……」彼方達が図書館から去ると同時に一人の女性が興味深そうに彼らを見ていた。「殲滅王に神速……もう一人の男は見たことなかったけれど、"黄金の旅団"ね。こんな所になんの用だったのかしらね?」女性は読んでいた本を棚に仕舞うと司書の所まで向かう。「ねえ、司書さん。さっきの人達って何の本を探してたのかしら?」「先程と申しますと……アレンさんの事でしょうか?」「そうそう。アレン達が何探してたのかなって。もしあれだったら手伝おうと思って」「ええと……確か神域についてだったと思います」「神域……分かったわありがとう」それだけ聞くと女性はアレン達の後を追うように図書館を出て行った。「あれ?さっきの人ってもしかして……」司書は先程話し掛けてきた人物を知っていた。誰もが知っている女性。直接会話してしまったと司書は喜びに打ち震えていた。誰にも聞こえない声量で司書は彼女の名前を零す。「ソフィア第一皇女様……」 ――――――宿り木に戻った僕達はまずパーティーメンバーの選出から始まった。アレンさんとアカリ、そして僕ではあまりに貧弱すぎる。というのも僕が殆ど役に立たないからだ。戦闘要員として数えられない為、後二人は必要になるとの事だった。「さてと、誰を連れて行こうかな」クランマスターの部屋で僕らはメンバーを選ぶ。名前と能力が書かれた紙を手渡され僕も一応目を通す。フェリスさんは入れたほうがいいだろう。数日の旅になるなら多少気心しれた人を入れたほうが僕としても楽だ。「フェリスさんはどうですか?」「ああ、そうだね。彼女なら戦闘力も問題ないし……それにカナタもいるから入れた方が良いね」
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-04-01
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新たな出会い①

皇女様がなぜここに!?僕は驚きのあまり固まってしまった。そんな僕などお構いなしに皇女様はアレンさんの机に手を置くとニヤッと笑う。「ワタクシもそのパーティーに参加します」「いやいやいや!皇女様を連れまわしたら流石にオルランドに怒られるよ!」アレンさんがかなり気を遣っている。皇帝陛下にすらタメ口なのになぜ目の前の皇女様にはタジタジなのかが気になった。「この国に帰ってきて一度も挨拶しに来なかったのは誰だったかしら?」「そ、それについては申し訳ない……。ほら、ボクも帰って来たばかりだったしさ、そこにいるカナタの案内もかねて各所を回っていたんだよ」「カナタ?」アレンさんはあろう事か僕に振って来た。皇女様と会話なんて何話したらいいんだ。「えっと……カナタと申します」「あら?新顔ですわね。新しいクランメンバーかしら?」「そ、そんなところかと」「ふ~ん」皇女様はジッと僕を見つめる。やがて興味が薄れたのか目を逸らすとまたアレンさんの方へと向き直った。「それで?彼とワタクシに挨拶がなかったのとどんな関係があるのかしら?」「カナタはこの世界の人間じゃないんだよ」「今何と?」「だからこの世界の人間じゃないんだ。ボクらが無事この世界に帰って来れたのもカナタあってこそだよ」アレンさんがそう言うとまた皇女様は僕の方を見た。今度は上から下まで舐めまわすように見てくる。「ワタクシはソフィア・エリュシオン第一皇女、貴方の名は?」さっき言ったけどもっかい言えってことかな。「城ケ崎彼方と申します」「カナタですわね。別世界から来たというのは本当なの?」「はい。日本という国から来ました」「ニホン……聞いた事がないわね。どうしてこの世界に来たのかしら?」「僕のいた世界を元に戻すため、です」「いまいち意味が分からないわ。アレン、説明して
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-04-01
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新たな出会い②

パーティ―メンバーが決まると早速旅程の調整が始まった。クロウリーさんの住処となる山まで馬車で三日。そこから徒歩で山を登り頂上付近に建てられている住処までおよそ二日。計五日の旅になる。準備はしっかり行わないと後で痛い目を食らうのは自分達だ。  フェリスさんを交えての会議が始まると、真っ先に皇女殿下が手を挙げた。 「アレンがいるなら戦力は申し分ないでしょう。ただ、カナタがどれだけ戦えるのか知っておきたいのだけど」「あー、それなんだけどカナタは戦力に入れてはいないよ」「どうしてかしら?眼帯まで着けて歴戦の冒険者感が溢れているのに?」それを言われると恥ずかしい。僕は見た目だけは歴戦の冒険者かもしれないが実態は一般人と差異がない。赤眼のせいで魔法は中級魔法までしか使えないし、実戦経験も希薄だ。 「カナタは弱い」「あら、そんなハッキリと言ってしまうのアカリ」「だって本当の事だから」アカリが心に刺さる言葉を発言すると皇女殿下は僕に憐みの目を向けてきた。やめてくれ、凄く傷つくから。 「貴方……それほどまでに弱いのかしら」「まあ……はい、そうです、ね」「よくそれで今まで生きてこられたわね」日本では本来戦闘力なんて重視されないんだから仕方がないだろう。この世界では魔物が跋扈しているから理解できるけどそれを僕に当てはめるのは間違っている。  「じゃあ主な戦闘はワタクシ含めて四人ね」「いやいやいや、ソフィアも守られる対象だけど?」「なぜかしら?ワタクシが戦える事くらいアレンは知っているでしょ」「ソフィアは皇女、だから守られる対象」「アカリも知
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-04-02
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新たな出会い③

