カサネさんの了承も得て、次の日にロンディさんのお店までやってきた。 店に入り、呼んでもらったロンディさんに問題ないことを伝えると、さっそく応接室まで案内してくれた。「いや~お時間を取って頂いてありがとうございます。そちらの方は初めましてですな。私この店のオーナーでロンディと申します。以後、よろしくお願いします」 「カサネです。こちらこそよろしくお願いします」二人が自己紹介をしてから、ロンディさんから以前の依頼以降の話を色々と聞かれることになった。俺は能力が多少強まったという程度に留めて新しいスキルのことまでは話さなかった。そうすると話だけでは済まずまた数日調査で足止めになりそうなほぼ確信に近い予感がしたからだ。 しかし、ロンディさんは意外なところで反応を見せた。「なんと!シディル先生にお会いしたんですか?いや、実はカサネさんの腰に見える魔道具に少々見覚えがあったのでまさかとは思っていたのですが」 「シディルさんとお知り合いなんですか?」 「えぇ、私の魔道具研究の師にあたる人です。昔は先生もこのカルヘルドで研究員をしていたのですが、旅に出た際にマグザで色々あった様でしてな。最終的にあそこの学園長に就任されることになったんですよ」まさかロンディさんとシディルさんが師弟関係だとは思わなかった。思えばどちらも魔道具研究に思い入れがあるから知り合いだとしても驚きはしなかったが。 その後も色々話をしたが、ロンディさんは俺のスキルを調査した後はそれを何かに応用できないか研究を進めていたらしい。「まだ目立った成果は出ておらんのですがな。交換という概念を何らかの形で生かせないかと試行しているところなのですよ」 「交換ですか」 「そう、分かり易いところでいえば、物体の交換やエネルギーの置換などですな。これが可能になれば新しい魔道具の仕組みを作ることが可能になるかもしれません」ロンディさんは新しい研究課題に取り組むようになって以前より生き生きとしているように見えた。その後も難しい話が色々と続いたが、俺にはほとんど理解できなかった。しかし、隣で聞いていたカサネさんは興味深そうに色々と質問をしてい
Terakhir Diperbarui : 2025-05-31 Baca selengkapnya