140. 第二話 ミサトの麻雀 その日ミサトはバイト前の午前中だけ『ひよこ』で遊んでいた。 ミサトの麻雀は目前のローリスクを受け入れて予測可能な後のハイリスクを回避するものだった。 いまは安全策を使う時ではない。という事をよく使い分ける、その嗅覚が鋭いのである。 それを感じさせた手牌がこれ。 ミサト手牌二二三三三四七八九⑦⑧⑨89 親が仕掛けている8巡目にこの手になった。ドラは9索だ。親はテンパイしているかもしれず危険度で言えば二萬切りだ。しかし…… 「リーチ」 打四 これがミサトの選択する守備麻雀である。 その直後追いかけリーチも入りリーチ合戦+親の仕掛けとなる。が。 ツモ三 「カン」 ミサトがリンシャン牌に手を伸ばす。 「ツモ」 「…あら、スジの一萬が出ないと思ったらこんなにここにあったのね」 ドラ9新ドラ二裏ドラ二新裏二 「リーヅモ三色リンシャンドラ7… 三倍満! 6000.12000の4枚です」 「ぐわ!」「また新人王の勝ちかよー!」「プロはやっぱり強えわ」 「フフ、こんなのはついてただけですよ」 ミサトはそう言うがもちろんそんなことはない。この手、親のプレッシャーに押されて
Terakhir Diperbarui : 2025-06-28 Baca selengkapnya