出発を明日に備えみんな自室でしっかりと睡眠を取る。皇女殿下も何故か宿り木に泊まっているそうだが、皇女なのにあまりに自由過ぎないだろうか。明日から皇女殿下に守られながら旅をすると思うとなかなか寝付けなかった。 皆が寝静まった頃、僕は喉が渇き一階へと降りた。一階にはラウンジがあり、ちょっとした軽食なら自分で作る事もできる。 置かれてあるパンを一つとりジャムを塗る。水を一杯汲むと席に着いた。 誰もいないラウンジだが、たまには一人でこうやってゆっくりするのも悪くない。  「ん……誰かいるのかしら?」ふと背後から声が掛かり振り向くと皇女殿下が寝巻き姿で立っていた。僕はすぐに立ち上がり頭を下げる。 「し、失礼しました。気付かなかったもので……」「いや気にしなくていいわ。ああ、カナタね。何してるのこんな時間に」「なかなか寝付けなくて……ちょっと小腹でも満たそうかなと」「あらそう。ならワタクシもご一緒しようかしら」皇女殿下と一緒のテーブルにつくなんて勘弁してくれ!ゆっくりしようと思っていたのに……。  皇女殿下は僕と同じようにバケットの中のパンを一つ掴むと水を汲み僕の目の前の席に座った。 「こうして顔を合わせて食事を摂るのは初めてね。カナタの事色々聞いてもいいかしら?」「え、ああはい。僕が答えられる事ならなんでも」「そう。じゃあ貴方のいた世界はどんな所だったの?」「日本っていう国だったんですけどこの世界とは違って魔法が存在しない国でして――」その後皇女殿下と話は弾み夜も深まっていった。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-04-03
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新たな出会い④

「それじゃあ行ってくるよ。留守番よろしくー」「団長もお気を付けて。カナタさんも怪我をしないように」「はい、いってきます!」 宿り木で留守番を任せられたレイさんと挨拶を交わすと僕らは馬車に乗り込んだ。  馬車に揺られる事およそ一時間。景色は街の風景から草原へと変わりとてものどかな道を走る。 「いやぁのどかな風景だねぇ」アレンさんは今にも寝そうな顔つきで窓の外を眺めている。かくいう僕も眠気が襲ってきていた。 「呑気な奴ね……カナタ、昨日色々聞かせて貰ったけど戦闘経験はゼロではないという事よね?」「そうですね。一応は経験しています」そもそも相手が悪かったからまともに戦えてなかっただけで、そこらに現れる雑魚の魔物なら多分問題なく対処できるはずだ。 「まあワタクシがいるから問題ないと思うけれど」大した自信だなソフィアさん。余程腕に自信があるのか、少し胸を張ってドヤ顔を見せてくれる。女性に守られるというのもちょっと恥ずかしいけどな……。 「私もいる」ソフィアさんの横にいるアカリも会話に参加してきた。女性二人に守ってもらう男ってどうなんだろうか……。 「アタシもいるわ!だから安心していいからねカナタ君!」フェリスさんまで参加してきた。姫プの男版かな? 「まあ、あの……自分で対処できる時は大丈夫です」「それは危険よ。ワタクシより前には出ないようにしなさい」「えっ」「だって弱いのでしょ?下手に前に出られた方が戦いにくいわ」言わんと
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-04-04
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新たな出会い⑤

