僕だけ別室に連れていかれると女性が二人綺麗な立ち姿で待機していた。一体何が始まるんだ。戦々恐々と僕はリオンさんに尋ねた。「あの……何かするんですか?」「ん?アレンから何も聞いていないのかい?私はこう見えて服飾関係の仕事をしているんだ。だから君に合う服を見繕ってくれという内容だと思ったのだが、違うのかい?」ああそういう事か。アレンさんは僕が装備している革製のしょぼい防具ではなく、今まで着ていたような服で頑丈なものを用意してもらおうという考えだったらしい。「ってことは採寸ですかね?」「そういうことさ。君も察しがいい、アレンが気に入るのも納得したよ」「気に入られているのかどうかは分かりませんよ」「いや、気に入っている者でなければ私に紹介などしないよ。さあ、君達始めてくれ」リオンさんが先程の部屋へと戻ると僕はあれよあれよとされるがまま、採寸を行った。全裸にされるなんて聞いていなかったぞ……。採寸を終えてみんなの待つ部屋へと戻ると、話は区切りがついていたのか帰り支度をしていた。採寸だけしてもらっただけだけど、もう帰るのかな。「じゃあ明日もう一度来るからよろしく頼むよ」「任せろ。私が完璧に仕上げてみせよう」支払いとかどうするのかな。アレンさんに聞こうとも思ったが無粋な真似はしないでおくかとやめておいた。事前に予約していたのか、宿に到着すると一人一部屋用意されていて僕は束の間の一人の時間を楽しむ事ができるとうれしくなった。ここ最近は誰かとずっと一緒にいたからな……。別に誰が悪いとかではないんだけど、たまには一人の時間も欲しくなるってものだ。「カナタ、私と同じ部屋」「え?」「私の部屋はクロウリーが亜空間の中にある荷物を整理する為に使うって」ああ、残念だ。結局一人部屋ではなくなった。アカリと同じ部屋で泊まる事になっ
Last Updated : 2025-04-18 Read more