琢磨はホテルで朱莉の分の飛行機の航空券チケットを予約していた。ゴールデンウィークも半ばに迫ってきていた中、何とか片道分の飛行機のチケットを取ることが出来た。クレジット払いを済ませると琢磨は伸びをしながら、呟いた。「片道分か……。朱莉さんが次に東京に戻れるのはまだまだ先になるんだよな……」琢磨は朱莉の母のことを考えていた。時々は朱莉の代わりに面会に行き、様子を伺って朱莉に報告をしたいと考えていた琢磨だったが……。「多分変に思われるだろうな。本来なら翔がお見舞いに行ってあげるべきなんだから……。よし、東京へ戻ったら翔が何と言おうと、時々は朱莉さんのお母さんの面会へ行かせてやる!」琢磨はスマホを手に取ると、朱莉にメッセージを打ち込み、飛行機の便名、日付、予約番号そして「確認番号」を朱莉のスマホに転送した。バーコード転送したのでこれで朱莉はスムーズに飛行機に乗る事が出来るはずだ。メッセージの送信が住むと琢磨は立ち上がった——****「すみません。レンタカーを手配をしたいのですが」 琢磨はフロントに来ていた。明日は朱莉が沖縄へとやって来る。飛行場迄迎えに行き、出来れば琢磨が東京に戻るまでの間、朱莉を連れてついでに沖縄の観光が出来ればと考えていたからだ。「はい、大丈夫です。車種はいかがいたしますか?」男性フロントスタッフが尋ねてきた。琢磨は少しだけ考え……。「ミニバンタイプでお願いします。勿論カーナビ付きで」「お色は何に致しますか?」「色か……なら白でお願いします」「はい、承知致しました。それでは車が届きましたらご連絡させていただきます」琢磨は礼を伝えると、ホテルの中のレストランへと向かった。丁度昼時だった為にレストランはそれなりに混んでいた。琢磨は開いている丸いテーブル席を見つけ、そこに座るとメニュー表を開いた。(流石は一流ホテルだな……。ランチタイムだって言うのに結構な金額じゃないか)琢磨はお金を持ってはいたが、あまり食事にお金をかけるのは好きでは無かった。最悪、食べられればそれでいいと言う考えの持ち主であったので、会社でも殆ど1000円以下のランチばかりを食べていた。そして最近のお気に入りは日替わりで会社の前にやって来るキッチンカーのランチなのであった。琢磨は溜息をつくと、自分の中で一番無難そうなデミグラスソースのかかったオムライ
Terakhir Diperbarui : 2025-04-08 Baca selengkapnya