引き金に指をかけると、そのまま引き絞る。バシュッと風切り音と共にレーザーが発射されると魔物の身体を貫き遥か後方まで伸びていった。しかし倒せたのは一体だけだ。まだ何体もこちらへと向かってきている。「次ッ!」今度は別の魔物に照準を合わせて引き金を引く。焦りからか外してしまい、更に射撃を行う。二発目で命中したが既にかなり距離を詰められてきていた。これ以上ライフルでの戦闘は効率が悪い。僕はすぐさま魔導具である短剣を抜くと魔物に向かって振った。すると、短剣の先から炎が生まれ魔物達を一気に殲滅する。あまりの火力に僕は棒立ちになってしまった。だがこれで全滅だ。やったぞ、と後ろを振り返るとソフィアさんが咄嗟に僕の前に出た。「油断は禁物よ。アイスエッジ!」ソフィアさんは魔物がいた方向に手を翳すと魔法名を唱える。氷の刃が煙の中に飛び込んでいくと、魔物と思わしき断末魔が聞こえた。どうやら一体倒しそこねていたらしく、ソフィアさんが飛び出さなければ僕は背後から攻撃を受けていた所だ。「すみません……」「やっぱりカナタはワタクシの後ろに隠れておくように。でないと危なっかしくて見てられませんわ」結局ソフィアさんのお眼鏡には叶わなかったようで、僕の後方待機が決まった。 その後も何度か魔物と遭遇したが、全てアカリとフェリスさんが始末していた。僕はアレンさん、ソフィアさんと共に馬車内で待機である。「カナタ、そのライフルとやらはどれだけ連続で攻撃が可能なの?」「僕も良く分かっていないんです。ただ連射は無理だという事くらいしか」「自分の武器の事も分かっていないのかしら?駄目よそんなの。自分の命を守る物なんだから」現在僕はソフィアさんからお叱りを受けていた。自分の持つ武器の事くらい知っておけという内容を既に三十分以上にわたって、コンコンと詰められている。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-04-05
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新たな出会い⑥

「ここが……クロウリーさんが住まれている山、ですか」山の麓へと到着した僕らは馬車を降りると、高くそびえる山頂を見上げた。変わり者とアレンさんからは聞いているけど、わざわざこんな山の中に籠もらなくても。「ここからは気を引き締めていこう。魔物もそれなりに出てくるしね」そう言うアレンさんは欠伸までしていて全然やる気が感じられなかった。アレンさんからしてみればここに出てくる魔物は雑魚でしかないのだろう。ただ、一応警告してくれているという事は僕にとっては強敵であるはず。エネルギーパックの充電を確認し肩からかけると、短剣をいつでも引き抜けるよう手を添わせる。山の中に入ると木が生い茂っていて、ほんの少し薄暗かった。「カナタ、ワタクシの側を離れないように」「は、はい」僕の横には辺りを警戒しながら進むソフィアさんの姿がある。一番前はアレンさんとフェリスさんだ。|殿《しんがり》はアカリが務めていた。凄く男として情けない状況ではあるが、僕が一番弱いから仕方がない。「前方二体、後方三体だね」「後ろは私がやる」「前はボクとフェリスで問題なさそうだ」真ん中でソフィアさんに守られている僕は何もやる事がない。「カナタ、武器は構えておきなさい。ワタクシがもしも取りこぼせば自分で対処しなければならないわ」「分かりました」ソフィアさんに促され僕はライフルを構えた。できればこっちまで魔物がこないことを祈ろう。もしも誤射しようものなら悲惨な事になる……。「フェリス、きたよ」アレンさんが口を開くと同時に影からヌッと姿を現した黒い狼が大口を開けて飛び掛かって来る。「遅いわね!アイスエッジ!」影から飛び出してきた狼を狙い撃つかのようにフェリスさんの魔法が直撃すると断末魔を上げて地面に転がった。「もう一体!」「アイススラッシュ!」
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-04-06
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新たな出会い⑦

山登りを始めて一時間。まだ中腹にも到達しておらず、僕らは一旦休憩を取ることになった。少し開けた場所で腰を下ろすと、水を一気飲みする。一時間も山登りしていれば流石に喉が渇く。大して動いているわけではないが、運動をあまりしていない僕にしてみれば山登りも十分激しい運動だ。「あら、そんなに疲れたのかしら?」「あまり山登りの経験もないので……」「男ならもっと体力をつけなさいな」ソフィアさんは息一つ乱れていない。お姫様なのに凄い体力をしているな。戦う皇女って、なんかカッコいい。「ここから日が暮れるまで登って、野宿。次の日には到着って感じかな?」「頂上に家があるんですか?」「そうなんだよ。面倒だろう?偏屈な爺さんだからねぇ」アレンさんは呆れたような表情で肩を竦める。食料とか自給自足なのかな。頂上だったら街へ買い出しに行くのも一苦労のはずだ。 また、僕らは山を登り続ける。やがて日が暮れると、テントを張りキャンプファイアーをする。辺りは真っ暗でいつどこから魔物が襲って来るか分からない恐怖からか僕は全然落ち着かなかった。「あまり食が進まないかい?」アレンさんはそんな僕の様子を見てか、話し掛けて来た。正直、落ち着かないせいであまり食欲が湧かなかった。「それは安心していいよ。魔物が近づいてきたらアカリが対処するから」「うん」アカリを見るとドヤァと顔に書いてあった。気配察知に関してはこの中でアカリが一番優れているらしい。なんだかそれを聞いたからか急に食欲が湧いてきた。安心感ってやっぱ大事なんだな。食事を終え、近くの川で身体を洗った後僕はアレンさんと同じテントへと入った。既に気が緩んだ格好で寝転がっているアレンさんもまだ寝てはいない。「どうだい?初めての冒険は」「そうですね…&hell
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-04-07
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