All Chapters of 【牌神話】〜麻雀少女激闘戦記〜: Chapter 121 - Chapter 124

124 Chapters

第1部 一章【財前姉妹】その10 第一話 最推し

120. ここまでのあらすじ  数々の強敵を下しC3リーグを突破したカオリたち。来期からはC2リーガー。しかし、その前に女流リーグがある。 女性だけの戦いにカオリたちがいま参戦する!  【登場人物紹介】 財前香織ざいぜんかおり通称カオリ主人公。女子大生プロ雀士。読書家で書くのも好き。クールな雰囲気とは裏腹に内面は熱く燃える。柔軟な思考を持ち不思議なことにも動じない器の大きな少女。神の力を宿す。 財前真実ざいぜんまなみ通称マナミ主人公の義理の姉。麻雀部部長。攻撃主体の麻雀をする感覚派。ラーメンが大好き。妹と一緒に女子大生プロ雀士となる。神に見守られている。第36期新人王戦3位 佐藤優さとうゆう通称ユウ兄の影響で麻雀にハマったお兄ちゃんっ子。誘導するような罠作りに長けている。麻雀教室の講師になることが夢。第1回UUCコーヒー杯優勝 竹田杏奈たけだあんな通称アンテーブルゲーム研究部に所属している香織の学校の後輩。佐藤優の相棒で、一緒に麻雀教室をやることを夢見ている。 佐藤卓さとうすぐる通称スグル佐藤優の兄。『富士2号店』という雀荘の遅番メンバー。萬屋の右腕的存在。自分の部屋は麻雀部に乗っ取られているが全く気にしていない。 井川美沙都いがわみさと通称ミサト麻雀部いちのスタミナを誇る守備派の女子大生プロ雀士。怠けることを嫌い、ス
last updateLast Updated : 2025-06-10
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第1部 一章【財前姉妹】その10 第二話 雪

121. 第二話 雪  その日、ミサトは『ひよこ』でフリー打ちしようとしていた。待ち席で空きが出るのを待っているミサト。……するとミサトのバイト先の店長である小宮山(こみやま)とその部下かな? と思われる方が来店する。 少し暖かくなってきたと思ったらまた最近は冷え始めていて、その部下っぽい人は青い野球帽を深く被っていて顔ははっきりと見えないが下は厚手のジーンズに少し厚みのあるフカフカした靴下を履いていた。それだけで、ミサトは直感する。 (この人は強そうだ)と。  結婚してる感じはしないから多分自分で選んだ服装だろう。この靴下。季節という先入観にとらわれることなく、自分の感覚で(今日は寒い)と感じて最適な服装を選択出来る判断力。 毛玉のできやすい素材のはずなのに綺麗なままの毛玉ひとつない靴下。 つまり、几帳面。ズボラな人なら隙もあるが几帳面だと麻雀にも隙がない。 このように、ミサトくらいになれば一目見ただけで強いかどうかはやる前から見当が付くのである。 (これは、締めてかかる必要がありそうね) 「こちらの方は?」「あ、ミサトにはまだ紹介してなかったな。ウチの事務仕事担当の飯田君だ。まだ18歳だけどよく気付く子でね。裏方だからあまり顔を合わせることもないけど、同じ店の仲間だから。よろしくな」「飯田です。よろしくお願いします」「私は麻沼スズメこと井川ミサトです。よろしくお願いします」(男性にしてはずいぶん声が高いな)「飯田君はフリー雀荘に興味があると言ってたので連れてきたんだ。ゲームでしかやったことない子だから。もし良かったらでいいんだがミサトも一緒に0.5(テンゴ)で教えてあげてくれないか?」「あ、そういうことでしたか。1.0(ピン)で3人同卓の血で血を洗うバトルが始まるのかと思いましたよ。0.5ね。それなら、いいですね」
last updateLast Updated : 2025-06-11
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第1部 一章【財前姉妹】その10 第三話 ラボ

