(紫色の髪?) しかもフードの下に隠されていた顔は、とても整っていた。 (女性……ではなく、色白イケメン!? あれ? この人、私の恋愛相手候補とかじゃないよね?) 混乱する穂香をよそに、涼は紫髪の青年をにらみつけている。 「おまえ、こんなことをして何が目的や」 冷たい問いかけに、青年は首をかしげた。 「あれ? 勇者じゃなかった。君、誰?」「それはこっちのセリフや!」「わっ、ちょっと待って! 私は戦闘得意じゃないから!」 涼の攻撃をかわしながら、青年は何もない空間に手をかざした。すると、そこに穴が開く。穴の中は真っ暗だ。その穴の中に、青年が飛び込むと同時に穴も消える。 「涼くん、大丈夫?」 穂香は、呆然としている領に駆け寄った。 「大丈夫やけど……」 涼の瞳は、先ほど穴が開いた空間を見つめている。 「あいつ、穴を開けた上に、閉じた」「それって、何か問題が?」 穂香の質問には、おじいちゃんが答えてくれた。 『化け物は、穴を開けられるが閉じることができん。だからワシらが代わりに閉じて回っている』「ということは、さっきの人は化け物じゃないってこと?」『分からん。より強い化け物の可能性もあるな』「そんな……」『先ほど涼も言っていたが、そもそも、この学校を取り巻く気配がおかしい』 赤い瞳が穂香を見つめている。 「穂香、も
Huling Na-update : 2025-04-30 Magbasa pa