122. 第三話 ラボ  飯田雪はおぼつかない手つきだった。牌に触れたのは今日が初めてだと言うからそれも仕方ない。「なんか麻雀牌って重いんですね。それに、デザインも描いてるんじゃなくて彫ってあるんですね。素敵だなあ。知らなかったなあ」 そう言いながら飯田はまじまじと自分の手牌を見つめる。「盲牌(モーパイ)って聞いたことないか? あれはさ、指先の(主に親指の)腹だけで何の牌を引いたか当てることなんだよ。この彫りの手触りだけでね」「そっ、そんなこと可能なんですか?!」「出来る人には出来る。おれは苦手だけど」「ふふっ! なんだ、苦手なんですね。凄い! と思って聞いてたのに」 ふふっ! と笑う飯田は笑顔が幼い少女のようでなんだかミサトはキュンときた。    そんなこんなで半荘2回を行いミサトと店長が1回ずつトップを取って終了した。半荘2回を通して飯田を観察したミサトの感想は(飯田さんはとても丁寧に麻雀するなあ…… 鍛えたら強くなりそう。あと、顔がかわいい、髪を伸ばせばもっといいのに)と思ったという。  ゲーム終了後にミサトは思い切って話しかけた。「あ、あのさ。飯田さん。私も今18歳なんだけど、私達お友達になれないかな?」「えっ…… ぜ、ぜひよろしくお願いします。ユキって呼んでください。名前…… 気に入ってるので」「同じ同じ! 私も自分のファーストネームを気に入ってるの! 私のことはミサトって呼んでね、ユキ!」「わかりました…… よろしく、ミサト」 (かわいい~!) ミサトの中で何か禁断の扉がバカン! と勢いよく開いたような音がした気がしたが(気のせいだろう)と思うことにした。 
last updateLast Updated : 2025-06-12
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第1部 一章【財前姉妹】その10 第四話 取材

123. 第四話 取材  財前姉妹は喫茶『グリーン』で取材を受けていた。月刊麻雀師団という見た事も聞いた事もない月刊誌の取材だそうだ。(こんなのがあったのか)と2人とも思ったが、聞いたことない雑誌ではあるけどわざわざ水戸まで出向いてくれたので誠意ある対応をしなければと思った。「師団のプロが働いてる雀荘には置いてると思うんだけど、読んだ事ないですか?」「ごめんなさい、知りませんでした」「私も」「おかしーなー。『ひよこ』なら成田プロがいるから置いてると思ったのに」「まあ、ひよこは本棚が無いからね」「本棚がない?!」「はい、だから『月刊麻雀プロ』も届きますけどいつもマスターが持ち帰ってますし、多分この雑誌も…… 本棚らしきものが沢山あったような跡は床にあるけど今はそこにケータイ充電器が『各種無料です、ご自由に』という形で置いてあります。小さな雀荘ですからね。スペースを大切にしてるんです。新聞ならありますけど」「昔は卓数が少なかったんじゃないかな。待ち席付近の1台だけ最新機種だから。あれを置くために待ち席付近にぐるっとあったであろう本棚を無くして増卓したんじゃない?」「はあ、なるほど。繁盛してるって事ですね、そう言う理由なら仕方ないかー。でも最新号だけでも新聞と一緒に置いて欲しいなあ」「マスターに相談してみますね」「頼むよ」 そう言って記者は一口アイスコーヒーを飲む。「…! うまい! このアイスコーヒーは?!」「そうなんですよ。ここアイスコーヒー美味しいんですよ」 すると店主が声をかけてきた。「ありがとうございます。麻雀雑誌の記者さんですか? ……このアイスコーヒーは昔、千葉県に住んでいた時に働いていた喫茶店で教わったものでね。そこもアイスコーヒーで有名な店でした」「それ、もしかして勝田台の『えにし』じゃないですか!?」
last updateLast Updated : 2025-06-13
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